タキシングで移動する姿が目に浮かびませんか…
『T-33A 練習機』
米国のP-80戦闘機をベースとして中等練習機にと改造された機体です。
航空自衛隊には、1950年から米軍の供与による68機が配備されました。
その後、川崎重工による国内ライセンス生産が開始され、最終的に210機をロールアウト。
ジェット機の基本操縦を学ぶベストパートナーです。
(1980年代後半には退役が始まり、後継機に選ばれたのはT-4中等練習機。)
1999年11月の…悲しい墜落事故(入間基地所属)もありました。
いつも空は命がけの世界でもあります。
音速超えるは我にあり!!
ロッキード『F-104J』戦闘機 (こちらは格納庫内の)
F-104Jは、F-86D退役の後継機とすべく導入された機体です。
初期に配備された1~3号機は、ロッキード社で生産された米国製。
続く4~20号機となると、国内に輸入した部品単位を再度組立てするノックダウン生産。
21号機からは、ライセンスを取得した三菱重工の工廠で生産されました。
1962年~67年にかけて導入された機体数は210機という実績。
(同型の練習機も20機導入)
1986年に退役するまで、要撃戦闘機の代名詞でした。
(おや?右上方に~謎の機影が!亡霊か)
昭和の花形ミツル 『F-1支援戦闘機』 です。
たとえ天才?であろうと、実は~主力戦闘機を陰で支えてきたスタイリッシュなナイスガイ。
支援戦闘機の『F-1』は、『T-2高等練習機』のコックピットを単座化しています。
全天候攻撃可能な航法システムを追加装備した戦闘機がF-1です。
そうして改良されながら熟成し、任務をこなす自衛隊機は多いです。
栄えある1号機は、1977年6月に初フライトを遂げ~
昭和52年、1977年9月6日~1987年までに導入された77機のひとつ。
2006年には、新世紀の支援戦闘機『F-2』と世代交代しました。
防空任務の重要性、そしてパイロットの生還率を上げるため新型機も必要。
現役時代は、アフターバーナーを焚いて夕焼け空へ飛翔する…
噴射ノズル近くには、赤いセーフティーピンが。
綺麗に並べられた空の貴公子たち。 進化の系統樹
迷彩塗装の『F-1』、『F-104J』、『F-86D』、『F-86F』(初代ブルーインパルス機)
『J-79エンジン』の展示品です。
アフターバーナー使用時には、推力が7,2㌧に達するベストセラー・エンジン。
F-4ファントムなどにも搭載され、安定した性能を発揮しました。
アメリカの多くの同盟国でライセンス生産され、少なくとも17,000基以上も組まれたという名機。
信頼性が高いのですね。(美しい構造をしていますね。)
このままハンガーアウトして緊急出動しそうな雰囲気の生涯現役ジェット
しかし、自衛隊員パイロットの生命を載せて危険な任務に赴く戦闘機。
強大な負荷を受け、メカニズムは老朽化していきます。
どれほど整備しても限界はやってきます。
(安全性のためにも機体の耐用年数はあるのです。)
緊張が高まる東アジア、日夜鍛えられた優秀な人材と機体が空を守ります。
私達の平和な日々は、多くの人々の苦労と献身によって保たれるのです。
太平洋上の幽霊戦闘機…フーファイター?
『零式艦上戦闘機 五十二型 43-188号機』
製造されたのは三菱の名古屋工場(昭和19年3月)。
大戦時に不時着した機体は眠り続け…1963年にグアム島で発見されました。
米軍に鹵獲?されていましたが、1964年に米軍の輸送機C-130により日本へ空輸。
故郷に零戦の機体は返還されました。
グアム島から~岐阜基地に移動~三菱重工業の大江工場で再現されました。
その後は全国各地の展示ショーで紹介されました。
1967年からは、この浜松基地の格納庫で保管される運命に…
1999年に『浜松広報館エアーパーク』がオープンすると人気者に。
零式艦上戦闘機
当時の最先端、航空力学の粋を集めて生み出された『最強の翼』です。
戦争という時代の狂気により造られた兵器ではありますが…機能美。
最後まで戦い抜いた人間の意志を秘めた機体。
(洗練された空力の造形、空母から飛び立つ雄姿は幻影の翼…)
一瞬…キャノピー越しに見えた、飛行帽を被った若者の横顔は…
碧洋の空に散った若者達の生命に敬礼!
自衛隊など航空機のフライト業務を『列線(れっせん)』と呼称しています。
フライト直前の航空機をエプロンに整列させ並べる様子からつけられた通称。
飛行前の点検は基本的に1機につき2名の整備員が担当します。
最終的な目視点検後に~パイロットも合流し、同様に目視点検を行います。
最終点検を行う中で、重要な項目が『セーフティーピン』を解除することです。
写真の『セーフティーピン』とは、本来の機能を停止させるためのピンである。
操縦席の座席は…緊急時のレバー操作で、搭乗者と座席がキャノピーを突き破って射出される。
点検している航空機が地上にある間、兵装など不要で危険な機能にはセーフティーピンが刺され作動しないようにします。
普通なら10数箇所にも~こうしたセーフティーピンが設置されるのです。
フライト前、1本たりとも残さないようにパイロットと供にセーフティーピンを抜いてあることを確認!。
これが…セーフティーピンです。
重要です、残っていたら飛べません。(チェック)
(私は、クルマなどのメンテナンスで手作り~真似していますよ )
安全確認励行しましょう。
思わぬトリビアがあるものですね。
『F-104J』の後姿、いつしか戦闘機はプロペラから噴射式(ジェット)の時代に。
これでも航続距離が3150キロメートルにもなります。
大気の壁を突き破るソニックブーム…音速の自衛隊。
最速で侵犯機をインターセプトする機体、日本の空は彼等が守備しています。
地上でも、私たちが礼節を守り、誇り高く生きることで貢献していけます。
国民の意識(良識)が高まらずに…国家も平和もありません。
自分なりに頑張りましょう。
つづきます。