こうして真夜中にも静かに…果敢に戦い続けている。
そんな小さな診察室があります。 そして医療の拠点に搬送されてくる患者さんがいます。
そうなんです、一次救命処置(BLS)は、一刻を争うのです。
どうか道路での違法駐車はしないでください。
私たちが安心して暮らせるのも、そうした人々を救う医療関係者がいてくださるから。
以下は、仮定として”私自身”が倒れて処置された場合。
スタットコールでの召集に
まず、到着までには、IDの確認など受診の手続きが行える場合は準備も早いのですが(既知の患者ならば)。
情報が不明の患者も多く、意識が清明でない場合は不鮮明な情報のことも…。
当然ながら、気道の確保、心電図やバイタルなどを用意し終わるころ…
外でサイレン音が止まり… 高規格救急車が後進してきます。リア・ハッチを開放。
救急隊が患者のストレッチャーを降ろそうと防振架台からロック解除で引き出し、手元のレバーを握ると脚と車輪の固定が解除され広がり着地。
慎重に降ろしながら残りの脚も展開~。(まだ若い救急隊員だな…)
処置室では待機の医師と看護師が対応を始めます。
(この間、臨床検査技師、放射線技師もスタンバイ)
報じられた内容は間違いで、履歴のある患者。重症の心臓不整脈で他院で入院していた患者と解かりました。
(大いに誤報はありがちです。 容態が判明しているだけでも幸運。)
救急車が搬送した患者は、現場でCPA(心肺停止)の80代後半の男性。
(心肺停止の直後には~死戦期呼吸がみられたということです、心肺蘇生を急がないと。呼吸器中枢機能が消失して、喘ぐような徐呼吸になるとみられる異常な呼吸です。喘鳴音をともないます、注意して確認を)
救命士の緊急処置が早いから、脳への酸素欠乏も防げているはず。
その刹那に再び心停止、院内で精緻なCPR(心肺蘇生)を開始するのですけれど。
(まず不整脈なら、電気ショックでの蘇生が最適と判断してみますが。)
緊張が走ります、リカバリーも最速に、患者の胸骨圧迫。
ここでは診察台ですが、平地の床でも…片手のつけ根を患者の胸部、乳首と乳首の間にある胸骨の上に置いてください。
そして一方の片手も、上に置いて指を組み合わせるような位置で、手が真上になるように姿勢を移動します。
両肘と両肩を動かさぬように安定させ、上体の体重と動きを利用しながら胸部を圧迫してください(心臓マッサージします)沈み込み目安は5cmほど。
成人ならば、1分間に100回ほどになるような速さなのですが、これを30回は続けると思ってください。(かなり体力がいります。)
胸部の圧迫30回に対し人工呼吸は2回となる目安のサイクルで、胸部圧迫と人工呼吸を繰り返していきます。
(屋外なら、連絡した救急隊や別の救助者が交代できるまで継続してください。または備え付けのAEDも有効です。音声ガイダンスに従ってください。)
ようやく心臓の鼓動が回復してくれて、安定したものの…状態からすると、脳機能を保つため、低体温療法が必要と判断されました。
脳は数分も血流がなければ、意識が回復しない場合もあります。
停止していた心臓の機能により、脳や身体のあらゆる臓器への血流も停まり各臓器にダメージが出始める…。
麻酔後に、一昼夜は体温を32℃ほどに保持しながら回復を待つのです。
心臓が鼓動を始めても、最悪…寝たきりや…残念ながら植物状態を避けられないこともありますから。
こうしてICUに収容されて一命をとりとめましたが、なんとか救われますように。
(クリアならともかく、私が…ステっちゃうことも十分にありえます。)
もう真夜中…零時を過ぎれば、そろそろ交代のナースが出勤し始めます。
今回は、私自身の緊急入院という内容設定でしたが…死亡していても不思議の無い状態です。
高齢者に関わらず、突然の病変には注意してください。 119
いつも救っていただけて感謝しています。
どうか皆さんが健康でありますように。