それは 真っ直ぐに天を指していました。
V-107Aヘリコプター 51818号機
開発したのは米国のバートル社”なのですが、多くの自衛隊機と同じくライセンス生産機。
日本では川崎重工業が生産を担当していました。
いまはクロスランド小矢部に展示されながら、鋼の戦士は休息しています。
迷彩色でミリタリーイメージまで満載した機体が鎮座しているのはタワーの傍でした。
正面から、大きなローターは前後3枚羽根であり、直系は15,24mに達します。
タンデム型ローターによる双発のタービンシャフトエンジンはCT58-IHI-140‐1
2基のエンジンは出力は1250馬力を発生しました。
陸・海・空の三自衛隊に採用された大型輸送ヘリコプターが調達されたのは昭和のこと。
1966年から導入されたのは計60機にもなります。
退役した2002年まで自衛隊の主力輸送ヘリとして日本の空を飛行しました。
これは陸上自衛隊で活躍していたようですね。
米軍機として、また同盟した西側諸国の最前線にも配備された名機でした。
1961年、アメリカ海兵隊は強襲揚陸作戦用ヘリコプターHRBシーナイトと呼称。
修羅場も知る歴史を経て機能は熟成されていったのです。
昔の自衛隊では愛称が『しらさぎ』であったそうですが…
日米の現場では、名をバートル”と共通した呼び名だったらしいです。
(コクピット側面には陸自で所属した6部隊のネームとマスコットが描かれています。)
国内では機体の先端に装備している気象レーダー(鼻)がユーモラスに見えますね。
輸送任務、後方支援といっても様々な危険の中へ突入します。
航空自衛隊ではV-107Aも救難隊に所属するヘリコプターとして永く愛されました。
いまやオスプレイまで配備しようか?という時代ですが、どこか懐かしいシルエットです。
クロスランドタワーを背景に…
胴体後部の上方にエンジンを搭載して乗員室やカーゴルームのスペースを拡大。
物資の輸送に最適な傾斜板式の扉を採用したり、高い防水構造も利点ですね。
ちなみにV-107Aの乗員は3名、乗客25名を収容。
ちなみに話題になった米国海兵隊のMV-22Bオスプレイと比較すると
V-107Aの搭載重量4,056kg(MV-22Bは、9,070kg)
その最大速度は260km/h(MV-22Bオスプレイは、565km/hに達します。)
狭い国土での災害救助など垂直離着陸できるヘリの性能は絶大です。
そしてオスプレイの移動速度は速く、もはや通常の航空機並みですね。
(乗員数4名、運べる乗客数においては30名以上というオスプレイ)
胴体長13,58m 胴体幅5,02m 全高5,15m
最大航続距離は、1,149km (なんとオスプレイは、3,590km彼方まで)
作戦行動や人命救助から考えても世界がオスプレイに驚愕することが解かります。
V-107A”も退役するまで日夜逞しく働いてくれたのですね。
ほんとうにお疲れ様でした。
2004年の7月、はるばる退役した基地から解体された状態で富山に来ました。
再度の組み立て後に展示機体としてクロスランドで暮らしています。
いまでは遊びに来る子供達の人気者。
これまで空を駆け巡っていたんですねえ…。
(どこか、風の谷のガンシップ?)
遥かな天空へと伸びるクロスランドタワーとマッチングも最高です。
これは少し離れた市街地にある小矢部市役所ですよ。紹介しておきましょう。
(地元の古代遺跡保護などご苦労様です。)
皆さん、いろんな知恵を出して小矢部を楽しい街にしてください。
綺麗すぎる空への塔でした。
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