『陰陽師』

 

 

 

 

 

平安のダークヒーロー”陰陽師”…跳梁跋扈する闇を調伏。

 

 

 

 

 

 

百鬼夜行、幾多の怪異に挑む…安倍晴明の物語。

 

 

 

 

 

 

 

 

 





安倍晴明といえば…この肖像画の御仁です。
 

安井算哲 グッド! クリック


私も少し前に、江戸初期に於いて…日本の暦を革新させた「安井算哲さん」のことを書かせていただきました。



平安時代の日本、そこで暦は陰陽寮の暦博士という専門家が当時の日本の事情に合わせてチューニング(いまならば…科学技術庁)した?特別製。



陰陽師は現代なら技術官僚(テクノクラート)という立場です。


しかし、それでも基本論理そのものを変えるには至らず…江戸時代には誤差によっての損失が顕在化してきました。



平安時代の貴族達が「具注暦」という儀式から暮らしに用いた暦があります。


 

 

 

もっぱら古式にのっとり、吉備真備さん達の時代から習った…大陸で帝国を動かした暦をベースにした方法論で作成。

 

 

 

(中国から~日本に囲碁を伝えたのは吉備真備さん)

 

 

 

 

 

十干十二支を組合せ、陰陽五行から日々の吉凶を判断したのです。

 

 

 

 

心理学者、心療科医、科学者、天文博士など様々なカテゴリーに赴く彼等は…


時の権力者や民衆の苦しみと、心を覆いつくす闇を祓い…救済することも役目として平安の都を「魔」から護る最期の切り札でもあったのです。


五芒星の印は、あらゆる魔やアクシデントから身を護る強力な護符。


これは、安倍晴明に所縁の神社には必ずみられるマークですね。


第二次大戦などでは飛行機のパイロットも手袋などに身に付けた印です。


中東のイスラエル国旗にもみられる六芒星などは(ユダヤの星)

 



ソロモン王の昔から大きな呪力を秘めていそうですが…。
 

 

 

 

 

 

 




過去の歴史を編纂した者達は、様々な意図や野心など…主観的か?どうかに拘わらず歪めてきました。


権力者の都合、圧力や脅えなど…露呈した感情の代償を記録の捏造にすり替えて。


情報として信憑性があるか?それは追体験しながら…自らの感性と思考を研ぎ澄ませて判断しようではないか。


知らないし、見なかった…誰も(答えは)?


遥かな昔を想うとき…歴史の人物との同じ資質は只ひとつしかない。


人間の痛みを知る同じ血が流れるということを。

 

 


 

 

 



さて、これは私の解釈による見方で論じさせていただいた解説ストーリー。


夢枕漠さんの小説が現代の闇に呼応して起こしたウェーブであることは確か。


 

 

不思議なのは、クリエイター陣の共感とも呼べる作品の深まりかた。


女性向け漫画にロールアウト?してきた陰陽師は…出色の出来で驚かされました。


これは読んだ方なら感動されたと思えますけれど、作品世界の理解と共鳴の度合いが計り知れない広がりを帯びています。

 

 

むしろ岡野玲子さんが夢枕漠さんの原作を漫画化した「陰陽師」にこそ?ブームの発端を感じます。


岡野玲子さんの才能、平安の闇と異界を画く描写力は絶大。


しかも美麗なキャラクターと、表現に繊細かつシュールな解釈で拡張されたディテールを読めば頷ける。


 

 

 

映画化への布石と原動力も、世の中に巻き起こした陰陽師による波及にも…影響は女性ファン層の力あればこそでしょう。

 

 

 

各時代のなかで、歌舞伎や伝承などで語り継がれた世紀の陰陽師は…蒼白き妖気を纏いながら…人の深層意識に浸潤し、いままた蘇りました。


怪しく端麗な安倍晴明が絶大な人気を得たのは岡野玲子ファンとの相乗効果。


野村萬斎さん主演の映画「陰陽師」は、その最たるものでしょう。


そこには…科学では解き明かせない魂の不思議のように、人間の心を捉えて放さない謎が…真夜中の…さざ波のように打ち寄せているのですから。


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平安京にて、権力の趨勢を極めていた藤原氏のスピリチュア・ボディガード?として絶大な信頼を集める安倍晴明」 

 

 



 

 

 

調伏(呪術などで魔物や霊障を祓う)する相手は伏姫や…羅生門に棲む鬼!など、超常の存在。


権力闘争で相手を騙し討ち、貶めて命まで奪った輩(貴族)の偏狭な怯えた心を救えるのは…カウンセラーの陰陽師。


救いがたい愚かな人間を…尊い学識と修行で得た?深遠な力により、苦悩から解き放つこと。


そこは神秘というより、心理に長けた論理を駆使した対症療法となったでしょう。


高度な気象…宇宙の天体運動から導きだした算術は、時には予言のように先の事象を見透すことにもなったはず。

 

 

 

(特に天体観測は、深夜に不眠で行う長期に渡る星の運動を克明に記録する仕事ですから、陽光にも当たらず色白き肌の貴族のようであったことでしょうか?)



