奈美の事を初めて見て以来、ずっと奈美の事が気になっていた。
「なんで俺はあの子の事ばかり考えているんだ」蓮は奈美が気になっていた。
そんなある日、蓮は奈美の前を通ったと同時に奈美が筆記用具を落とした。
蓮は女性が苦手だったため拾ってあげずに背中を向けて無視してしまった。
「何してる、俺」蓮は何故が後悔した。
下校の時間、蓮が自転車置き場に行くとそこに鯨のキーホルダーが落ちていた。
「誰のだ」蓮が届けようとしたときそこに奈美がやってきた。
「それ私の落としたものです」奈美は上目使いをして蓮を見つめる。
「はい」
蓮は返そうと手を伸ばす。
「ありがとう」奈美は去っていった。
それは蓮と奈美の最初のやり取りだった。
可愛い割に本当に内気のようだ。
「あの子、可愛いよね」
振り返るとそこに湖田鎧がいた。
「あんたは?」蓮は少し警戒する。
「俺は彼女の恋人だよ」
「その表情嘘だね」蓮は冷たく言う。
「君は凄いね、すぐに嘘を見破るなんて」
「それぐらい分かると思う」
「まぁいいか、いずれ彼女は俺のものになるから」
鎧は去っていった。
蓮はなぜか鎧を敵視する。
蓮は家に帰るとずっと奈美の事を考えていた。
「一体、この気持ちは何なんだ」蓮はそれが分からないでいた。
その頃、奈美は海神公園のベンチに座っていた。
「君、可愛いね」そう話しかけてきたのは剛だった。
奈美が去ろうとした。
「良かったら明日から俺と一緒に行動しない」剛は誘った。
「それは告白ですか?」
「君は可愛いけど別に恋人としてじゃないよ。友達として」
奈美は驚いた。
何故なら大抵、話しかける人は告白やナンパだったため。
すると2人きりの公園に1人の男子がやってきた。
「あのう、すいません」
何か察した剛はトイレに行くと言いその場を離れた。
「あのう、もしよかったら僕と付き合ってくれませんか?」
「ごめんなさい」
奈美は断った。
「そう…」
男子はショックを受けて去っていった。
そこに剛が帰ってきた。
「何だったんだ」
「何でもないよ」
そして奈美は帰っていった。
しかし奈美に少し変化があった。
夜、蓮はお風呂に入っていた。
蓮はずっと奈美の事を考えていた。
早くもこの世界で何か見つけ出そうとしていた。
翌日の昼休みの事だった。
「高校慣れたか?」剛が聞いてきた。
「まぁ慣れた」
「蓮、何をずっと考えているんだ?」剛は何かを感じた。
「別に何でもない」
蓮が立ち去ろうとした。
「慣れていなくて困っているならいつでも相談にのるぜ」剛の言葉に蓮は不快に感じた。
「なんでそこまでする?」
「大した意味はないさ」
蓮はその言動を不思議に感じた。
放課後、奈美は外で立っていた。
周りには男子達が奈美を見ていた。
「あの子、可愛いよな」
そんな会話の中、奈美の所に剛がやってきた。
「何してる?」剛が話しかけた。
「特に何もしてないよ」
「じゃ一緒に帰ろう」
「…いいよ」
剛の誘いに奈美が返事すると周りの男たちは妬みや嫉妬の表情をする。
そこに蓮がやってきた。
蓮は驚いた。
――もう奈美と仲良くしているなんて。
そこで蓮は思いついた。
剛とは関わりが深いからそれ繋がりで奈美に関われるんじゃないかと。
そして蓮は剛と奈美の所に行く。
「剛!」
「蓮、どうしたんだそんな顔して」剛は少し驚いていた
「お前、何で…下校と一緒に逃げるんだ」
本当はお前何で勝手に帰ろうとしているんだと言いたかった。
しかし緊張していたため言い間違えた。
そして2人がやり取りをしていると奈美が笑った。
蓮は勇気を出して話しかけた
「そういえば同じクラスだよね?」
「うん」奈美は答えた。
お互い緊張していた。
「それじゃ3人で帰ろうぜ」剛は笑顔で言う。
「……そうだな」蓮は了承した。
「……いいよ」奈美も同じだった。
そして3人は一緒に帰っていく。
暫くして蓮は2人と別れて帰っているとある公園を見つける。
それは海神公園だった。
海神公園は自然溢れる公園で中心に噴水があるのが特徴だった。
蓮はその公園を気に入った。
夜、蓮はとてもうれしい感情で夕食を食べていた。
一方、奈美も夕食を食べていた。
最近食欲がなかったが今日の出来事で希望を抱けるようになったようだ。
翌日、蓮が海神公園を歩いて登校しているとそこに奈美を見つけた。
お互い気付いたようだった。
「……おはよう」
「……おはよう」
「この公園、空気が気持ちいいな。きれいだし」
「うん、私も同じ事を感じていた」
お互い不器用に話した。
「……剛君って凄いよね」
「何て」
「だって誰にでも気さくに話しかけられるし、真っすぐで純粋な人だから」
「確かにな。俺はずっと自分は強いと思っていた。中卒であるにも関わらず会社で好成績を残し自分は天才だとか強いだとか自分に酔っていた。でもあいつは俺にないものを持っていた。俺はあいつを見下していたが本当はあいつの方がずっと強くたくましいと思った」
「……そうなんだ」
蓮がパラレルトラベラーである事を知らない奈美は混乱した。
しかし敢えて聞かなかった。
やはりまだまだ距離はあるが昨日よりも縮まったようだ。
それからというものの少しずつであるが奈美とは落ち解けていき消しゴムを貸してほしいと声をかけてもらえるまでになった。
そんなある日、蓮と剛は屋上にいた。
「剛、俺は友達というものが分からないんだが」
「今は分からなくてもいいじゃん、いつか分かる日がくるかもしれないし」
剛の回答に蓮は半信半疑だったがしかし蓮は少し友達というものを知りたくなった。
最初は邪魔くさかった剛だったが今は、その考えも消えむしろ剛がこの冒険の切り札的存在だと考えられるようになった。