セカンドエンディング

 

フレイムアイスシリーズ第2作目

あらすじ

『トゥル―エンディング』の3年後を舞台にした続編。

パラレルワールドからやってきた主人公の水崎海斗が6人の仲間と出会い恋愛や医療を通して成長していく物語である。

 

 

登場人物

 

水崎海人

この作品の主人公。明るく正義感の強い青年で別世界で出会った加奈に片想いをするが同時に心の中にある深い悲しみを背負っている。

 

火高加奈

美人だが暗い少女。当初は暗かったが海斗と出会った事で彼女は変わっていく。

 

電龍人

友好的で無邪気な青年。明るく優しい好青年で海斗が最初に出会う仲間である。

 

草麦胡桃

海斗に恋心を抱く少女だが目的のためなら手段を選ばず人も平気で傷つける性格である。

 

風凪湖南

真面目で心優しい少女。彼女は自分が信じる道を突き進んでいく。

 

光楽人

恋に深く悩む青年で自分の信念を信じる青年である。

 

空川時

暴力的な青年で問題児である。

 

鉄中椿

復讐を医療と称して商売する裏世界の人間である。

 

 

エピローグ

ある夜、光島では人々が悲鳴を上げ島は大混乱となっていた。

「兄貴!!なぜ俺達を裏切った!」

なぜ彼女を傷付けた。兄貴!!」海斗は叫ぶ。

「これは世間に対する復讐だ。俺はこの世間を許さない。これは天罰だ」

男は大笑いしていた。

「彼女は何もしていないじゃないか。むしろ彼女は俺たち家族の味方をしていた。なのに……それなのに」

「味方だろうが俺にとっては悪党だ。彼女を傷付けて世間に見せてやった。お前達社会が一人の女を傷付けた事を」

男はどこかに歩いて去っていった。。

「待てよ、兄貴!!」

そして男は暗闇の中に消えていった。

「兄貴……兄貴……うわぁぁぁあああ!!」

海斗は悔しいあまりその場に倒れこむ。

絶望する海斗の前に見た事もない同世代の少女が現れた。

「あなたは1人じゃないよ。苦しい事があってもきっと誰かが手を差し伸べてくれる」

少女の励ましに海斗は少し心が癒えた。

ふと海斗は目が覚めた。

「夢か……嫌な夢だ」海人は気分を悪くした。

 

 

それから数日後、海斗は家のパソコンから志望大学の合格発表の一覧を検索し自分の番号を探すが結果は不合格だった

海斗は一瞬にして生気が抜けた。

初めからその大学を志望していたため1年間毎日勉強し時に心が折れ、時に逃げたくなってもそれでも負けずに努力した。

しかし落ちてしまった。

そして海斗は考える。

―― 一浪して来年またその大学を受験する…もしくは2次募集を受験してそして志望大学を諦める

海斗は決断を迫られていた。

――きっとあの出来事があったから落とされたんだ

海斗は諦めようと考えた。

夜、海斗は部屋の椅子に座り考えていた

――これからどうしたらいいんだよ。

海斗の中から将来への希望は消えていた。

そこに不敵な笑い声が聞こえた。

振り返るとそこには赤と黒の服を着た男が立っていた。

それは悪魔だった。

「あんたどこから入ってきた!」海斗は驚く。

「お前に良い話を持ってきたぜ。お前にまた最初から高校生活を送らせてやる」悪魔は海斗の耳元で囁く。

「何言っているんだ、あんた、早く出ていけよ、警察呼ぶぞ」海斗は警戒する。

「どうだ、高校生に戻る気はないか」悪魔は再度聞く。

「分かった!戻りたい!だから早く出ていけ」海斗は適当に返事した。

「その願い聞き受けた」

悪魔は手から赤い光線を放ち気が付くと朝になっていた。

ふと見ると悪魔はいなかった。

「夢だったのか」

しかし部屋の中をみると明らかに自分の部屋ではなかった。

「どういう事だ」海斗は混乱する。

そして下に降りてみるとそこは知らない場所だった。

「俺…誘拐されたのか」海斗は怖くなる。

とりあえずテレビをつけると日付が3年前に戻っていた。

海斗はさらに混乱し悪魔の事を思い出した。

そして鏡を見るとある違和感を覚えた。

――俺、若返った?

――こんな非現実的な出来事が起きるなんて。

ふと机の上を見るとそこには花式高校の受験合格の書類などがあった。

「俺の通っている高校じゃないか。でもなんで合格の種類が」

ふと海斗は悪魔の言葉を思い出す。

「まさか…本当にやり直すのか」

海斗は興味本位で花式高校に行くと学校の前に悪魔がいた。

「これはどういう事だ」海斗は悪魔に問い詰める。

「ここは別世界でお前は別世界の今通っている高校に入学しているという設定だ。だからここは高校生活2周目の世界だ」悪魔は説明する。

さらに悪魔は話した。

「お前は気付いていないかもしれないがこの世界でお前は赤ん坊の頃に警察に保護されたものの名前も分からず身元も不明だったためお前をある施設が保護した。そしてお前がいた家は、国がホームレスなどのように帰る場所がないものがその時期だけ利用できるように提供されている家だ。そしてお前は無意識のうちにこの高校を受験し合格、その後は既に入学式から2週間高校生活を送っているという設定だ」

