次期支援戦闘機 FSX 開発秘話
XF-2(三菱の試作機)モックアップ・モデル1号機。
(実物は数機が岐阜基地の飛行開発実験団に所属しているそうですが…)
飛行開発実験団の発足は、昭和30年12月 実験航空隊創設(浜松基地)から始まり。
昭和32年3月 現在の岐阜基地へ移駐されました。
(航空機やミサイル等の航空装備品に対する試験等を実施する航空自衛隊唯一の部隊)
あくまでも実寸大の模型と同じということで、主要な電子機器やエンジンなどは積んでいないのかな。
とても大きくリアルな精密展示品なのですが、この試作1号の501…とにかく美しい姿なんです。
試作機の無垢で派手なカラーリングは、平和の使いとでもいうような美々しさがありますね。
オリジナルのF-16以上に改修(変身?)した大きさ、高性能化と兵装バリエーション。
全長15,52m、翼幅11,13mの新世紀マルチロールファイター(多用途戦闘攻撃機)
IHI 製・GE F110-IHI-129ターボファンエンジンで軽々と音速の2倍に達します。
(エンジンの国内ライセンス生産しています。)
純国産機の夢、独自開発の道を絶たれた日本側は、米国製を遥かに凌駕する超性能に仕上げました。
世界初となる炭素繊維強化複合体(カーボン)一体構造の主翼で大幅に軽量化
アクティブ・フェイズド・アレイレーダー搭載(イージス艦のような装備)、レドームの形状も変化。
(それでも予定される装備重量の増加は大きく、技術陣の苦難の跡が窺えますね。)
日本のお家芸、最新のアビオニクス搭載でさらに電脳化、航続距離を確保すべく機体内の燃料容量は4,750Lに増大。
ステルス性を意識した電波吸収材(RAM)などを意欲的に採用するなど緻密な進化。
現代の日本航空機技術の粋を集めた傑作でしょう。
(運用の低コスト重視のF-16と較べると、主力戦闘機に比肩しうる内容と価格のF-2)
短距離離着陸STOL実験機『飛鳥』など、成熟した国内航空技術をアピールした時代でした。
(もしも純国産のFSXがロールアウトしていたら現代に蘇った幻のZERO戦)
エアインテークもカバーで塞がれています(ここも内部の形状が変更されています)。
レドームから他の繋ぎ目など~そういえば目立ったディテールがシームレス?。
それがかえって…オブジェのように滑らかで綺麗な素肌を形成しています。
F-16の特徴でもありましたが、操縦席のキャノピーは全周が見渡せる視界の良い設計。
XF-2の場合、単座型をF-2A、複座型をF-2Bという名称で呼称しています。
実際は液晶ディスプレーの多機能表示装置(MFDS)が3基ある操縦席。
HOTAS概念の導入、サイドスティック式操縦桿の採用で、手を離さずに各種操作が可能です。
(パイロットが操縦に専念できるように、複雑な操作を統合制御させる電子化が施される)
自動車にもステアリングに集中スイッチが付いて便利ですね。(そんな感じ)
かなり、シートが腰高で、通常のスポーツモデルからミニバンに乗り換えたような開放感?になるでしょう。
その分、従来の戦闘機から乗り換えたパイロットは、着座位置で違和感を感じるそうです。
漢字で記されていますね。 …もう立派な日本の翼なんですよね。
純国産でなくても、和の心…魂は失われておりません!
