塩坪遺跡出土礫群
旧石器時代の遺跡では、礫群という川原石がまとまって出土しますが。
この塩坪遺跡から出土した礫群は、1万4000年前と推定されます。
石の表面を観察しますと、赤く焼けて変色したり、焼け弾けた破片もあります。
おそらく旧石器時代人は、石を焼いたあと…調理に利用したり、土器などに入れて沸騰させていたと思われます。
そんな調理法は(鍋に焼け石を入れたり)、現代も見ますよね。
火を使用する文化の起源は、かなり古い時代から日本でもあったのです。
人体文付き壺型土器
縄文時代中期後葉(大木10式)南相馬市 宮後B遺跡
奇妙な…そして人間と判別しやすい模様が施された特徴ある土器ですね。
深 鉢
縄文時代後期後葉(新地式)
口縁部の形状や器面のコブ状の形は、関東地方に多いものです。
土器としては、安行1式の影響が出ています。
土面と土偶
縄文時代晩期の呪術者の道具か、または祭祀に使用されたらしい土面の欠片。
新地町の三貫地貝塚から出土
(パプアニューギニアの原住民にも土面を被る風習がありますね。)
土偶は、壊された状態が多いのですが…これもやはり。
(女性の身体に似せたデザインですね)
土偶(複製)
縄文時代後期に福島県上岡遺跡で発掘された土偶です。
この姿勢…まるでロダンの彫刻、地獄の門にある…考える人みたいな?。
人面付き石製品(複製)
縄文時代~いわき市冷水遺跡から出土 (実物は東京国立博物館に所蔵)
まるで金太郎アメ…的デザイン。 何に使うものでしょう。
石柱
これは不思議な石柱、古代の生命観の象徴でもあり、各地の遺跡でも発掘される大小様々なカタチ。
ある意味…今世紀まで続いている風習?もしくは自然賛美。
三貫地貝塚人骨、そして犬骨埋葬状況
新地町三貫地貝塚の発掘調査は、昭和27、29年に行われました。
出土した人骨は、100体を超えました。 これは埋葬された状況を復元したものです。
一度は葬った人の頭骨13個を円形(サークル)に並べ、手足の骨格は中央に集めた不可思議な埋葬跡が発掘されました。
また、男性の屈葬(手足を折り曲げられた)人骨のそばからは、犬の骨が発掘されました。
縄文人にとって、犬は狩猟などでも役立つパートナーとして飼われていました。
飼い主とみられる人物と共に埋葬されていることといい、大切にされていたと思われます。
狩猟中、なんらかのアクシデントで絶命したのでしょうか。
(ちなみに、骨格の特徴から柴犬に似た犬種だと思われます。)
死しても、御主人を守っていることでしょう。
縄文人男性の復元された頭蓋骨。(しっかりした丈夫な下顎部)
縄文人女性の頭蓋骨復元
これも三貫地貝塚から出土した骨格から左右顎犬歯には抜歯された跡があります。
完全な形を留めていたのは下顎周辺だけ。
(縄文人には意図的に抜歯した痕跡が見られ、ある種の風習らしいのですけれど?)
原初の日本人は、いかなる暮らしをしていたか…ここには多くの解答が納められています。
見応えありますよ。
実物の出土品や遺跡の復元模型など、博物館の豊富な展示物は素晴らしいです。