MAZDAの広報誌である『POLEPOSITION』
CHALLENGES WCR
MOTOR SPORTS, WE FEEL, ARE AN INDISPENSABLE
ACTVITY TO AUTO‐MOBILE MAKERS.
MAZDA 323 WINS CLASS IN MONTE CARLO RALLYE.
82 50th MONTE CARLO RALLYE.
フランス南東部、仏伊の国境から地中海に面した独立国…モナコ
南部のモナコ市~中部のラコンダミーヌ~北東部のモンテカルロの3区となります。
モンテカルロを拠点とした、世界最大級の国際ラリーが開催される冬期の山岳路。
1982 第50回モンテには雪がなかった…。
積雪がなければ、舗装路のターマックも安心かと言えば?そうではない。
厳寒地の環境は氷結する、突然に出現するアイスバーンに翻弄される選手。
それはアイスノート・クルーが負う役割がクローズアップされる雪のラリー。
地形や環境を熟知しペース・ノートをまとめても、自然は次々と凍てつく氷牙をむく。
1982年 WCR第1戦(当時はWRCとは呼称しない)モンテカルロ。
挑戦したMAZDA ファミリアは(1300㏄以下)、クラスのグループAに参戦!
モナコの各レグでは『雪』を制する者が勝利する…
前輪駆動を採用した MAZDA-323(ファミリア)も70馬力そこそこの非力とはいえFFの利点を生かし善戦が期待されました。
ナイトシーンで視界を保つ大型ランプ、ロールケイジなどラリー車の迫力が伝わります。
改造範囲が僅かなグループAでは、基本的な市販車としての素性が証明されます。
☆初代のカーオブザイヤーを冠したMAZDA ファミリアの前輪駆動は、
確かな手応えを我々に残してくれたのです。
(ファミリアのボンネットは逆方向に開くので、整備性はともかく正面の風圧には安全?)
結果 クラス5優勝及び2位、グループAでは3位~5位で完走!。総合では54位。
初参戦で果敢に戦い、チームワークと車両の優秀性を示しました。
もしも積雪なら、グループA優勝も狙えたかもしれません。
現在は4WD(AWD)の優勢は知られていますが、FF…前輪駆動のみの戦闘力の高さも侮れません。
滑りやすい低ミュー路が舞台となれば、操舵輪が駆動できるFFは有利な機構ですからね。
グラベルやダートでは圧倒的なトラクションを誇る4WDも…ドライブトレーンは重いため重量面では不利かもしれません。
83年以来、11年間に渡り2WDの勝者はなく、4WDが覇権を争うWRC世界で…
いまや誰しもターボパワーと4WDによる武装が絶対という時代に反旗を翻す精鋭の登場。
1999年に、NAでFFのシトロエン・クサラ・キットカーが常識を打ち破ったのです。
カタルニアやツールド・コルスのターマック(舗装路面)コースで勝利しました。
世界最高水準の日本製4WD勢を完膚なきまでに叩きのめしたのです!。
路面が乾いたターマックならば、軽量なFF方式はNAでも高い戦闘力を発揮する。
最強と謳われるWRカーをもってしても、シトロエンには勝てませんでした。
(その最低重量差は270㎏も軽いクサラ)
ハイグリップ・タイヤで4WD並みのグリップを得て、ハイパワーNAエンジンも咆哮をあげる。
しかも最高速の領域では2WDが有利となります。
『条件が揃えばFF車は4WDより速い!』 新たな常識の誕生です。
最近の市販車でも、FF~FR駆動に関係なく、
横滑り防止のVSCやTRCシステムを装備して安定度を大幅に向上させました。
しかも、ブレーキにはEBD付きのABSブレーキアシストが低価格車にも普及しています。
一昔前のクルマにくらべ、国産車のシャシ剛性は格段の進歩を遂げました。
低価格設定のSUVでも2駆仕様があるくらいですから。
暮らす環境も含めて、必ずしも4WDシステムである必要はなくなりました。
もちろん~それでも全輪駆動するシステムは有利な最高の技術です。
技術の進歩はシンプルな方向性をも指し示すのです。
ちなみに、国産で最初の量産市販フルタイム4WDを発売したのはMAZDAです。
(それがファミリア4WDだと聞いています。)
SUBARUのレオーネが乗用車4WD化の草分けとして誕生したのは時期も早いのですが。
冬が訪れる度に…安全に早く走れるクルマ造りの懸命な努力を思い出します。
遥かな異国の空と雲の下、いまも疾駆する日本車達の姿を…
RACラリー
第30回 ロンバードRACラリー(1981年 11月22~25日)出走車151台.
初冬のイギリスで開催された世界選手権ラリー(WCR)シリーズ・ファイナル
RACラリーは、ワークス同士が出揃った純粋なコンペティションといえます。
完走した台数は僅か54台。
MAZDAから参戦したのは SA22C(サバンナ)RX-7ラリー
ロードゴーイングレーサーの如きサバンナが屈強にラリーシーンを駆ける!。
英国で開催される、森林地帯を乱舞するスピード戦が幕を開け…
ゼッケン26の搭載した大和の魂魄ロータリーサウンドが炸裂したのだった。
RAC仕様のRX-7には、量産型12Aロータリーエンジンを搭載。
サイドポートで220psオーバーの馬力を発生させています。
80年に発表された市販コスモAP(アンチ ポリューション→公害対策の意味)
から採用している 6ポート・インダクションのベースモデル。
ハイパワー対応オギジアリー(補助)ポートを、1ローターにつき2個設けることにより吸入効率が飛躍的に向上。
それはレシプロ・エンジンならば、バルブ数が増えたようなもの。
トルクカーブは低速型に修正されて、IR-4A改良サイレンサーで音量規制もクリア。
80年は世界最初の量産フルタイム4駆『アウディ・クワトロ』ターボの降臨により
怒涛の高速ペースに巻き込まれたのか、クラッシュ~リタイヤ続出の激戦。
G2仕様のRX-7は、序盤は19位の好位置につけ、最終日R・ミレン選手の追い上げで
総合11位入賞。 見事G2クラスでは、ロータスに次いで2位入賞。
我々、日本の自動車産業は…縁側で黄昏る老人ではありません。
果敢に世界に挑んでいた初心に還らなければいけません。
『君子は三度 豹変す』 という言葉がございます。
本来の『豹変』とは、豹が雪毛に変る美しい姿の変をさす言葉。
物事が悪く変ることではありません。
戦い終わって汚れたRX-7の後姿に漲る鮮烈な闘志は少しも萎えていません。
人間は常に真摯に立ち向かい、生き抜く強い意志を持つことが真理。
若者が自堕落な生活を好み、早々と欲漬け若年寄りとして安楽死に逃避する。
夢 や 希望 を?誰かから配給でもされると待っているのですか。
貴女は熱い”内燃機関”自らのイグナイテッド(点火)なしに生きているとは言えません。
すべては人間の資質…その若さで諦めや否定だけの『縁側奴隷』になるのですか。
いまの日本人は勝利者ではありません。
真摯に学ぶ挑戦者に戻れないから国家も個人も破綻するのです。
私は…無為な『競争』を勧めていません。 一緒に高め合う『共走』をしましょう。
バディ… パートナー… 相棒… 呼び名は?
クルマとだって二人三脚、心から一体感を得たいと願っています。
走りにいけば、最後は無事にガレージへと帰宅したい。
ラリーとは、生きて帰還するという意味でしょ。
雪道や凍結路で頼りになる4駆システム。 トラクションコントロールの発達で事故が減りますように。
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