先月見学に行きました海上自衛隊の防衛拠点である5大基地のひとつが舞鶴基地

  (第三護衛隊群、第23航空隊、第4術科学校、舞鶴教育隊、舞鶴音楽隊)
 
   その北吸桟橋に係留されている艦船の中でも最大級の威容を誇る新鋭艦です。

  DDH-181  ひゅうが    船 クリック

 

 

 


  第二次大戦中の日本軍艦艇には、戦艦の『日向』が存在しました。

  それ以来の ひゅうが という命名です。


  21世紀の平和な世界の海に就航したのは2009年 3月 18日のことです。

  海上自衛隊では、ひゅうが型 護衛艦の栄えある1番艦になります。

  幾何学的なデザインは、電子戦に於ける欺瞞を高めるステルス設計を意識しています。

 

 


  基準排水量 13,950トン   満載排水量 19,000トン

  全長は197m  全幅 33m (吃水7m)

  搭載機は、SH-60J/K 輸送ヘリコプター 1飛行隊分(最大で12機を搭載)

  この大きさは、空母”と表現できる戦略型の全通甲板で航空機を運用できるのです。

 

 

 


  2013年に米軍の統合演習に参加し、V-22オスプレイ垂直離着陸輸送機が着艦。

  海自に並外れた航空戦力の運用を可能とする機動力がプラスされた証でした。

  今後とも海洋国家としての日本には必要不可欠な戦力となることでしょう。

 

 

 


  あくまでも平時に於ける輸送任務をこなしながら、有事には指揮機能を発揮する艦。

  確か艦長は?、矢野一等海佐でしたでしょうか?。

  普通の護衛艦は操艦も似ていますが、ひゅうが型のような大型艦は意外にも低速が苦手。

  どうしても投影面積が広いため海上ではうねりや横風の影響を受けやすいのです。

  そうしたことも考慮した操艦術を心得ねばなりません。

  航海艦橋が右舷寄りであることも艦隊の単縦列を組む際に独特の操艦目標が必要です。

 

 

 


  先進的なデザイン、尚かつソフィスティケーテッドされた内部の構造など

  外観の巨大さに圧倒されそうな DDH-181 ひゅうが です。

 

 

 


  この艦容が、侵害してくる武装勢力の悪意を挫かせられるなら必要です。
 
  いまや日本にもこれだけの艦が配備されている。 専守防衛は損なわれていません。

  守備する海域で行動する潜水艦を索敵することが継続できるメリットも強化されます。

  複数の哨戒ヘリコプターSH-60J/Kによる対潜戦により脅威を排除しやすいのです。

 

 

 


  高い積載能力や輸送任務に必要な機能が随所に観られます。

  巨大災害では海上の拠点としても機能できる万能艦”としても評価できるでしょう。

  左舷にあるので見えませんが、航空要員が作業で動けるキャットウォークも備えます。

 

 

 

 


  メインマストには高度情報機器に関したアンテナなどが集中しています。

  電子線にはレーダーで優位性を保ちますが、対空捜索レーダー FCS-3

  対水上レーダー OPS-20C”  対潜ソナーシステム OQQ-21

  C41STAR OYQ-10戦術情報処理装置

  さらに電子戦装置 NOLR-3C”など、パッシブ、アクティブ共に最強の防衛。

 

 

 


  洋上でミサイル防衛で自艦と僚艦の乗組員を護ることが最優先の護衛艦。

  対抗手段は Mk36 SRBOCチャフ発射機なども4基装備しています。

  (チャフ…フィルム状の軽量素材にアルミなどを蒸着させたものを空中に拡散してミサイルの追尾電波を攪乱)

 

 

 

 

 


  艦右舷の収容部分からタラップ(梯)で迎え入れますが、当日は艦内見学は禁止。

 

 


  通常で、ひゅうが の乗組員は約360名ほどが艦内の部署で働いているんです。

 

 

 


  進歩した技術と装備品により、人員も最小限で運行できる現代の護衛艦です。

 

 


  右舷側にある搭載艇の収納口はシャッター方式で全閉にできます。

 

 

 


  後部艦橋には航空管制室があります。

 

 


  桟橋で接岸時に艦の衝撃を和らげる大きなフロートです。

 

 

 


  前には、護衛艦 みょうこう の姿。

 

 


  こうしたボートは、ひゅうが(護衛艦)で使用される連絡用の内火艇(船舶)。

 

 

 

 


  数少ない兵装として艦橋付近と艦尾に搭載されているファランクス CIWS

  Mk15高性能20mm機関砲は近接戦闘で対空防御の切り札的なものです。

 

 


  その CIWS”の下部、艦尾の左下にある小さな孔2つはデコイランチャー。

  これは戦闘時に対艦弾を無力化すべく放出される囮デコイ”の射出口のようです。

 

 

 


  艦首意外にも固定用の錨鎖庫や牽引ロープのウインチを収納したブロック。

 

 

 

 


  艦尾の甲板にはMk41 VLS(16セル)。

  DDH護衛艦で初めてVLS”(甲板の垂直発射口)を装備しています。

 

 

 


  艦橋は…まるでイージス艦と共通イメージですね、枠に並んでいるワイパーも見えます。

  FCS-3 フェイズド・アレイレーダーで電子戦に対応します。

 

 

 


  艦の心臓部にある機関は、IHILM2500ガスタービンを計4基搭載。

  2軸推進で出力の公表数値は、100,000馬力(74MW)を発生。

  これほどの巨体が最大速力 30ノット(約55.6km/h)で進みます。

 

 


  主戦力は垂直発射装置も備えて Mk41VLS”の専用キャニスターを16セル搭載。

  ミサイル防衛に主眼を置いた装備ですが、数量もかなり控えめです。

  それ以外に、12,7mm単装機関銃7丁HOS-303 3連装短魚雷発射管2基

  米軍と違い、戦争”を忌避する護衛艦として最小限の武装なのです。

 

 

 


  いま日本には戦後最大級の防衛戦力が温存されています。

  しかし世界の全てが理知的でない以上は、時に勇気ある選択も必要不可欠なのです。

  私には戦闘兵器というよりも、国家自立の意志に思えました。

 

 

 


  国家と生命、財産を護るため、無抵抗に座して蹂躙されないための意思表示も大切。

  平和を愛するために不当な暴力主義者と対峙する…心の闘いなのでした。

 

 

 

 

 

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