きょう、ひとつの記事を読みました。
福島県南会津郡下郷町で採取した野生のサクラシメジ1点から、食品の基準値を上回る放射性セシウムが検出されたそうです。
もちろん栽培されている食用のキノコではありません。
(栽培キノコは、地表から離れているから多少は安全なのです。以下の文中で説明)
風説流説の被害が出ないように注意したいのですが。
日本では安全基準が徹底されています。
チェルノブイリでも似たような事例があるのですが、どうやら自然界の菌類であるキノコには…放射性物質を吸収しやすい傾向があるらしいのです。
キノコなどは、落葉が腐食され分解する層と地表(土)層の中間に菌根が作られるのです。
そうした野生のキノコは、地表から土壌中にある放射能を取り込み、成長時に内部で自然濃縮されます。
とりあえず栽培されているキノコには放射能は溜まりにくいのですね。
自然界の不思議ですね。
シイタケ、エノキタケなど、老化や癌の原因になる活性酸素を消せる働きのタンパク質を豊富に含んでいるなど、人体にも良好な働きの栄養素が含まれます。
食糧として、健康面においても、キノコは様々な面で人類の救世主になると思えます。
栽培農家の皆さんの努力が報われますように願います。
災い転じて福と成す!
この性質は以前から注目されていますが、有効に利用すれば…菌類を汚染地に繁殖させて、地表の放射能を減らせる(長い年月をかけて)可能性がありませんか?。
さらに専用の遺伝子操作で作る、『放射能除洗キノコ』を開発すれことを提案します。
まるで…風の谷のナウシカに描かれる…腐海(菌類の森)のようですね。
宮崎駿さんの作品は、来るべき時代への予言みたいです。
人類は苦しめられるだけではない。
(こうした菌類の特性をご存じで描かれたのでしょうか…清浄化する菌類として。)
1986年 4月26日、ウクライナの『チェルノブイリ原発事故』は…
INES(国際原子力事象評価尺度)で、レベル7”に相当する重大な事故でした。
事故の粉塵は平均500メートル以上もの高さに達し…
代表的な越境する放射能汚染の事例です。
欧州の各国や北米カナダなど、広範囲に汚染は広がっていきました。
チェルノブイリ・シンドローム!?
それから後、多くの放射性核種について環境挙動や被曝線量を見積るなど盛んに研究は進められてきました。
驚くべきことは、森林生態系へと取り込まれ土壌中で蓄積した放射性セシウムが、野生のキノコ内部で特異的な濃縮をしている事実が明らかになりました。
当時のヨーロッパを中心に、キロあたり10,000 Bq(ベクレル)以上のセシウム137の異常濃度が多数…報告されていました。
キノコ全般では、セシウム137の影響を受けている値は高く、半減期の短いセシウム134の蓄積や濃縮量は少なめという結果が見られます。
主にキノコの部位では、柄の組織から吸い上げられ~子実層のある傘へと濃縮されるため、最終的には傘に高い濃度で蓄積します。
地表から放射能が吸収された自然濃縮の作用!
キノコ中の放射性セシウムに関する研究といえば、食用とする民族や地域を知ることが重要でした。
周辺国では、ドイツの一部地方で日本の様な野生のキノコ食が行われていました。
我々アジアのように…日常にキノコを食用としている国は、キノコ食を通じて人体に取り込まれる放射性セシウムの量を明らかにしなければ危険です。
なによりも、キノコを形成している菌類全体が、広大な森林中で物質循環に多大な関与をするためです。
こうして偶発的とはいえ発生した事故と汚染により、放射性セシウム汚染の挙動に関した役割にも目が向けられてきたのでした。
全国的に秋は、キノコ採集が盛んになる季節です。
(現在は、毒キノコの選別よりも地域ごとに汚染度の注意が必要になりましたが。)
菌類やバクテリアの働きは、自然界で豊かな森林を支える影の立役者。
(松茸の類…アガリクス茸が含むベータ・グルカンなど様々な成分が医療や薬品への応用も)
まだまだ…私達が知らない未知のパワーを秘めているのでしょうか?。
人類の犯した過ちで汚染された大地を…悠久の時をかけて再生する植物や菌類。
急激な環境変化に翻弄され…挫けながらも戦う人間の英知。
福島県の原発事故による汚染にも光明があればよいのですが。
いつかは再び 清浄な地へと…
環境汚染を回復させるために遺伝子操作で創造された菌類の森である腐海と…
その自然なサイクルを守り保全管理する生物群の頂点に属する王蟲の存在。
繁栄の錯覚が残した空虚な社会に打ち込まれた楔のような痛み…大災害。
不安定なエネルギーしかなく、資源も乏しい日本にも、子供達の無限の発想があるのです。
危急存亡の時も…生命は必ず解決策を模索して乗り切ろうと動き出します。
こうした災害で国民の心がひとつになれたのだとしても…
全員で立ち向かうしかないのです。 私達は人間なのですから。