夜、海斗がお風呂から上がりテレビを見るとそこにあるニュースが飛び込んできた。
前回、高校に来て講義を行った医者が逮捕されたというものだった。
翌日、海斗達はその話題について話していた。
「まさか本当だったなんてね」胡桃は言う。
「でもよくあの医師が来る場所分かったな」時は関心する。
海斗と龍人、加奈は椿が気になっていた。
「あいつが仕組んだんだ」
海斗の言葉に胡桃と時、楽人、湖南は注目する。
「あいつがそう言っていた」
「あいつって昨日のあの知らない人か? でもなんのために」楽人は聞く。
「分からない。あいつも被害者なのか、そもそも何者なのかよく分からないんだ」
しかし海斗は何が嫌な予感がした。
放課後、7人が下校をしようと外に出るとそこに椿が待っていた。
「あんた昨日の」
「様子が気になってね」椿はにやけていた。
「あんたこの前の医師について話を聞かせてくれ。あんたは何をした?」龍人は聞く。
「じゃあまずは内に来ると良い」
椿の言葉に海斗達は行こうとするが加奈が止める。
「やめたほうがいいよ、何か危ない気がする」加奈は警戒していた。
「私も同じ。いかにも危なそうだし」湖南も同じだった。
「平気だって」
「そうだ。横断歩道みんなで渡れば怖くないというしみんなで行けば大丈夫だよ」龍人は加奈と湖南を説得する。
「まぁいざというときは俺が戦ってやる」時は言う。
こうして7人は椿と共に行く事とした。
着いた先は不気味で今にも幽霊が出そうなマンションだった。
「ここ心霊スポットじゃないか」
「大丈夫だ。心配するな」
7人は警戒しながらもその部屋に入る。
そして椿は7人に飲み物を差し入れる。
「どうだ、不気味だろ」椿は笑顔で話しかける。
「あんたこの前の医師の件について聞かせろ」海斗は危険視していた。
「良いだろう。まず俺はここで復讐屋として活動している」
「復讐屋?」
「そうだ。復讐屋は依頼者からお金を貰いその恨みを晴らすという仕事だ」
「それって闇商売じゃないの?」加奈が聞く。
「世間から見たらな。だが俺は誇りに思っているし他の闇商売と一緒にするな」椿は加奈の言う事を否定した。
「そして被害者青年達から依頼を受けてその医者に復讐をした。まぁしたというよりかは手伝ったといったところだが。まず多くの人の前で過去の事を暴露し威厳をなくす、そして晒し者にするため医師がどこにいるかを調べその結果、花式高校で特別講義をすると分かった。当日、依頼者に演技をさせて多くの人の前でその医師の悪事を晒した。この依頼は成功し俺は依頼者……いや、患者を救った」椿は自分を称賛するように話す。
「お前…」海斗は怒りに震える。
「しかし驚いたな、まさかお前もパラレルトラベラーだったとはな」その言葉に海斗は驚く。
「何故その事を」
「何故? それは俺もお前と同じパラレルトラベラーだからな」椿は笑顔で言った。
「何だと」
「俺は悪魔の力で別世界からこの世界に連れてきてもらった。そして俺はパラレルトラベラーを見抜く能力を身につけた。だがおかしいな。なぜお前は悪魔によって連れてきてもらったのにその能力を持っていないんだ」
全く話を聞かされていない楽人と時は困惑した。
加奈と龍人、胡桃、湖南は海斗から話を聞かされていたが信じていなかった。
しかし海斗の真剣な顔を見ると本当に別世界から来たんじゃないかと信じ始めた。
「あんた、なぜこんな事する。わざわざ別世界から来てまで何か目的なんだ」海斗は聞く。
「俺は元いた世界では世界が注目する医者だった。しかしある成功する確率5%以下の手術に失敗した。本当なら責められないはずだが俺が天才医師だったかため期待を裏切られたと多くの人間が俺を批判した。さらにいえばかつて自分が助けた患者も含めて。そして医師免許を剥奪され医療界から追放され疲れ果てた俺の所に悪魔がやってきた。そして俺はパラレルトラベラーとしてこの世界にやってきた。俺は人の心を救うためこの世界で復讐屋を立ち上げた」
「ふさげるな」海斗は怒りに燃える。
「いくら悪人でもこんな事していいわけない、これじゃまだ復讐が起きるだけじゃないか、そしてそれはただ復讐の連鎖になるだけじゃないか」
「これは医療だ。人の心を救うための治療だ。まぁ俺は闇医者だが」椿は鼻で笑った。
加奈も割って意見する。
「違う、こんなの医療でも治療でもない。ただの復讐でしかないよ」加奈は怒りに震えた。
「そうか? 恨みを抱えながらこの先生きて行かなきゃいけない人間がこの復讐で心の傷が消えるんだぜ、いいじゃないか」
「それにストレスが原因で体が弱くなる人間もいるしそういう面では俺のやっている事は医療であり治療である」
「それに元を正せば俺に復讐を依頼をさせるほど人を傷付けた腫瘍やウイルスに問題があるだろ」
「ウイルス? 何の事」
「加害者の事だ」
椿は加奈を睨み付ける。
「この後患者が来る。今日はここまでだ」椿は7人を帰らせる。
海斗と加奈はとても嫌な気分だった。
「海斗、パラレルトラベラーって何?」加奈は聞く。
「別世界から来た人間の事だよ」
「そうか~驚いたな。まさか海斗の言う事本当だったとは」龍人は信じた。
「でも本当か?」時は未だに疑っていた。
楽人も信用しきっていなかった。
「でも本当にそういう不思議な出来事もあるかもしれないよ」湖南は言う。
人それぞれだが加奈達は海斗が別世界から来たパラレルトラベラーだと信じる事とした。
