夕暮れ時に、明らかなフォルムの猛禽類を発見しました。
鷹?かなと思ってカメラを構えたら偶然に電柱の架空地線(GW)にとまりました。
調べてみると…ハヤブサの仲間の チョウゲンボウ ということでした。
分類は、鳥網ハヤブサ目ハヤブサ科に属する鳥で狩猟して生きる肉食です。
夏は繁殖期で本州の北部から中部エリアで見られる留鳥または漂鳥になります。
この周囲は住宅街ですが農耕地や河川もあるので餌になる生物は豊富なのです。
長元坊、こちらは街灯の上で夕陽を見ながら黄昏ている?様子。
その大きさは30センチ以上あり、鳩より大きいようで尾は長め。
猛禽類の撮影は初めてなので内心ドキドキしてます。
(オスの個体は小さめ、メスは若干大きいようです。)
ハヤブサの仲間ということですが、飛翔速度は特別速くもないそうです。
やはり猛禽類なので眼が鋭い印象なのですが、写真のように可愛いですよね。
ただ眼球の視細胞が特有の進化を遂げており、一部の紫外線などの電磁波を識別。
獲物である齧歯類などが残す尿の痕跡などの反射光が見えているそうです。
クチバシは小さめですが、急降下して獲物を掴む足は強力な武器になります。
とかく獰猛なイメージがある猛禽類なのですが、チョウゲンボウ は愛らしい感じ。
しかし、チョウゲンボウ という名前は誰が名付け親なのでしょう。
諸説?あるようですが、田畑などで見上げている人々にはオニヤンマのように見え
つまり昆虫の トンボ に似た印象から独特な方言のゲンザンボー(とんぼ)に酷似。
それが…いつしか チョウゲンボウ” と呼ぶようになったという逸話?。
私には解かりません、しばらく宿題にしておきましょう。
蜻蛉”… トンボも複眼で目の解像度などは不思議なチカラもありそうですね。
(トンボの視界は約270° 四方が見えているといいます。)
シオカラトンボ の季節です。
古来、日本ではトンボのことを 秋津(アキツ)の名で親しまれていました。
それで日本の国土を称すると秋津島(あきつしま)だったといいます。
日本書紀の記述や古事記にも天皇と蜻蛉に纏わるお話を残しています。
東国では昔から 赤トンボ…を赤卒と書き、イナゲンザとも呼んでいたそうな。
この辺りがルーツなのかもしれません。
戦国時代などは、前にしか飛ばないトンボの習性や獲物を捕食する鋭さに感嘆。
武将達は不転退”の象徴として験を担ぎ兜などにトンボをあしらいました。
ムギワラトンボ でしょうか。
こうして農耕文化の日本人から親しまれ、里山の環境指標のような昆虫であるトンボ。
飛来する害虫を捕食する益虫のイメージがあります。
田畑に増える野ネズミなどを駆逐してくれる猛禽類もありがたい存在でしょう。
チョウゲンボウ も農村で馴染み深く愛されてきたのでしょう。
まさしく瑞穂の国の歴史に静かに寄り添う生物たちなのかもしれません。