せっかくだから…かなり歴史を巻き戻して
ジュラシック・ミュージアム?
博物館ということで、展開の遅さに~クビを長くして待っていた貴女へ朗報です。
とても大きな恐竜もいるんですよ。
フタバスズキリュウ(複製)です。
いわき市大久町の入間沢で化石が発見されたのは、なんと昭和43年のこと。
日本で発見されたクビナガリュウの骨格化石標本は凄いでしょう。
(原標本は国立科学博物館に収蔵)
爬虫類の首長竜(クビナガリュウ)に属して、白亜紀に栄えたエラスモサウルスとは近い種類の恐竜です。
大きくて強靱な鰭(ヒレ)により海中を自在に泳ぐフタバスズキリュウ。
もしも、海中で出会ったら~ザトウクジラ(哺乳類)の様なサイズの迫力でしょうか。
首の長さが~自己主張?
この長~い首をくねらせながら、魚類やアンモナイトなどの捕食をしていたようです。
当時、発掘された骨格をもとに…全身の骨格が組み上げられました。
どのように首長竜の仲間が進化していったのかを解明する研究の貴重な標本です。
さて、こちらのパレオパラドキシア (複製)は、哺乳類です。
梁川層(伊達市上川原)から発掘されました。 世界でも4例目という珍しさ。
昭和59年(1984)8月21日に、ほとんど完全な形での化石が発見されました。
この年、福島県は旱魃被害で…広瀬川も水量が減少して一部は干上がりました。
そのため偶然に露出した河床から発見され、まさに水とは縁が切れないのかも。
その外見は、もしかしたら河馬(カバ)に似ています。
パレオパラドキシアは、束柱目の哺乳類とされています。
水辺で生息していて、約1300万年前には絶滅したらしいのですが…。
学名の由来からすると…パラドックス(難問、矛盾)という意味から名付けたようです。
(福島県立博物館の外は、米国スタンフォード大学、岐阜で発見された標本は国立科学博物館に収蔵、西日本では岡山県でも発見されています。)
体長は2メートルくらい。
生息域は広大で、西日本から北米大陸、果てはメキシコの太平洋沿岸にまで到達しています。
カバのように海辺を歩いたり、ごく浅い水深を泳いだりする草食動物と推定されます?。
その奥歯の特徴?、円柱を束ねた様な臼歯形態が束柱目の特徴なのです。
違う時代、大陸の一部だった不思議な日本の住人達。
なんだか~のどかそう。

そして哺乳動物といえば、忘れてはならないゾウさん。
イワキゾウがいたのです。
イワキ象(ステゴロフォドンゾウ)下顎骨の標本です。
いわき市平で発掘されました。
今から1700年前となる深い地層に眠っていたのは、哺乳類で小型の象。
大きな特徴は、下顎の部分にも立派な牙が生えていること。(これには無し)
こちらは、ナウマンゾウの牙(複製)です。
第4紀更新世後期(郡山市)の地層から発掘されました。
60~40万年前から生息していたとも言われます。
およそ2万年前頃から徐々に衰退し始め、約1万5000年前の新生代更新世後期(もしくは後期旧石器時代)にかけて絶滅したと推定されます。
ここに至る時代は、氷河時代(ウルム氷期)に重なりますから、地球の生物は過酷な氷期と間氷期を経験していました。
海岸はもちろん、各地にある河川沿いの地層には段丘が形成された名残りがあります。
通常のオスは小柄ですが体毛が濃く、長さが2,4メートル程の牙をもちました。
福島県内からは、ナウマンゾウの臼歯が化石となって発見されています。
(最初の発見は、明治時代にドイツ人が…名前も彼に因んで。以後は北海道から東京新宿、野尻湖や福島、浜松など列島の各所で発見されています。)
もしかするとナウマンゾウは、取り残された?日本列島の固有種かもしれません。
ゾウ目ゾウ科に属した象には違い有りませんが、現有するアジアの象とは近縁種ではないそうです。
日本って、大昔からガラパゴス化?してたんですね。
現在は、野生動物保護のため、世界で象の狩猟や象牙の輸出入は禁じられています。
そのため、高価な象牙細工を作る中国人が(日本の印鑑なども)材料に困った頃がありましたね。
…その結果、象牙の価格は高騰しました。
代用品として当時、白羽の矢が立ったのは…ロシアの永久凍土に埋もれたマンモスの遺骸から採取した象牙でした。
もしかしたら、現在も同じような状態なのでしょうか?。
マンモスの牙を買い付ける中国人バイヤーが殺到していた極寒シベリア地帯。
どこまでも人間は残酷な生き物…凍り付きそうなお話ですね…。