縄文、弥生時代から… 古墳時代へと移り変わる世の中。
古墳時代といえば、定説では3世紀も半ばを過ぎる頃に始まり、およそ7世紀末までも続いたとみられます。
邪馬台国の卑弥呼が去ってから、国は動乱し…その後400年の間は古墳が盛んに造成された時代。
巨大な墳墓は権力者の証し。そんな前方後円墳は、東北地方から九州南部にまで存在します。
王族や豪族が死者を埋葬するという行為と、それに伴う宗教観の根底にある謎を秘めた時代。
これは、弥生時代中期にまで見られた甕棺(かめかん)です。
(福岡県春日市上白水原遺跡から出土しました。)
合い口甕棺は、大きな甕の土器ですが、主に九州北部で遺体を埋葬する際に使われました。
まるでカプセルのように、死者を屈葬すべく中に納めました。
この変わった形のものは、陶棺(とうかん)の複製です。
6世紀…古墳時代後期の石室に安置されていた特徴ある棺です。
いわき市後田古墳で副葬品と一緒に発見された不思議すぎる遺物なのです。
まるで古代の変形~揺りかご? とにかく奇抜です。
土製で素焼きの棺です。 1列に7本… 合計21本もある象さんみたいに太い脚部があります。
安置される遺体、これに被せる蓋?は発見されていません。
そして棺の全長は170センチもあります。(大人のサイズですね。)
謎どころではない…この意匠に、どんな意味があるのでしょう。
まさか、これ自体が大型の埴輪?だというのではありませんか。
ジオラマ風にした、ミニチュア模型の前方後円墳なのですが。
正しくは、埴輪(円筒埴輪)を~こうして並べているものなのです。
そうした副葬品として飾られた埴輪が展示されています。
家屋や生活用品、武人や馬などバリエーション豊かな埴輪の魅力。
様々な装束、髪型、小動物など愉快な…そして悲しげな表情にも見える姿。
当時の人々の様相や暮らしを再現する貴重な資料になりますね。
これらは、福島県原山1号墳から出土した埴輪です。
特徴ごとに分けますと、人物を形作る~形象埴輪や円筒埴輪に分かれます。
パワフルな力士の埴輪、盾持人埴輪から貴人埴輪などもあります。
下は、琴を弾く人… という埴輪。 澄んだ音色が聴こえてきそう…♪
踊る男子像。 表現や動作がユニークです。\( ̄□ ̄;)/
顔立ちは韓琉?、やはり大陸系にも見えますが… おしょうゆ顔って感じです。
縄文土偶とは好対照の埴輪たちのデザイン。
黄泉の国や来世でも、埋葬された貴人のお世話をする役目でしょうか。
ヨーロッパの道化師みたいな帽子を被ったアナタはだあれ?。
大昔の死生観とは… かように不思議な世界なのです。
背後のボードには、周辺の古墳やタイプが示されています。
北関東から東北エリアも考古学上の遺構が多い興味深い土地なのです。
整然と古墳に並べられる… 円筒埴輪。
江戸時代の人々は、古墳にある人物の埴輪を瓦偶人(がぐうじん)などと呼称したそうです。
死者を守る霊的な障壁、呪術的な防御の結界を守備した物言わぬ兵(つわもの)
意味深な アルカイックスマイル… を残し、埴輪さんたちは何処へ…
もしかしたら、皆さんの裏山?も歴史的な大発見の舞台になるかもしれません。
古代史は謎でいっぱい。
さあ~みなさんも博物館へ行きましょう。