昼になっても時はまだ目覚めていなかった。

「時…大丈夫かな」加奈は心配だった。

「手術は成功したんだ。そのうち目を覚ますだろう」龍人は励ます。

しかし楽人は苦悩していた。

湖南が椿の事を好きだと分かっていてもやっぱり湖南の事を諦めきれないでいた。

そして楽人は病院を抜け出しどこかの小さな公園に行く。

「……俺はどうしたら良いんだよ!」

楽人が小さな公園で思わず大声を上げる。

「何を落ち込んでいる?」

海斗は声をかけた。

「……なんでもないよ」

しかし海斗は楽人が心配だった。

「どうした?」

海斗が振り返ると湖田鎧と雪中月美がいた。

「あなた達は?」海斗は驚く。

それは剛から見せてもらった写真の中に写っていた人物で蓮の仲間だった。

「なんか印象に残っているなと思っていたら」

「君、どっかで会った事あるっけ?」鎧は戸惑う。

「さっきの叫び声は?」月美が聞く。

「俺の仲間です。すいません」

鎧は楽人の方に行く。

「どうしたんだ、何があったか?」

「別に何でもないです、ただ叫んだだけで」

「そんなようには見えないが」

海斗と月美も注目する。

「……何に悩んでいるのか分からないが湖南がお前を叩いたのはお前を思っての事だと思うぞ」海斗は言う。

「違う、俺は湖南が許せない」

「どういう事だ?」

「湖南は椿の事を受け入れている。その考えが俺は気に食わない」楽人は怒っていた。

海斗は何も言えなかった。

「何だが分からんないがお前の考えで彼女を縛るようなことは良くないな」鎧は言う。

「でもそいつは」

「彼女さんには彼女さんの考えがあるんだよ、逆にあなたの考えが正しいというわけでもないと思う」月美は言う。

「…」楽人は黙り込む。

「月美、言うようになったじゃん」鎧は突っ込む。

「私も成長してるからね」

「でも彼女を思う気持ちは悪くない」鎧は楽人を励ます。

楽人はどうしたら良いか分からないでいた。

「でもここまで思えるなら彼女さんを受け入れる事も出来るんじゃないの?」月美は言う。

「受け入れる?」

「うん。なんかあなたなら出来る気がする」

月美の言葉で楽人は目が覚めたようだった。

そして2人は去っていった。

その頃、時の側には胡桃がいた。

胡桃は時の手を握っていると加奈が病室に入って来た。

胡桃は慌てて時の手を離す。

「時、まだ目を覚めないのね」加奈は不安だった。

「大丈夫、時はきっと目を覚ますよ」

そして海斗と楽人が帰ってきて時を見る。

「時は俺や湖南の事を気にかけてくれていた。そして悪党の卓三も自分の身を犠牲にしてまで助けた。それなのに俺は湖南の意思を無視しようとしたり海斗や龍人が時の処置をしている中、自分はあいつに向かっていこうとした。俺は情けない」

海斗達は楽人を見る。

「でもお前はちゃんと気付いたじゃないか。それでよかったじゃないか」海斗は励ます。

すると時は目を覚ました。

「時!」海斗は声を上げる。

時はまだ話す事は出来なかったものの海斗達は安心する。

後から来た龍人と湖南も安心する。

「目を覚ましたのか」

椿も駆け付けた。

「ありがとう…椿」湖南は笑顔だった。

楽人も久しぶりに笑顔になれた。

数日後、時は退院し学校に行けるようになった。

そして7人で下校していると卓三が現れた。

海斗達は警戒する。

「…自分は間違っていました。今まですみませんでした」卓三は頭を下げて謝る。

海斗達は黙り込む。

「あなたもきっと変われるはず。だから前を向いて生きて」湖南は優しく言う。

「俺は変わります。なので俺を警察に…」

「その必要はない。お前が変わろうとするならそれでいい」時は許した。

「ありがとうございます」卓三は決意した。

卓三は去っていった。

そんな海斗達の姿をマンションの屋上から天都が見ていた。

「やれやれ元ドクターに手術させなくても治療してやったのにな」

天都は敢えて痛みを与え後で特殊な力で治療する事を考えていた。

「まぁ良い。海斗、俺の邪魔だけはするなよ」