金沢神社  (兼六園内)



11代加賀藩主の前田治脩(はるなが)は、寛政6年(1794)、兼六園の現在の梅林の地に藩校明倫堂を建てました。


明倫堂の鎮守社とすべく、金城霊澤のほとりには学問の神でもあり、前田家の先祖でもある菅原道真公の御舎利を奉斉する神社が創建されました。


神社の造営にあたったの重臣である奥村河内守など有力な家臣が作業にあたりました。



時は流れ、兼六園は大規模に整備され、藩校を別の地に移転する折…

神社は12代藩主前田斉広の時代に建てられた竹沢御殿の鎮守とする災難除けの神商売繁盛の神交通安全(琴平 大神)をあわせ祀り…


毎朝夕に兼六園を散策された藩公自身により、領内の平和と繁栄を祈願されたのです。



こうして災難除けの神と云われる白蛇竜神の御神体の1体は神社に…


もう1体は江戸屋敷に住む奥方に代々奉斉されていました。


それも昭和21年になると神社へと移されました。


白蛇竜神のお姿を写した神札を百体に限り奉製するのは毎年10月1日のこと。


藩公からは藩士に対し、また城下に暮らす有力な町民にも付与されたのです。


(市内の旧家には、神札も現存しているそうです。)


白阿紫稲荷大明神商売繁盛の神。 明治維新の後に、前田家の東京移住に際して邸内に移されました。


旧藩士からの懇願によって再度…神社に移されました。


(明治以前の神社参拝は、春秋の例祭のみだといいます。)




場所は、石川県立美術館の前… 百万石通りに面した金沢神社












金城霊沢



兼六園にある金沢神社の由緒を語ると…



神社の敷地内に、金沢という言葉のルーツがあります!。



昔々~山科という里に、藤五郎さんという名の貧しくとも正直者の農夫がおりました。


ある日のこと、藤五郎さんが山から掘ってきたについた泥を…ここで洗っていたら不思議?、なんと沢山の砂金が出てきたのです。


(ゴールドラッシュですよね。)


藤五郎さんは立派です。 この金を決してひとりじめなんてしませんでした。


彼は~貧しい人々に分け与え仲良く暮らしていきました。


そこでを洗う…ということで、金沢と呼ばれるようになったとか。









現在も金沢神社で大切に保存されています。


この金沢神社にある金城霊沢ですが、百万石まつりの~5月31日


神職の手で、お水とりの儀式を行います。


採取された霊水は、神前に奉納され
… 百万石茶会の茶席へと運ばれます。


金沢市内の尾山神社で、前田利家公に御茶を献上すべく献茶式が執り行われます。


(お水とりの儀式~茶筅供養は金沢神社と成巽閣にて)



6月1日よりは…兼六園周辺で、百万石茶会が開かれます。







そこはかとない奥深さ…神秘的です… (この撮影時は春先のこと…)







御社の天井には、龍の絵が…水神ですね。











鳥居



歴史を感じさせる額束、笠木の反増もいいですね。


仏教の影響も受けている明神系の鳥居が正面に立っています。


大きな貫と楔のデザインも…伝統的なシルエット。  牛蒡締めの注連縄もきまってます!












神門



老朽化により取り壊されたのは平成2年でした。


平成5年に復刻が竣工すると… 隋身様と呼ばれる神像が祀られていることに由来し、隋身門と呼ばれることも。


(二の鳥居前にある坂道を隋神坂とも呼ぶようで…)


文政四年辛巳 献上 菅原直時 春正月吉祥日』と神像の背面に刻まれ…


加賀藩八家のひとり、前田土佐守家七代前田直時の奉納とされています。












金澤神社拝殿



前述の通り、加賀藩が誇る学問所である明倫堂。  


鎮守の神であるのは、学問の神菅原道真公の御舎利を祀り建立されました。


12代藩主が住まう竹沢御殿を建設するにともない藩主が望む祈願所であり兼六園を鎮守すべく。

相殿には、災難除けと…金運の神となる白蛇龍神を祀られ文化財にも指定されています。











手水舎の水(飲料水ですよ)



この手水舎の水は、境内にある井戸から24時間汲み上げています。


井戸の水源になるのは金城霊沢と共通した地下水源なのです。


ありがたい金城霊澤の水として地元の人々や県内外よりの参拝者にも広く親しまれています。


百万石祭り百万石茶会や… 


2月に行われる、石川県文化財保存協会による大寒の糊作りや和菓子作りにも用いられます。


(戦没者慰霊式典にも供えられております。)


霊沢の水は、カルシウムや鉄分を多く含んでおり、日本百名水としても知られます。


(富山県上市町で有名な穴の谷の霊水にも似た成分パターンを示します。


毎年~飲用に適しているか『水質試験』を行っておりますから安心です。)












奉納稲荷鳥居




平成20年8月、前田家の鎌倉邸から、稲荷社御分霊と共に鳥居が移築奉納されました。


前田家の慶事ごとに奉納された、とても縁起の良い鳥居です。


御神鏡、掛け軸、稲荷石像、御神像、観音石像、手水鉢、絵馬など縁のある21の品が奉納されました。







境内には、さらに~天神様のお使いという牛の像が。(なでると夢を叶えてくれるそうですよ)




また、鳥居の傍には、いぼとり石も。 いぼをこすると~ポロリととれると信仰されている御神石もあります。



広~い兼六園の中で、ちょっと不思議な雰囲気の神社です。



ぜひ~きまっし!!