卒業式の2日前、修と美羽は美術室にいた。
修は今まで書いた作品を片付けながら美羽と話をしていた。
「修、高校を卒業しても会ってくれる」
美羽は高校卒業と同時に修と別れるのではないかと不安だった。
「会ってやるさ。別に別れる理由もないし」
「修…ありがとう」美羽は思わず笑顔になる。
その頃、屋上に鎧がいた。
鎧は感じていた。
――あの時、別の学校に行かなくて良かったな
するとそこに剛と千、月美がやってきた。
「しかし明後日は卒業式だな」剛はこれまでの事を振り返る。
「……でも卒業と同時に蓮と大我はいなくなっちゃうんだよね」月美は寂しく感じた。
「そうだな」千は空を見上げる。
「俺達はこの日本のどこかにいるけどあの2人はどこを探してもいないし会う事は出来ないからな」千も同じく悲しく感じていた。
一方、蓮と大我は校庭にいた。
「俺は後悔している。憎しみや悲しみを乗り越えやっと分かりあえたのにもうすぐ消えてしまう事を」大我は珍しく本音を漏らす。
「だが別世界とはいえ、まだ奈美に会えた。それに悲しみが消えて前を向けるようになった」
「そうだな」
蓮は何故がいつもと変わらず振る舞っていた。
「2人とも何してんの?」
そこに亜美がやって来た。
「ちょっと話をしていたんだ」蓮が言う。
「大我今度一緒にデートでもしない」亜美は大我を誘う。
「そうだな」
「後、5月に新しい植物園が建設されるんだけど良かったらそこでデートしない?」
「……考えされてくれ」
「分かったわ」
亜美は去っていった。
大我は明後日までに自分が元の世界に帰る事を話さないといけないと分かっていたがしかし話せば亜美が悲しむと思いずっと保留としていた。
夕方、蓮が屋上にいるとそこに奈美がやってきた。
「明後日卒業式だね」奈美は悲しそうに言う。
「そうだな…」
2人はあまり会話が弾まなかった。
その時、奈美は涙を流す。
「もう2度と会えなくなるなんて」奈美はとても辛かった。
「奈美…例え俺がこの世界にいなくなっても心は奈美と繋がっているし奈美だけじゃない、剛や千、美羽に修、月美や鎧、大我とも繋がっている」
その頃、大我も亜美に真実を話した。
「別世界から…」亜美は表情を変えなかった
「ごめん、今まで黙っていて」
「いいよ、私はもう1人じゃないしむしろあなたがこの世界に来たのは私を変えるためだと考えれば…」亜美は強がる。
大我は亜美を抱きしめる。
「ありがとう、亜美」
亜美は涙を堪えていた。
卒業式当日、体育館にはたくさんの卒業生が集まっていた。
式の中、蓮はこれまであった出来事を思い出す。
そして自分の決断は正しかったのか迷いながらも選んだ決断を信じる事とした。
そんな中で蓮は来賓者の話を聞きこれからの将来について想像した。
卒業式が終わり蓮達は外で集まっていた。
「帰るんだな…蓮…大我」
剛達は辛く感じていた。
大我は剛達を見渡す。
「俺には帰らないといけない場所がある…だがまだ会える気がする」
大我は奈美の目を見る。
「奈美…まだ会えて嬉しかった」
「大我……またいつか」
そして大我は光の粒子となって消えていき元の世界に帰っていった。
ふと剛は気付いた。
「……蓮…まだいるのか?」
「……俺は元の世界には帰らない」
「え?」
剛達は驚いた。
「天使に頼んで俺はこの世界で残りの人生を歩んでいく」
「俺はこの世界で残りの人生を歩んでいく」
「だから受験にも合格していた」
「お前…受験していたのか?」奈美は思わず聞く。
「ギリギリ2次を受けた。一応今までみんなと同じぐらい勉強していたから合格できたんだ」
「なんだよ。せっかくの感動が台無しだな」しかし鎧は嬉しそうだった。
「でも良かった。これでまだいつか会えるんんだから」千も同じだった。
「またいつかこうやって集まれたら良いね」月美は言う。
「そうだな。その時は大我も一緒だ」修は希望を抱く。
「でも案外まだ近いうちあったりしてね」美羽は笑顔で言う。
「あり得るな。俺達なら」剛はそう感じた。
蓮は将来何になりたいか決まっていないもののしかしこれから少しずつ探していけば良いと感じた。
卒業式から1か月後、蓮は大学に入学した。
優ヶ丘高校程ではないが仲間も出来て蓮は1人ではなかった。
講義が終わり蓮が帰ろうとすると奈美からメールが来た。
「例の彼女からか?」友人は話しかける。
「まぁな。デートの誘いのようだ」
まだこの選択が正しかったが分からない蓮だがしかし未来には険しくも希望溢れる道があると信じ未来に進んでいく事を誓った。
元いた世界での蓮の人生は終了したがしかしここから先は蓮にとっての真の人生となった。
