有栖川 有栖
作家の手紙
36人の作家たちが、それぞれのテーマ
「愛を告白する手紙」
「借金の依頼を断る手紙」
「隣人にさりげなく苦情を伝える手紙」
「別れた妻に、子供にあわせて欲しいと頼む手紙」など、、
悲喜こもごも、さまざまな相手に、それぞれの個性を色濃く加えながら、36通の手紙を書いています。

北方謙三、中村うさぎ、小池真理子、酒井順子、姫野カオル子など、そうそうたるメンバーが並んで、1冊にまとまっているなんて贅沢!
中村うさぎさんのは、「さりげなく好きな人に好意を伝える手紙」。ちょっと癖のある遠まわしな恋文は彼女の性格を想像してしまい、思わずぷっと笑ってしました。
どの男性作家さんだか忘れてしまいましたが、ゲイのファンからの熱い思いを「おことわり」する手紙も、妙に感心したりして。作家らしく格調高く(ファンの夢を壊さないように)、誠意を伝えるのは、この場合とっても難しいと思うのに、なるほど~と納得の文章。

相手は、恋人・家族(元家族)・隣人・ファン・・
作家によっては、仮定ではなく、リアルに自分に置き換えて書いている方もいるのでしょう。
はあ。こんなことをこの人は考えているんだ、と気づきもあって、面白いです。

自分も、困ったときに、この作家たちの手紙のように書いてみたい。