ジェネオン エンタテインメント
不滅の恋 ベートーヴェン デラックス版


今、「敬愛なるベートーヴェン」という映画がやってますね。
ベートーヴェンが聴覚を失ったときに、彼の代りに写譜(曲を譜面に落とす作業)をしたという女性が現れたというお話ですが、それは史実上では実在しないようです。でも、確かに耳が聞こえなくても、あれだけの大曲を残すなんて、「天才」!!
ともかく、ベートーヴェンは「奇人変人」だったということはとても有名な話ですが、生涯独身を貫いただけに、女性関係もなぞに包まれています。

少し前に、同じベートーヴェンを題材にした、ゲイリー・オールドマン主演の「不滅の恋」。ちょうど、年末第九のシーズン間近ということもあり見ました。
主演のゲイリーは、やっぱり「奇人」役をやらせたら、ピカイチ!
シドアンドナンシーのシド役やLEONのヤク中の警官役などで手腕を発揮してますが、ここでも切れキャラはここでも、光って流れ星ますね。

ベートーヴェンが死んだ後に宛名の無い「恋文」が見つかったというエピソードは、本当の話。
それで・・・その相手は誰?と彼の友人でもあったシンドラー氏が思い当たる女性を探し求めるのが「不滅の恋」のストーリーで
す。
とにもかくにも、女性が沢山出てくるのですが。。この中では、弟の妻という意外な展開。
史実上では、弟の死後、甥(弟の子供、カール)の親権をめぐって弟の妻ヨハンナと相当な争いをしたらしいのですが。
必要以上に、ヨハンナを攻め立てた理由は、もともとは彼女は弟と出会う前に実は彼の恋人だったこと、それを裏切り弟と結婚したことを根に持っての態度だったというわけですが・・。本当は、またもやハリウッドの作り話だそう。

ま、でもこれだけ、想像上でも色々な展開をされているベートーヴェンは、まさにネタに事欠かせない人ですね。
実際、登場する女性たちは、貴族の婦人方。
一介の音楽家で、これほどまでに、「魅力」を持った男とは・・やはり才能を感じさせる男はどの時代ももてはやされるのですね。

この話で登場する、アンナ・マリーを演じたイザベラ・ロッセリーニ。
没落した貴族婦人役を演じて、ウィーンからハンガリーの田舎にこもっている設定なのですが、彼女のいでたちは素敵です。実際、このときもかなりの年齢だとおもうのですが、落ち着いた雰囲気で、ベートーヴェンを包みこむ母性愛をうまく表現しているのではと。。(実生活でも、この映画の共演を期にイザベラはゲイリーと同棲していた時期があります)

映画の中で、ベートーベンの有名な曲、「皇帝」「第九」「運命」「悲愴」「幽霊」などなど、次々出てきます。
あー、こういう状況の中で、彼が作曲したのかなあ・・と色々想像できるのも楽しいのではないでしょうか?

最後のシーン、「第九」を演奏するシーン。今までの彼の生き様がオーバーラッピングされていくのですが、とても感動的です。思わず、おお・・とひとり乗り出してみてしまいました。
来週のN響の第九を前に、期待が高鳴ります。

まとまらなくなりましたが、このシーズンにぜひおススメしたい映画です!