海斗達は公園で話をしていた。
「しかしなんであの復讐屋と関わろうとするんだ?」時は聞く。
「なんか深い事情があって復讐屋をやってるんじゃないかと思ってね」海斗はそう考えた。
「でも復讐屋をやりたくなるぐらいの深い事情って何だろう」加奈は考える。
「よぉ!」
そこに椿がやってきた
「お前」海斗は抗の件もあって警戒する。
「伊藤抗という奴学校退学したようだな。これでまだ依頼を達成したな。まぁ後で報復があるかもしれないが」椿は悪びれていなかった。
「ふさげるな、全部お前のせいで」海斗は感情的になる。
「全部お前のせい? 馬鹿な事言うなよ。俺は伊藤抗からお前も含めて多くの人を救ってやったんだ、むしろ正義だろ」椿は言う。
「それに伊藤抗のやっている事は犯罪行為だ。そして俺が依頼を達成した事で馬鹿2人の金も戻ってきてるじゃないか」
海斗と楽人は思わず黙り込む。
「でもそれでも」
「お前のしている事も正義なのか?」椿は問う。
「それは…」
「お前にとっての正義が誰かにとっては悪かもしれない。むしろ俺のやっている事を賞賛する人間の方が多いかもしれないぞ」
その時、加奈は意見した。
「あなたのやっている事は正義か悪かは分からない。でも私は海斗を信じている」
加奈は海斗の味方をする。
「俺は誰かの無念を晴らし心を華やかにするのが仕事だ。死にそうな人間を救うよりも生きている人間を救う方が俺にとっての正義だ」
「あなた……ドクターだったくせに死にそうな人を救わなくていいなんて」加奈は呆れた。
「たくさんの人を救った俺が1つの命を救えなかっただけで人々は平然と俺を傷つけた。おまけに医師免許を剥奪され医療界から追放された」
椿の言葉を聞いて海斗は父親の事を思い出した。
父親の亮が手術に失敗しそして多くの人から批判され挙句の果てに次男の天都は町を放火しそして多くの人を傷付けた。
そう考えると椿はある意味自分と似ていて天都とも似ていると海斗は感じた。
椿は去っていく。
その頃、どこかの屋上では男がビルから人々を見ていた。
「まさか襲撃する気か」悪魔が現れて聞く。
「俺も無駄に人を襲ったりはしない。襲うのは人間のクズだけだからな」
「お前も人間のクズじゃないのか?」悪魔は馬鹿にする。
「確かに多くの奴は俺をクズとみるかもしれない。でも俺にとってはこれは正義だ。俺がやらなきゃ誰がやる」男は刀を見ながら言う。
数日後、龍人は海斗を家に呼ぶ。
海斗が龍人と楽しく話をしているとそこに龍人の父親の正樹が帰ってくる。
「初めまして」
海斗が挨拶をすると正樹は驚く。
「猛じゃないか」正樹は興奮する。
「え?」海斗は戸惑う。
「父さんこいつは海斗だ」龍人は言う。
「何だ…やっぱりそうか」正樹は分かっていながらも落ち込んだ。
「いや、私には猛という息子がいたんだけど猛は交通事故で死んだんだ。そのタケルは君そっくりでつい驚いてしまった」
そして海斗は気付いた。
――もしかしてこの世界の自分か?
夕方、龍人は途中まで海斗を送りながら話した。
「父さんは俺の本当の父さんじゃない」
「どういう事だ?」海斗は驚いた。。
「俺の父さんは俺を捨てて出ていった。その後、今のお父さんに育てられたんだ。今のお父さんには子供がいたらしいんだけど事故で亡くなっている。だから俺はお父さんにとっては2人目の子供みたいなものだ。血は繋がっていないけど」龍人は悲しそうに言う。
海斗は何も言えなかった。
「でも正直俺は自分を捨てた父さんを憎んでいる。俺は父さんが嫌いだ」龍人は怒っていた。
意外な龍人の一面に海斗は思わず驚いてしまう。
しかしそれ以上は聞かなかった。
