深海に挑み続けた先駆者の『しんかい2000』
機能美を絵に描いたようなデザインがお気に入りなんですけれど。
船体の気密性は、高圧で高密度の海底を航行する…まるで小さな宇宙船。
近年は、危険な領域に挑む無人機も増えてきました。
映画『タイタニック』では、ロシア製の遠隔操縦する深海潜水調査機『ミール』が活躍していましたね。
水深3000メートル級を超える潜水性能を獲得している有人潜水艇は…
アメリカにある『シークリフ』や『アルビン号』などが知られていますが。
フランスならば、国立海洋開発研究所に所属する『ノティール号』でしょう。
(これは、有名な『バチスカーフ』の後継機にあたります。デザインがモダンです。)
そして中国にも、『蛟竜号』(こうりゅうごう)という高性能の潜水艇があります。
英語ですとジャオロンと発音して、意味は Sea Dragon と…
昨年、太平洋のマリアナ海溝で、水深7015メートルの領域へ到達しました。
日本の『しんかい6500』の記録をも塗り替える快挙を果たしています。
地球上では、海洋の98パーセントが水深6000メートルほどですから、ほぼ全域で活躍できます。
世界中で~まだまだ進化していくでしょう。
しんかい2000~安定用の尾翼?や上部のハッチの赤色はワンポイント。
平仮名で書かれた『しんかい…』の文字、無事に浮上してくる姿に感動した人々の思い出があります。
昭和の教科書で紹介される深海への調査船は『しんかい2000』でしょう。
この展示フロアには、7月20日から~クラゲ・プラネット(海月惑星)という名で
クラゲ水槽などの併設展示が予定されているようです。
ゆっくりと泳ぐように活動する潜水調査船は…どこか有機的なイメージ。
深海の強大な水圧に耐えながらの運用には、船体に及ぶストレスも信じがたいものです。
ある程度の期間が経過すると、乗員の安全を確保すべく退役する耐用年数はあるのでしょう。
それでも化粧直しされた外観は美しく現役のままに見えますね。
こちらの写真は
日本海洋事業株式会社 しんかい6500運航チーム・メンバーの肖像…
人間の絆がなければ成し遂げられない、技術って和の心なのですから。
整然と並ぶ計器盤やスイッチ類を前に…母船とは超音波で連絡しあうのです。
深海の環境は命懸けの苛酷な世界。
初期のマニピュレーターが標本を採集するところ。
駆動するアクチュエーターも深海の高圧に向けて強化されています。
標本にされていますのは、深海で採取された生物達ですね。
独自の進化を遂げているんですよ。
1969年から~1977年まで活躍した大先輩の初代『しんかい』の模型です。
当時は科学技術庁が開発を担当し、海上保安庁の管轄として運用されていました。
最大潜航深度は600メートルですが、いまでも潜ってほしい海が…たくさんあります。
船体のカラーリングと…どこかアヒル隊長と似ていると思いませんか(^^)。
デザインも潜水調査船というより~潜水艦?的なのかも。
いまも宇宙のように遠い、もうひとつの世界が『深海』なのです。