アントワーヌ・ド・サン・テグジュペリさんの内的宇宙のような作品。
1943年に初版本がアメリカで出版され、以後200以上の地域や国の言葉に翻訳され
彼の描いた温かみのある挿絵ともども世界中に共感する愛読者を増やしていきす。
それはまるで夕暮れの空に一番星から次々と無数に広がり輝いていく星座のようでした。
星の王子様 は、誰の心の中にもある幼き日の穢れなき純粋な想いなのでしょう。
人の心(意識)は、無限の宇宙のような暗闇です。 そこに散りばめられた星々の輝きが大切。
瞬く星は命、その輝きを果てしなく増やしていくことが生きるということではないでしょうか。
庭園には小さな教会があるんですが…それは彼にとって懐かしい場所。
サン・テグジュペリさんが幼い日に過ごした思い出の地にあるお城…
サン・モーリスド・レマンス城には、古い礼拝堂が隣接していたそうで…
それをモチーフにした素敵なチャペル(教会)なのでした。
サン・テグジュペリさんの作品『人間の土地』のように、彼は飛行士の眼で鳥瞰しているのです。
彼の空”は、そうした高い広やかな視点から人間の暮らしや心理までも見据えている気がします。
ステンドガラスも可愛いデザインですね。
煙を噴く3つの火山や バオバブの樹が根を張る 小さな星と、そこに落ちてきた 薔薇と暮らす。
そんな狭い環境に…王子様は、ある意味で孤独。 薔薇を育てながら 友情で慈しみます。
でも薔薇はクールな相手、まさしく尊く無垢な子供の世界観から踏み出す時がやってきます。
そうしたお馴染みの登場人物たちの人形が、庭園のあちこちにいて『星の王子様』を彩ります。
辿り着いたのは、眉間に皺を寄せ自らの対面を保つため汲々としている寂しい…王様 がいる星。
ある星には、名声への耽溺に浸る自惚れ屋 がいて、自省などなく…賞賛の声しか聞こえません。
夜空の星の所有権を主張する、数の勘定で日々を費やす 実業家 は金髪で赤いネクタイ姿?。
その次の星には…いつも酒に酔っている自分を忘れたくて、さらに酒に溺れているという 呑み助。
この星は自転速度が1分間、そのため …ガス灯の点火や消火を 1分ごとに行なってる 点燈夫。
地理学者 だというのに、研究に没頭するあまり自分の机を離れて歩いたこともないなんて…。
そうしたオトナ社会の矛盾を象徴する 人物が暮らす 6つの星を巡る王子様。
主人公の 『ぼく』 というサハラ砂漠に飛行機で不時着した地球の人間と出会う。
これまでの経緯を語ってくれる王子様は、地球で様々な出会いと現実を垣間見た不思議。
最愛の薔薇の花でさえ、地球では無数に咲いているという事実に悲しい気持ちになりながら…
自らにとっての仲良し…愛すべき者かけがえのない存在の大切さも知っていく。
星から来た王子様は、砂漠で途方に暮れる 『ぼく』 が客観視している自我のようでもあります。
砂漠で死線を彷徨った孤独な人間の幻想のような夢のような不思議な出会い。
『ぼく』 と 『星の王子様』との対話には、人間の心の在処… 燦めく星空のように大切な智慧がある。
些末な価値観に惑わされ自分を見失っている人々に…優しさや素朴な言の葉で癒してくれる物語。
(それは皆さんのほうが王子様の気持ちをよく理解してくれますよね。)
永遠に少年の…王子様、人生と想いを秘めた物語の美しさが素晴らしいのでしょうね。
ほんとうに大切なものは 目にみえないんだよ。
あの時代、孤独なニューヨークのアパートで物語を執筆していたのですね。
写真ではご紹介も出来ませんが、いままで知らなかった資料の多さで深く彼”の人物を知り…
サン・テグジュペリのアメリカ生活、ニューヨークという街での生活は…どこか悲しげ。
いままで私は彼の事を何も知らなかったのだと、これまで以上の感銘を受けたのです。
いつも気持ちが迷子になった時には、優しい王子様と出会っているのです。
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