米国のF-16戦闘機をベースにした、日米共同開発による『次期支援戦闘機』。
それは聞こえがいいですが、実際は権謀術数の駆け引きが…。
純国産の開発を断念、政治問題の複雑さ、日米の貿易摩擦解消など波乱万丈の環境。
両国のインターオペラビリティー(相互運用性)も期待された機体です。
既に30年以上も各国で活躍している熟成された戦闘機ですからコストパフォーマンスは確かに良いですが。
日本航空界が誇る匠の技を思い切り注ぎました。
それが日本で、最高のイノベーションを果たした感じですね!。
まるで忍者のような素早い身のこなしで任務を遂行する名機です。
我が国の狭い領土には、コンパクトで運用バランスの良い航空機が最適。
結局、過去最高性能の支援戦闘機の誕生でした。
ただ…優秀なのですが、東北地震では松島基地が津波で水没し、配備された多くのF-2が被災しています。
修理不能な状態の機体は多数あり、当時の悲惨さを伝えています。
浜松基地の第1術科学校では整備員の養成が行われていまして、教材のF-2も保有します。
艤装されるのは対艦ミサイルなどがあります。
主翼下の兵装ステーションには、600ガロンの容量を持つ増槽が2基装着されます。
(白い大きなコンフォーマルタンク)
組み立てられるのは三菱重工の小牧工場。
生産に携わる米国ロッキード・マーティン社。
機体部品の大部分は日本の企業、三菱重工、川崎重工、富士重工、IHIなどが担当します。
主翼は左右で生産する企業も別となるそうです。
エンジンにおいても、ライセンス生産することになり(40%は米国の生産部品を日本で組み立てます。)
この垂直尾翼もアメリカ製です。
TRDI…は、技術研究本部のことです。
本来なら、ドラッグ・シューターが格納されている尾翼基部の長方形?に見える箇所。
通常ならチャフやフレア・ディスペンサーを備える後部周辺も省略されています。
(試作機ですから~そこまでは実機にもないのかな)
もちろん尾翼のシリアルナンバーなどは同じ、63-8501
黒いエンジン噴射口もふさがっています(将来はスラスト・ベクタリング化されているかも?)。
後方エアーブレーキなど、様々な特徴を活かしています。(これは開いた状態)
洋上での対艦攻撃オプションを備える、ステージは海での戦い。
航空阻止、近接航空支援、海上航空支援 及び防空作戦のスペシャリスト。
対領空侵犯措置任務を実施する。
ブレッドウイング・ボディをもつ翼は独特ですね。
コクピット前に並んだ白く小さな突起は、IFFアンテナです。(敵味方識別暗号)
こうして展示される主兵装も模造品?。
上方にあるのは、90式空対空誘導弾
三菱重工が開発した国産の短距離空対空ミサイル『AAM-3』。
(よく知られる AIM-9Lサイドワインダーの後継です。)
下段手前の中射程空対空ミサイル『AIM-7(スパロー)』
セミアクティブ・レーダー・ホーミング(SARH)で誘導します。
中央にあるグレー塗装の『誘導爆弾』。
そして奥に並ぶのは、80式空対艦誘導弾
三菱重工と技研本部による空対艦ミサイル『ASM-1』。
元来はF-1支援戦闘機のために開発された空対艦ミサイル。
亜音速で標的に命中します。
出来るならば使用されないように願いたい兵装類ですが…
緊張高まる日本周辺。 いつも命懸けで守ってくださる自衛隊の存在に敬礼。
エアーパークのある浜松基地をご紹介。
その面積は、313万㎡もあります。(東京ドームなら…67個分に相当する面積)
E-767早期警戒式管制機までが離着陸する滑走路は 2,550メートル。(幅60m)
基幹隊員数、2600名の方々が日夜~日本の空を守っています。
パイロットや航空自衛隊の主要装備品の整備員などの教育を担う部隊。
それが、『航空教育集団司令部第1航空団』
■航空教育集団司令部
航空自衛官に必要な一般教育、パイロット養成の飛行教育、知識技能の術科教育及から必要な教材の作成修理について全国の関係部隊や学校を統括しています。
■第1航空団
中等練習機T-4によりパイロット学生の教育を行い、基地所在の全隊員の日常生活の管理業務を担当します。
■第1術科学校
航空自衛隊の航空機の機体、レーダー、通信機、誘導武器などの整備員等の教育を行います。
■第2術科学校
警戒管制用や航空管制用レーダー、自動警戒管制器材(バッジシステム)
地対空誘導弾PAC-3、基地防空火器の整備、運用の教育を行います。
(自衛隊ではペトリオットと呼称します。)
■教材整備隊
工作、印刷、写真製図の3部門が、航空自衛隊の教育各分野での使用教材の制作、複製、修理等を行います。
■警戒航空隊
早期警戒管制機E-767(浜松基地)、早期警戒機E-2C(三沢基地)を擁する警戒監視、管制の任務。
■高射教導隊
地対空誘導弾PAC-3運用の高射部隊、近距離目標への基地防空火器(短SAM、携帯SAM及び対空機関砲)運用の基地防空隊教導を総合的に実施。
■浜松救難隊
事故機のパイロット捜索~救助が主な任務。 要請があった場合には災害派遣活動も行います。
■浜松管制隊
浜松飛行場に係わるターミナル管制、レーダー管制、進入管制、着陸誘導管制を行います。
■浜松気象隊
気象予報、気象観測、レーダー気象観測、気象通信業務及び高層気象観測を行う集団。
飛行場を使用する航空機の安全のために必要な気象情報を迅速に提供しています。
■浜松地方警務隊
司法警察業務、自衛隊員の秩序の維持、保安業務から要人警護、防犯活動の全般。
■中部航空音楽隊(吹奏楽団)
吹奏楽団として、東北エリア南部から関西地方に至る広い地域で、演奏会や音楽教室、各種行事の協力活動を行います。
お疲れ様です。
とりあえず飛行場周辺を~ランニングして鍛えてきます。
つづきは…シャワーの後で