
この本は、彼女が死ぬ間際まで書かれつづけたエッセイだったからだ。
内容は、鷺沢さんが世界や日本を旅したときの面白エピソードが中心。飛行機に預た荷物が紛失し、飛行場で夜を過ごしたり、恥をしのんで外国人からもらいタバコをしたりと、読んでいるとおもわずニンマリしたくなる話が多い。おっちょこちょいでときどき自虐的な発言というか、不器用に生きてる人という印象だ。
なぜ彼女は自殺に至ったのか、コレを読んだ上ではわからない。
ただ文中に、精神科にかかっていることや、昔原稿に書いた熱い思いは今はなくなったとやや刹那的な章でしめくくっていることは、気にかかる。
「かわいい子には旅をさせるな」というタイトルは、自分のことを指して名づけたのだろうか?旅をすればするほど、いろんな世界や事実を知っていくと同時に自分の内面をも深く知っていくような気がする。鷺沢さんは、最終目的地「desitination」を死後の世界に見つけたということか??
まったく、私の深読みだったら、ごめんなさい。>鷺沢さん