入学してから3週間が経った。
明日は入学旅行であった。
「明日は入学旅行だな」剛が楽しそうに蓮と奈美に話しながら帰っていた。
「ちょっと休もうぜ」3人は海神公園のベンチに座って休む。
蓮は奈美の隣だったためドキドキしていた。
そこに女が3人やってきた。
「海野さん、まだ男から告白されたらしいね」
3人は怖そうに尋ねる。
奈美は思った。
——きっと告白された男の事が好きだったからそれで怒りに来たんだ
それは奈美にとってはよくある事だった。
「ちょっとあなたたち何よ」
そこに上川美羽がやってきた。
美羽は奈美を庇う。
そしてお互い言い争う内に3人は帰っていった。
「ありがとう」
「いいのよ」美羽は笑顔で返す。
蓮も安心した。
もし美羽がいなければ奈美を庇う事が出来ずもしかしたら自分が嫌われたかもしくは剛が助けて奈美が剛の事を好きになっていたかもしれないと。
夜、蓮は入学旅行の準備をする。
蓮は少し楽しみだった。
何故なら久しぶりの旅行だったため。
その頃、奈美も旅行の準備をしていた。
「あなた一緒に行動する人いるの?」母が心配する。
「……いるよ」しかし奈美は不安だった。
当日、生徒達は高校に集まりバスで出発した。
行き先は愛知県であった。
愛知に到着した後、各自自由行動だったため蓮はさっそく奈美と剛と共に行動することにした。
その時1人でいる生徒を見つけた。
それは谷月千だった。
千はいつも1人で行動していた。
周りが誘ってもそれを拒否して1人でいた。
奈美は可哀想だと感じて千を仲間に入れようと誘った。
蓮は思った。
最初の頃と比べると奈美も成長したように感じた。
「よかったら私たちと一緒に周らない?」
「俺は1人で行動するのが好きなものでね。お前たちと行動したくはない」
さらに千は言った。
「俺は完璧な友達を求めている。決して自分の事を裏切らないで一生仲良くできる友達を」。
「そんなこと言うなって」
剛は無理やり手を取る。
「おい、やめろ」
千は嫌がるがほぼ無理やり一緒に行動する事とした。
4人は色んな所を歩くが千はあまり楽しそうじゃないようだった。
蓮はこんな奴を誘った剛を蓮は心の中で恨んだ。
でも奈美は千に対して何が悲しそうに見えた。
剛と奈美は千に話かけたりするが千は必要なことだけ返答するだけであった。
剛は心の中で驚いていた。
奈美に話しかけられていたら普通嬉しいのに彼は特にそういう反応がなかったからだ。
蓮は千と分かり合うのは難しく感じた。
夕方、全員元の部屋に戻るが蓮は剛と千と同じ部屋だった。
蓮は剛と会話するが千はやはり何もしゃべらないため気まずかった。
蓮はフロンドに行きそこで休んでいた。
「どうしたの?」美羽が話してきた。
「君、昨日の」
「何が悩んでいるの?」
蓮は美羽に今の気持ちを話そうとしたがやめた。
「もしかして奈美って人のこと好きなの?」
「そんなわけないだろ」蓮は慌てて否定する。
「まぁ私も恋っていうものが分からないんだけどね」美羽は笑顔で返答する。
「そういえば君、名前は?」
「上川美羽よ」
「そうか。ありがとう」
そして蓮は部屋に戻った。
翌日、3人で行動する予定だったがそこに美羽が来た。
「蓮、私も入れてくれない?」
「いいけどでも君、昨日一緒に行動していた友達と行動しなくていいの?」
「他の人とも関わりたいからいいの」
「分かった」
その時、橋の上で眠そうだった千を見つけた。
剛はいつもの調子で千に一緒に行動しようと誘う。
「お前たちとは行動したくないから」
千は立ち去ろうとする。
しかし剛は千を掴み仲間に入れようとする。
「なぜ人を嫌がるのかな?」
「俺は完璧な友を持ちたいからだ、だから間違った友を持ちたくない」
剛は千に背を向けた。
「完璧な友情なんて最初からないし当たりとかはずれなんてないよ」
千は鼻で笑うがしかし今までの事を振り返った。
信じていた人達に裏切られ人付き合いをする時は人を選ぶようにする事を決めた日の事を。
そして気付けば自分は1人になっていた。
今自分に失うものが何もない。
そんな千に剛はさらに続けた。
「友情なんて最初から良いものなんてそんなない。お互いが一緒に過ごしていくうちに友達になっていくんじゃないのか」
それを見た美羽も話した。
「完璧じゃなくていいじゃん。楽しければ。」
2人の説得に千はさらに気付いた。
今まで完璧な友達を作りたい故に該当する人がいなかったからずっと1人でいる事に我慢していた。
しかしそんな事する必要ないんじゃないかと。
「……どうせ失うものはないんだ。仲間になってやるよ」千は余計な事を考えるのはやめようと考えた。
剛と美羽は喜ぶ。
そして奈美にとっては今日から美羽と千も新しい友達になった。
しかし蓮はまだ友情が分からなかった。
数日後、4人は屋上にいた。
「しかしこれ以上、まだ友達は増えるのだろうか」蓮の何気なくつぶやいた。
「減るよりはいいじゃないか」剛は返答する。
そして蓮にはこれからさらに仲間が増えていく事となる