海斗は加奈に告白したいと思っていたがやはり出来ないで悩んでいた。
何回も2人っきりになってそのたびに告白しようとしたが告白しようとする直前に無意識に別の話をしてしまうため告白できないでいた。
海斗は1人教室の椅子に座りながら落ち込んでいた。
その時、奈美からもらったキーホルダーを見た。
「何で出来ないんだ」海斗は辛くなった。
「どうしたの?」
顔を上げるとクラスメイトの伊藤抗がいた。
「別に何でもない」海斗が去ろうとした。
「困っているなら助けてあげるよ」
海斗はしばらく相談した。
「加奈の事好きなんだ」
「だったら告白できるようにセッチングしてあげるよ」
「セッチング?」
「告白しやすい雰囲気を作ってあげるという事、知り合いの家を提供したり遊びのイベントを用意したり」
「本当か? それなら」
「でもその前に1万円頂戴」
「お金取るのか」
「無料の訳ないだろ」
海斗は考えるが抗を信じお金を抗に払った。
その頃、楽人も悩んでいた。
――どうしたら湖南と付き合えるんだろう。
するとそこに同じように抗がやってきた。
「恋に悩んでいるのか? だったら俺が特別な方法で実らせてあげるよ」
楽人は興味を持ち話を聞く。
「それは本当か?」
「本当だ。15000円払えばね」
「は? お金取るのか?」
「それほどの事をするんだから」
楽人は迷いながらも海斗と同じようにお金を払う。
「本当にこれでやってくれるんだろうな?」楽人は疑う。
「安心しろ。その恋実らせてやる」
抗はそう言い去っていった。
翌日、海斗は加奈に話しかける。
加奈はいつも通りだった。
抗の事を聞こうとしたがしかし話すのはやめた。
その頃、楽人も湖南に話しかけるが湖南もいつも通りだった。
それが数日間続いた。
ある日、龍人は屋上で抗と話をしていた。
そこに胡桃もやってきた。
「ねぇ胡桃、何が恋の悩みない?」抗は聞く。
「別にないよ」
すると海斗と楽人がやってきた。
「抗、準備は出来ているのか?」
「抗、今どういう状況だ?」
「え?」海斗と楽人はお互い顔を見る。
「まだだよ。少し時間がかかるもので」抗は笑顔で言う。
しかし海斗は焦っていた。
「早くしてくれ、こっちはずっとドキドキしているんだ」海斗は焦っていた。
胡桃は何が不信感を感じていた。
そして抗は去っていった。
放課後、胡桃は海斗と楽人を校庭に呼ぶ。
「どうしたんだ?」
「あなた達抗に何を頼んだの?」胡桃が問う。
「別に」海斗は言えなかった。
「俺も別に」楽人は目線を下に向ける。
「何か怪しいのよ、抗」胡桃は疑っていた。
「クラスメイトを疑うのかよ、抗は良い奴だ」海斗は信じていた。
「そうだよ、俺は抗を信じる。15000円払っているんだから」楽人は思わず言ってしまう。
「え? 15000円?」海斗は注目する。
胡桃は察し呆れた。
「あなた達、一体何頼んだの?」
「それは言えない……でも抗は良い奴だし」
「抗の事、どれほど知っているの?」
胡桃の問いに海斗と楽人は黙り込む。
「何を頼んだが知らないけど人を疑うのも大事だよ」胡桃は海斗と楽人に忠告する。
その時、龍人がやってきた。
「海斗、抗がみんなに責められている」
海斗と楽人、胡桃はすぐ教室に駆け寄るとたくさんの生徒たちが抗に抗議していた。。
横を見ると加奈と湖南がいた。
「これって……」海斗は言葉を失う。
「あいつ、色んな人からお金をだまし取っていたらしい。詐欺師みたいに」
海斗と楽人は一瞬にして心が壊れる。
――ずっと信頼していたのに何で。
「こんな事だと思ったよ。馬鹿よ2人とも」胡桃は言う。
その時、海斗は何故が学校を飛び出す。
龍人と胡桃、楽人もついていく。
マンションのドアを叩くとそこに椿が出てきた。
「お前か、抗の件は」
「そうだ、患者が来てお金を騙し取られたから復讐してくれと頼まれたんだ」椿は悪びれていなかった。
海斗は椿の胸倉を掴む。
「やめろって、良かったじゃないか俺のおかけでこれ以上被害が出ないし金だって帰ってくる。ある意味医療だぜ」椿の言葉に海斗は何も言えなかった。
人を救うために人を傷つける椿、誰だろうか人を傷つけるのが嫌な海斗、どちらの正義も間違っていない。
「それなら…それなら俺がお前を治療する」
「どういう意味だ?」
「ドクターが患者を治療するように俺がお前を変えて見せる」海斗の言葉に椿は鼻で笑う。「勝手にしろ」椿は部屋に戻る。
その後先生には報告はなかったものの抗は詐欺師として誰からも相手にされず最終的に学校を退学する事になった。
海斗と楽人は抗に問題があるとはいえ他人とお金任せで恋を叶えようとした自分を責めた。
