石川県 珠洲市の被災地
地震により海岸部が異常に隆起した西岸から北部の外浦方面は、道路や地形の破壊が深刻。
それに相対するような内浦が被ったのは大津波。
海抜も低く県内で最も穏やかな海岸線と気候をもたらす景勝地を襲った未曾有の被害は、幾度も報道でご覧になったことでしょうか。
数回に分け綴りたいのは、そうした波濤と因果関係が薄い地帯の内浦が破壊された様子です。
私も担当エリア以外にも震災のケーススタディのため訪れるのですが、瓦解した景観と酷すぎる民家に手を合わせて黙祷。
いまも降りしきる雪の中で、誰も動かず気配も消えた沈黙。
現場整理もされていますが、罹災証明の発行が遅延したためか集中的な取り壊しなどに移行しておりません。
県内で奥能登の珠洲市とは、能登半島の北部から東岸に位置します自治体。
やはり過疎の進む人口も疎らな地域となります。
被災家屋や建造物を取り壊す作業は遅れ、住民の不在、狭く民家の隣接した環境も解体が今後を左右するテーマ。
丈夫な屋根瓦が仇となり一階部分の潰される地震で倒壊した家屋の現場を多く見てきましたが、例外無く北陸らしい見事な釉薬の屋根瓦が目前に。
ここも深刻な状況です。
山間部などで破壊を免れた農村もありましたが、地盤の安定度に違いが大きいため。
そして能登半島も海抜の高い地帯が古来、大雪にも見舞われる故に家の梁や柱が太く丈夫な構造の古民家などが形を留めていました。
近年、多発している珠洲市の地震で木造家屋に蓄積したストレスに起因する可能性も示唆します。
金属ではなく、木造家屋の骨格に関したマルチサイトクラック?に似た資材の疲労も重なる恐れ。
決して構造の欠陥がある訳でもない民家が崩れ去る程に襲来した地震の規模を物語っていました。
この珠洲市から能登町の広い海岸線一帯は、大地震発生した直後に津波被害にも遭いました。
濡れた路面を歩いていると… すぐに氷点下になりそうな孤独に喘ぐ寒さ。
虚空から白い砂時計のように舞い散り、時など忘れさせる。
元旦の悪夢から既に経過した数ヶ月。
被災者も 救援に尽力してきた人々にも疲労感が蓄積し、骨格や神経系統の負荷も顕著になります。
また水道復旧も遅れ、排泄も困難な環境の慢性化で水分摂取の面で健康の負担が大きい、衛生面や老人の尿路感染症など、多岐に渡る病気に警鐘を鳴らすのが普通。
何れの患者さんに心身ともに健康状態の低下が心配な頃に冷たい戻り寒波。
栄養素の不足は?治療や健康維持に問題はないのか?悪化する条件を踏まえた医療措置も不十分。
ケアするべき医療機関も被災し、沢山の退職者が惜しまれながら離れていきました。
故郷に寂しく残された人々の嘆き苦しみに・・・
フラッシュバックの如く心理面に影を落とす震災による恐怖の記憶が蝕んで離れません。
脅かされる出口の全く見えない能登半島地震。
今後の地殻変動を含めた正鵠を射抜く予測に取り組んで成果を挙げなければ、いまも揺れが頻発する全国に不安は拡大しているのです。
現地で人々への救いが不足し始めていました。
なんとかしてあげたい想い・・・
あなたは?そこにいますか、
能登には強く救いの手が必要です。
彗星画廊☆写真集 HP
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