「陰陽寮」の役目は国家の命運を賭けた人々の脆弱な心を支える国家機関。



まさに平安の華やかさの裏側は、ドス黒い野心や貧困と病に満ちた…人間達の渦巻く病巣だったのでしょう。



常に他者の労苦によって産み出された結果を惰眠を貪りながら…食い潰すだけの現代人の心も、同じ病魔に腐敗させられているのです。



生体細胞も「心」も新陳代謝が終れば、緩かな「死人」と変わりませんから。



原始的な科学手法を生かした効果あるヒーリングを行っていたようですが…



歴史に秘めた謎もありますから、いまなお現代の闇にも降臨して…人間に巣くう病魔を祓わねばならないのかもしれません。



そんな中で、土御門家など…ごく少数の才能を受け継いだ陰陽師を凌駕したのが伝説の「安倍晴明」となります。



逸話の中でも有名なのは、百鬼夜行が夜な夜な都の大路をねり歩いたという伝説について。



これは残っている百鬼夜行の絵巻物。




 
まさに怪異、妖怪変化や魑魅魍魎の徘徊する様子を克明に描いています。



 





どこか心迷う現代人にも似た異界の住人を奇異な目で見ることはできません。


ちなみに…古き京都では九十九神」
つくも神と呼んで、家庭で使う道具…九十九日も経てば生命をもち…乱雑に扱うと真夜中に悪さをするという伝承。


物を大切に扱えと教える民間伝承のようですが、百鬼夜行には生活用品が化けた怪異も描かれています。


ただし…この百鬼夜行は誰にでも視覚化できず、限られた純粋な心の持ち主など才能ある者にしか見えません。


 
見鬼という…スピリチュアルな感覚の強い人にのみ視認できる現象?。


 






まあ、私の推測では、感性の鋭い人間の体感した異様な気配を…絵師に話して描かせたものが百鬼夜行の図だと思います。


(イメージ豊か、ロマンがあって興味深い)


下の絵は、安倍晴明が式神を使役して、魔物を調伏する姿(黒い衣)。



正体不明の疫病も死や災害も…見えない魔物の仕業と信じた平安時代の人々。



程度の差はあれ…いまだ大差ない日本人だと思えますが。



 





これは、その地域に不安定な電磁波異常を察知したり、乾燥や湿度…不意な気流の乱れなどを不可視の妖怪の仕業と説明するしかなかった?平安時代の人々だからこそ表現できた現象と思います。



現代の竜巻や流星(火球)も不思議な怪異として伝えられたことでしょう。



地震や大雨なんてなおさら、平安京といえども過去の都市伝説?。


 
 
好んで人間の小心ゆえの弱気は幻想的な物語に酔ったこと。



不満や病を怪異の責任に丸投げして逃げ出す顛末は現代の民衆と酷似しています。



いつの世も…変わらない人の心。


さぞや…派手な祝詞と呪術パフォーマンスで無知な貴族の心理を落ち着かせたことでしょう。



 
画面左上の異形のものは、怪異の原因である魔物さん?。



しかし彼等のデザインテイストは、現代にも通じるセンスを感じませんか。



 
こんなユーモラスな姿、昔からあったのですね。




 






人々の昨夜の夢物語を聞いては…分析し吉凶の夢占いをしてくれた晴明さん。



「安倍晴明さん」に関する伝説は、とても一度には書けませんけれど。



 
 
白狐の子とも…揶揄された晴明さんの苦悩や貴族社会を翻弄した呪(しゅ)のお話は



また後日、新たな見解ともども…夜話しさせてください。




 


 

 
 
 クライアントの深層意識にダイブして、魔物(鬱)を蹴散らす。
 


    晴明さんも言っていたはず(誰の台詞だ?)


 

 
 
『約束する!   俺が最期の希望だ!!』