「つまり中途半端なところからスタートするという事だね」海斗は不思議な感覚だった。

それを聞いた海斗は質問する。

「そういや何で悪魔がこのような不思議な事をするんだ? こういうのはだいたい天使とか妖精がする事じゃないか?」。

「悪魔だってやるときはやるんだよ」

「そういや俺の家族や友達は?」。

「この世界にはいるかもしれないがいたとしてもお前の事は知らないだろう、何故ならこの世界はパラレルワールドだから同じ人間でも別の生活を送っている。そしてお前は今、パラレルトラベラーになったんだ」

悪魔はそう言い去っていった。

「パラレルトラベラー?」海斗は何の事が分からなかった。

海斗が過ごす都立花式高等学校はチャレンジスクールの1つでチャレンジスクール初の医療を中心に勉強をする学校でありそして将来の医者を育成するための学校でもあった。

海斗はバックの中に入っていた花式高校のパンフレットを読んで思った。

――俺、医療には興味ないのに…というよりそもそも血や内臓を見るのも苦手なのに。

海斗は入る前からとても不安になったがとりあえず学校の教室に入ってみる。

周りは初めて見る生徒ばかりで海斗は不安だった。

――「お前誰だ?」「不審者?」とか言われないかな。

しかし周りは海斗を見ても気にしていなかった。

「君、初めて見るけどもしかして今日が初登校日かな」

そう話しかけてきたのは電龍人だった。

「前からいるさ。君が気付いていないだけさ」

「そうか…まぁ仲良くしようぜ。同じ医者を目指すかもしれない人間同士」

ふと奥の方を見ると後ろ姿しか見えていない海斗だが何故か彼女に興味を持つ。

そして海斗は彼女の側に行き話しかける。

「ねぇ君、名前は」

その時、初めて加奈の顔を見る。

加奈は美しい顔をしており海斗は一瞬にして加奈に一目惚れした。

海斗にとっては初恋だった。

しかし加奈は警戒し黙って教室から出ていった。

海斗は少しショックを受けた。

休み時間、加奈は屋上で座っていた。

そこに海斗がやってきた。

そしてお互い存在に気付いた。

加奈は嫌がっているように見えたが海斗は声をかけた。

「……しかし今日は朝から色々驚いたな、驚きすぎて疲れた」海斗は不器用ながらも話す。

「何で私に話しかけるの?」加奈は不審に感じていた。

「……別に話しかけていないよ、ただ独り言を言っていただけだよ」海斗はとぼける。

「……俺、別世界からやってきた人間なんだ、だからこの世界ではほどんと生きていない」

「……意味が分からない」加奈は海斗を拒絶しているようだった。

「面白いね、君」

2人が振り返るとそこには龍人がいた。

「別世界からやってくるなんてファンタジ―だね…まぁ冗談だろうけどね」

「信用できなくでも仕方ない。普通に考えてこんな事あるわけないんだし」

龍人は空を見上げる。

「そういえばここは医療の学校だけど2人も医者になりたいのか?」海斗は質問する。

「俺は昔、交通事故に遭ったんだがその時に救急車が来て隊員達が俺を励ましてくれた、そして俺の担当医も俺を毎日励ましてくれた、そんな先生に憧れて俺はドクターになりたいと思った。そして俺は小児科医を目指している」

龍人の話に海斗と加奈は思わず惹かれてしまった。

「…私もたくさんの人を救いたいと思ってこの道に進むことに決めた。私は看護師になりたいと思っている」加奈も初めて言葉を発した。

「いいね2人とも、俺なんて自分の事ばかりで人の事なんてどうでも良いと思っているのにあんたらは偉いよ」

海斗の言葉に加奈と龍人も何故か面白く感じた。

「お前は夢ないのか?」龍人は聞く。

「俺にはないな。夢なんて持っても意味はないと思っているから」

海斗は過去の家族の出来事を思い出す。

「じゃあなんてこの学校入ったんだよ」龍人は笑う。

加奈も笑顔になる。

「いいじゃん。君の笑顔」海斗が言うと加奈は表情を戻す。

しかし3人はそんな会話をして少し打ち解けた。

放課後、海斗が玄関に行くとそこに加奈がいた。

「よぉ、誰が待ってんのか」海斗は話しかける。

「別に……というより友達いないから一緒に帰る人いないんだけど」加奈は悲しそうだった。

「なら一緒に帰ろう」

「いや…それは」加奈は抵抗するが海斗の言われるままに歩き出し一緒に帰る。

加奈は緊張していたが同時に海斗に心を開いても良いのではないかと考えていた。

そしてその日以降、3人は少しずつ距離を縮めていった。

ある日、海斗が屋上に行くとそこに加奈がいた。

「しかし今日は天気が良いな」海斗は笑顔で話しかける。

「……そうだね。とても良い天気だね」加奈が一瞬笑顔で言った。

すぐに表情は戻ったが加奈も少しずつ会話が増えていき海斗も嬉しく感じていた。