京都府の 舞鶴基地 レポートの続きを書いています。
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DDG-175 みょうこう
こんごう型では3番艦となります海上自衛隊のミサイル護衛艦。
その名は新潟県の霊峰である妙高山よりいただいたのです。
キール線が日本刀のように伸びやかな艦首の造形もイージス艦の機能美。
旧日本海軍の妙高型重巡洋艦 『妙高』 の名を冠した日本艦艇の復活ですね。
故郷の山河を感じさせる命名は素敵なことと思います。
全長 161m 全幅 21m 吃水 6,2m
基準排水量 7,250トン (満載排水量 9,485トン)
どうですか北吸桟橋に先頭で係留された艦隊…まさに山嶺のような艦容を誇ります。
航海艦橋は進路や操艦の要で、艦の中枢部区画には戦闘指揮所 CIC”があります。
(CIC Combat Informationn Center の略)
高速の情報処理能力”を戦略の主体とする現代の戦闘艦艇の代表でしょう。
現在の艦艇による水上戦闘には必須項目ともいえる電子機器の集合体のような艤装。
宇宙空間の衛星からの情報はもちろんのこと、電子欺瞞の装備で攻撃から守られます。
幾何学形のカバーには噂のSPY-1D パッシブ・フェイズド・アレイレーダーを装備。
中央には白く楕円形のCIWS、 Mk5 Mod2 高性能20mm機関砲 2基
米国のアーレイバーク級ミサイル駆逐艦などに搭載されているタイプです。
彼方の標的を精密に捉え複数の素子から放ち全周半球空間を走査した遠隔戦闘。
電子ビームを放つフェーズシフター(位相変換機)と呼ぶアレー(アンテナ素子)の集合体。
探知距離が320km、200を超える目標物の探知から識別と追尾が可能です。
ロングレンジの索敵と攻撃力で対象を圧倒する無敵さがイージス艦の特徴と言えます。
三菱重工長崎造船所で建造され1996年3月から就役している艦です。
第3護衛隊群第63護衛隊に編入後、みょうこう”を舞鶴基地に配備します。
こんごう型イージス艦といえば、甲板のVLSで垂直発射されるミサイル映像。
そして新時代の艦船として映画にも出演するなど特異な艦容は一世を風靡しました。
その艦影を目撃したら海域から離脱したくなるほど周辺国には脅威的でした。
AEGIS
西側諸国の最強兵器には神話に登場する女神の盾”(イージス)の称号が似合う。
我知らぬうちに…海上自衛隊の軍事力に不可能を可能にしてしまう錯覚まで抱いた筈。
石川島播磨 GELM2500COGAG 4基 2軸推進 100,000馬力
心臓部は、大出力 ガスタービンエンジンの機関部。
就役した後、艤装されたリンク16のアンテナが追加装備されています。
1998年8月31日、北朝鮮より発射の大陸間弾道弾『テポドン1号』に関する事案で
フェイズド・アレイレーダーにてミサイルの軌跡を探知し米艦隊とデータリンクを行う。
1999年3月22日~24日に発生した能登半島沖不審船事案に於いては
みょうこう”は速力30ノットを超える機動力で、発令された海上警備行動により追跡。
僚艦である『はるな』、『あぶくま』も不審船の追跡を遂行しました。
護衛艦のメインマストは最新のハイテクを駆使した装備のレーダー、衛星アンテナ群。
C4I STARイージスシステムを中核とし、OYQ-102対潜情報処理装置。
SPY-1D対空レーダー、OPS28D水上レーダー、OPS-20航海レーダー
Mk99/SPG-62ミサイル誘導用3基、81式射撃指揮装置2型-21H。
甲板付近には、電子欺瞞の他に対抗手段 Mk137 チャフ発射機4基で攪乱。
そして海中に潜む変化を聴き逃さない音響探査。
海洋条件に合わせて複数のソナーを最適に統合管理する解析システムも著しく発展。
海中での電磁波ソナー、OQS-102 ソナーで対潜情報処理。
OQR-2 曳航式ソナー、 電子戦術対抗手段 NOLQ-2 / ESMECM
米国製の兵装が基本の自衛隊では、近年イージスシステムは最大のサプライズ。
士官になると忙しく艦内では科員よりも勤務時間外の仕事も増えて超多忙が実情。
ほんとに礼儀正しい好青年や紳士ばかりで武士道が生きていますね。
正常な外交により 彼ら自衛官が戦闘など経験しないで済む世界であってほしいです。
この先は大洋の白鯨よりも強く獰猛な軍事兵器を保有する責任に…続くのです。
みょうこう”には後部デッキはあれどヘリコプター格納庫は無し。
ですからヘリの飛行管制するLSO”もありません緊急用スペースです。
艦尾の右下に並ぶ2つ孔は対艦魚雷への囮を放出するデコイランチャー。
曳航式デコイMod 4などが装備されています。
艦には起伏を減らして平坦な床面になる遮浪甲板型が採用されています。
湾内の陸地からの眺めは…大きく異質な建物のようですね。
ハリネズミのような砲塔や機銃だらけの昔の戦艦に比べてシンプルな外観。
兵装は、完全自動管制される主砲の 54口径127mm単装速射砲 1門
(最大射程距離は24km)
ハープーンSSM 3連装発射機 2基、
海自護衛艦の標準装備ともいえる魚雷。
68式3連装短魚雷発射管HOS-302を相互に3連装をセット。
装填されるMk-46や73式魚雷を発射することが可能です。
米国製のMk-46魚雷は速度が45ノットで駆走距離11km。
燃焼ガス駆動は斜盤エンジン駆動で最大深度450メートルまで追跡してきます。
国産の73式魚雷は速度が40ノットで駆走距離6kmという塩化銀電池が動力源。
どちらも放たれれば逃げられない高性能アクティブ音響ホーミング対潜魚雷です。
ミサイル主体で Mk41 垂直発射機構 VLS を90セルも標準で搭載しています。
(ミサイルの収まるキャニスター1基の単位をセル”といいます。)
艦対空ミサイルは目標まで慣性誘導で自律飛行し、迎撃の数秒前にレーダー波照射する
正確なセミ・アクティブ・レーダー・ホーミング方式を併用して百発百中!。
艦隊のエリアディフェンスに有力な手段になるのです。
桟橋の外れ、赤レンガ倉庫の駐車場から撮影した画像。
永い歴史ある軍港、どこまでも穏やかな湾内に近代的な兵器が融合した景観。
一度…この非日常の風景が目に焼きつくと忘れられません。
美しいリアス式海岸と緑豊かな環境…そして護衛艦が織り成すシンフォニー。
貴女にも舞鶴の風を感じていただけましたか?。






























