前から、ずっと見たかった映画の紹介を。このブログで繋がりのnatsukiさんや会社のOさんのブログでも取り上げられていたので、絶対見るぞ!と誓ってやっと公開の最終週に間に合った。

ベルリン・フィルといえば、誰もが知ってる世界でも有数のオーケストラ。その芸術監督(指揮者)のサイモン・ラトルが、新しい試みとして一大ダンス・プロジェクトを発足させた。
現在のベルリンには、国を追われた沢山の移民が移り住みさまざまな人種の坩堝と化している。そんなさまざまなバックグランドをしょっている子供たちと(10歳~20代)と、オーケストラが一体となってストラヴィンスキーの「春の祭典」の交響曲を元に舞台を作るのだ。
勿論、クラシックなど初めて聞く子たちがほとんどで、はじめは指導者である振り付け師の言うことを全然聞かず、てんでまとまらないのが、最後には「奇跡」といわれるほどの大成功を博す。

この映画の中で、3人の子供たちがフィーチャーされている。
一人は、友達とよくつるんでは何でも真剣に取り組むことをやめてしまうアジア系のマリー。
人と身体がくっつくのが嫌で常に孤独を感じていたマルティン。
故国の両親を、虐殺され逃げるようにベルリンにたどり着いたオラインカ。
彼らたちは、はじめはダンスの練習になじめず、逡巡するのだが、最後の目的(ステージ)までのプロセスの中で自分の中の自信を取り戻していく。顔つきがどんどんかわっていくのだ。人間ってホント不思議。

このプロジェクトが成功した理由は、サイモンやベルリンフィルの音楽性のすばらしさがあってならではと思ったが、それよりも私が感じたのは、振り付け師ロイストンの根気強さがあってこそ。
自発的にダンスに向き合うように、彼は指示をするのだが、生徒は飲み込みが悪く地元教師からももっとわかりやすいように教えるべきだと非難を受ける。でも、彼は「自分で考えて、本質(ダンス)をわからせないと駄目だ」との発言をする。そうしないと、いつまでも子供たちは、成長していかないと思っているからなのか。
サイモン・ラトルは小さいときに買ってもらったドラム、ロイストンは、20歳になって見たロイヤルバレエ団の舞台がダンスを自分の人生のきっかけになったと語る。きっと、彼らは今回の経験が無感動・殺伐とした人生を生きている子供たちにとって「衝撃」=「転機」となってくれることを希望したのだろう。。

これを見終わったとき、デザインという道を歩んできた私にとって「転機」はなんだったんだろうとふと振り返ってしまった。
大事なことは、音楽でも、絵でもなんでもいい。
「感動」し「何かを真剣に感じる」ことだったのか。


ちょっと最近、忘れていたことだったと。