胡桃は校庭で考えていた。
――これから先、自分は獣医の道に進んで良いのかな
高馬の件以降ずっと胡桃は高馬の消滅にトラウマを感じていた。
――私、本当に医療の現場でやっていけるのかな
――目の前で消える命と真正面から向き合えるのかな
胡桃は不安だった。
「どうした?」そこに時がやって来た。
「別に何でもない」
「無理しなくても良いぞ。何が心配事か?」
「別に…」胡桃は立ち去った。
帰り道、胡桃が落ち込みながら帰っているとそこに自転車から転倒してケガをしている青年を見つけた。
「大丈夫」胡桃は持っていたハンカチを包帯にして巻いてあげる。
「ありがとう」
胡桃の前にいたのは谷月千、泉蓮の友人の1人だった。
胡桃は千のバックを拾うと中に家電関係の資料が入っている事に気付く。
とりあえず胡桃は千を休める場所まで連れて行く。
歩いている途中、バイクに乗った青年が前に現れる。
それは純崎剛、同じく蓮の友人の1人だった。
「千じゃないか」
「剛」千は驚く。
「久しぶりだな」剛は喜ぶ。
胡桃は少し混乱した。
そして自然緑川公園で休む。
剛は薬を塗り処置をする。
「ありがとう、剛」千は感謝する。
「あなたも医療関係の人?」胡桃は聞く。
「そうだよ。君は何をしている人なのかな?」
「私も医療関係の高校に通っているわ」
「でも良かった無事そうで」胡桃は安心する。
「ありがとう、君のおかけで助かったよ」千は胡桃にお礼を言う。
そこに海斗と時がやってきた。
「どうした?」海斗が話しかける。
「うんちょっとね」
「君、花式高校の生徒」剛は海斗に話しかける。
「そうだけど」
「そうか、この前蓮という奴と久しぶりに会ったんだけどそこで花式高校に通う青年が恋愛相談をしていたんだよ」
海斗は思った。
――間違いなく自分だな、でもまさか蓮の知り合いにも会うとは
「しかし卒業から3年経つな、いつも一緒に会っていたのに気付けば会う回数も減ったな」剛は写真を取り出す。
海斗が覗き込むとそこには蓮と奈美そして剛と千、その他5人が写っていた。
「この人達友達?」海斗は聞く。
「そうだ。俺にとって大切な仲間達だ」剛は高校生活を振り返る。
「今はそれぞれ別の道を進んでいるがしかし俺達は繋がっている。いつまでも」
海斗は何故が感動した。
「じゃ俺は行く」
「おう、またな」
千は行く前に胡桃に言った。
「ありがとう、君みたいに優しい人に助けてもらえて良かった」胡桃は嬉しい気持ちになった。
「じゃ俺も帰る」
剛も帰っていった。
胡桃が行こうとした。
「胡桃、何があったら相談にのるぜ」時は言う。
「どうしたの? 時らしくない」
「龍人と約束したからな。人の役に立つような事をすると」
胡桃は笑顔になった。
――そうだね…命とはこれから前向きに向き合っていけば良い
翌日、胡桃は昨日と同じように悩んでいた。
すると加奈がやってきた。
「どうしたの?」
「何でもない…というよりみんな同じ事言うね」
「心配なんだよみんな」
しかしみんなから大事に思われていると考えると胡桃は嬉しかった。
放課後、胡桃は自然緑川公園にいた。
「君昨日の」
顔を上げると剛が話しかけてきた。
「あなた昨日の」胡桃は少し驚く。
「なんか昨日より顔つきよくなったじゃないか」剛は言う。
「医療について深く考えていたけれどでもみんな最初から優秀なわけない」
「その通り。大切なのは自分は恐怖を乗り越えられると信じる事だ、そしてそのためには強くなることだ。俺はそんな事しか言えないがでも俺はそれが一番大事な事だと信じている」
しかし胡桃の心には響いたようだった。
「まぁ俺の仲間たちはみんな君みたいにそれぞれ苦悩していた。恋の問題もあれば恨みの問題などもあった。でもみんなそれを乗り越え未来を手に入れた。君だって出来るよ」
剛は自転車にまたがる。
「じゃあね」剛は帰っていく。
「自分を信じる…そうだよね」
胡桃はそう呟きながら笑顔になる。
そして胡桃はまだ改めて獣医を目指そうと考えた。
