お台場の『ヴィーナスフォート』では、東京モーターショーに呼応した催しが。
イタリアが誇る名車、しかも稀少な車たちに会えるチャンスと聞いて出かけました。
2013年11月22日(金)~12月1日(日)の期間、2階のVenus GRAND”
欧州の街中を再現した館内、教会広場から噴水広場に続く回廊がステージ。
『Ferrari vs Lamborghini in VenusFort』
まずは鮮烈な真紅の機体も鮮やかなフェラーリからご覧ください。
教会の … 広場前から …
最高峰の先鋭的な機体たちが、不思議なほど似合うのもイタリア調を模した館内装飾。
映り込む … イルミネーションが描く光跡までもが物語を醸し出すようだ。
静かな空間で、F140B型 6,0リッターV12の心臓部はミッドマウント。
2002年 創業55年目となるフェラーリが作り上げたスペチアーレ(限定生産車)
創始者の名を冠する『エンッォ・フェラーリ』。
どこまでも熱いパッショーラに揺るぎはない!。
ピニンファリーナによるデザインでありながら、これまでの限定車と違う雰囲気が漂う。
それは当時在籍していた『奥山清行さん』のデザインが生かされて昇華しているから。
ソリッドな切れ味のロードゴーイングレーサー的なスタイルとは一線を画す。
快適性を向上させ、高いクオリティが確保されています。
総排気量5998㏄ 水冷V型12気筒DOHC … 頂点に相応しい強心臓。
全てはこの車のために開発されたものであり、アルミ合金のシリンダブロック
660psの出力、67kgf/mを誇るエンジンスペック。
吸排気バルブ開閉のタイミングが適切に調節できる可変バルブタイミング機構
ピーキーな回転域のパワーバンドだけではない、軽量車体を生かしたパフォーマンス
公称数値の最高速は350km/hにまで届くといいます。
かつてF40、F50などに見られた大袈裟なリアウイングは廃され、明らかな意匠の違いを感じます。
フェラーリが追求してきた限定車にはなかった洗練された佇まいこそ進化の証ですね。
奥山氏による意匠から醸し出されるデザインは、どこまでも優雅です。
フロントノーズには、フォーミュラ1にも通じる最新の空力を感じさせるもの。
むしろ『違和感』を逆に生かしたかのような計算されたデザインセンスによる名作。
氏の大胆さは、緻密な線と曲線の魔術師といっても差支えなかろう。
なによりも日本人がデザイナーとして参加した誉れ、しかも究極アニバーサリーモデル。
フェラーリの『ルカ・ディ・モンテゼモーロ会長』が選んだのは保守的ではなく革新美。
これほど秀麗さを纏うフェラーリ、疾風をダウンフォースに変換(かえ)るボディーラインには微塵の隙もない。
エンッォ・フェラーリ氏から半世紀以上、ファンを魅了してきた集大成のロッサ。
赤い色の情熱は永遠に翳ることはないでしょう。
さて、こちらは 『フェラーリF50』
エンッォの前モデルとして最強ロードカーの座に君臨していました。
迫力満点のボディデザインですが、私個人的には?行き過ぎた気がしています。
いかなる整流効果であろうか大胆ですね。
フェラーリF92A(1992年のF1マシン)搭載エンジンを流用してスープアップ。
3,5Lの自然吸気V型12気筒DOHCエンジンのを鋳鉄ブロックが選択されました。
ミッションは6速ギアとされ。 当然、調教は乗りやすさ重視のデチューンが施されますが、ハイパワーの権化というしかありません。
最高出力は513馬力相当、最大トルク48,0kgf/m、最高速度325km/hを叶えました。
F40から機構の各ディテールの煮詰め方も向上し、むしろテールのデザインなどは自然な感じです。
もしかしたら、フロントデザインのみ好みが?分かれるかもしれません。
跳ね馬のエンブレムが一目瞭然。
(さあ問題です~5秒以内で解答してください。フェラーリの跳ね馬は右向き?左向き)
よく見て憶えてみてください。 プランシングホース(跳ね馬)エンブレム!
進化 … とは難しいものだと思います。
スポーツカーは美しくなければならない、そんな自論に拘る私。
こうしたフェラーリの超進化バージョン誕生は … 1987年に遡ります。
『フェラーリF40』登場。
公称最高速度は324km/hに到達するという発売当時に世界最速に君臨した市販車。
自社40周年記念を目指して開発していた最速のエヴォルツィオーネが素体。
公道から競技まで走行するレーシングマシンそのものF40
フェラーリ創始者のエンツォ・フェラーリ氏が、偉大な生涯に貫いたテーマは
『標準仕様のままでもレース出場可能な市販車を作り出したい』
そうしたクルマ造りの基本理念を具現化した最初のモデルがF40。
(歴代フェラーリ中ならば人気は一番かもしれませんね。)
機体のデザインは巨匠ピニンファリーナが手掛けた音速の神器となります。
内容はレーシングマシーンそのもの、車体構成は楕円鋼管によるフレーム方式です。
まだ開発されて間もない複合素材や構造部に接着剤を用いるなど高度なマテリアルまで投入した野心的な機体でした。
ドライバーズシートに座れば、コクピットはフレームも素材も露出した『漢仕事場仕様?』
今となっては大人しく感じる外観とは裏腹に、快適性など皆無の怪物でした。
(ほんとうに乗ってみたいクルマたち、庶民には夢のカーライフかな)
リアミッドシップの後輪駆動 『フェラーリ 288GTO』
そのデビューは1984年のジュネーブショーでした。
みなさんは見覚えありますか?
外見は基本のフェラーリ308GTBにも酷似した流麗なモデルですが、競技車輌としての改造度は細部に渡る別物です。
グループBのホモロゲーション規定を成すべく製作された車輌の硬派な中身。
(ホモロゲ取得のために、総生産台数は270台以上)
エンジン本体の搭載は縦置きにされ、外装軽量化のためにカーボンパーツも投入。
ディーノの後継機ともいうべき308GTBのスタイルは、近代のベスト・デザインと思っている私には、待ち乗りも含めて綺麗に見えるフェラーリですね。
これほど鮮烈なのに穏やかさやバランス感を失わない少年の憧れクルマ。
後世の366モデナなどのデザインの流れよりも好感がもてます。
(ミラーのステーが長すぎる気もしますけど) いまだに輝きは失われません。
リトラクタブルヘッドランプがリフトし、メインの丸型2灯が見えなくても
バンパー部の下には角型フォグランプとパッシングライトが、それぞれセット装着されているところが実用的ですね。
パワーユニットは当時のグループCとなるレースカーのエンジン。
フェラーリ社製3000㏄ V8 DOHCツインターボを2855㏄としました。
400馬力の最大出力、最大トルク50,6kgf/mというフォースを発生する豪快パワー。
ピニンファリーナの秀逸なデザインも … あることに阻害され惜しい結果に。
(日本のナンバープレートも欧州風になれば、クルマも綺麗に見栄えしますけれど)
展示車は触れてはいけませんが、この高嶺の花☆感覚こそフェラーリ。
まさしく世紀を越えたスーパーカー列伝。
いまや雪が降ろうと ゲレンデ・デビューを飾れそうなAWD機構で参戦したフェラーリ陣営。
セレブ御用達などと揶揄するよりも 逞しい技術の進歩を賞賛したいです。













