平成に新たなコンセプトで再臨した名作。
仮面ライダーシリーズ第6弾…それが
「響鬼」 (ひびき)でした。
かなり異色な作品ですが、日曜朝のテレビ枠では…表現しきれない伝えきれないテーマ故に、スポンサーが営業面で苦戦を強いられ「失敗作」の謗りを受けてしまいました。
しかし、これは素材として優れた内容だったと思います。
雨宮慶太監督の「GARO」のように深夜放送にでも挑戦できたら、大きな成功作品になっていた筈でしょう。
幼児も含む子供と、若い母親の意識が相手では難し過ぎた?。
父親の世代がヒーローを演じ、思春期の少年の内面や~どこかアンニュイな「和」を採り入れた構成は地味。
しかもつじつまを合わせようと苦労させられ、さらに「鬼」に変われる俳優を増やしたために焦点がボヤけてしまい。
玩具メーカーの売り上げ損失補填?に迷わされた挙げ句に中途半端な作品にされてしまった経緯が~露骨に感じられます。
(不運すぎました)
狙いは秀逸だが、ユーザーを間違えたビジネスマン?みたいな結末でした。
平成の仮面ライダーシリーズといえば
お気に入りは「クウガ」ですね。
最終回にキューバの浜辺でオダギリジョーさんがロケしてますが?。
ハイビジョン映像の試みといい、ユニークなキャスティングも面白い作品でしたね。
ここで、私は「響鬼」を高く評価させていただきます。
かなり好きなのです。この番組が丁度~世代のギャップに苦しむ…若い父親層と子供の心にある境界面のような在り方が?別のドラマなら凄くヒットしたと確信します。
ちなみに「響鬼」に変身(変化)する俳優は細川茂樹さんが熱演しています。
どこか~おとぼけで?、でも魂は熱く鍛えあげて、皆を守ろうと必死でもがき苦しみ闘う姿は…ほんとうに家庭の旦那様?。
中年の仮面ライダーとか揶揄する人もいますが(笑)、アメコミなどのヒーローは大抵が成人した大人です。
(大人が子供を護るのが当然でしょう)
子供なみに若いキャラクターなのは日本だけの兆候?ですからね。
それにしてもヒーロー乱立の半世紀!。
日本の特撮ヒーローだけでも街が作れるんじゃないですか?。
殖えすぎ~多すぎでしょう。
最初からダークヒーローにすれば成功したのかも?
正直な話?仮面ライダーじゃありません。
まったく別種類の特撮ドラマですよ。
まず「響鬼」のデザインや色彩は優れています。企画した方々は仮面ライダーという縛りに封印された意識をブレイク!できなかったことが惜しい。
第一話と第二話だけで終わっても良かったかもしれない。
屋久島ロケ!という力の入れようでスタート。
全編に屋久島の大自然を生かした撮影に対して…好感がもてました。渋みが有りすぎなんです。
この時代、映画や小説ドラマ化などでヒットした夢枕漠さんの「陰陽師」が異界における妖かし…鬼?といった存在にスポットを当てる社会の動きがありました。
仮面ライダーの「力」を改造人間や超古代のテクノロジーなどの範疇から抜け出させて、「鬼」という異形の存在にシンクロさせた発想が面白く。
しかも戦いは、遥か昔の日本から続いている因縁の成せる業とする演出の意図。
これは仮面ライダーを、平安の陰陽師に変えたストーリーテイストかも。
特殊な呪術的?攻撃手段「音撃」や式神を使役して敵を探索させるディスクアニマルといった小道具が納得させる差別化がうまい味わいをだしています。
ディスクアニマルの変型ギミックのシンプルさは玩具としても優良でしょう。
太鼓や笛といったアイテムを戦いの武器にしてしまうというのも、低学年に親しまれそうですが…。
(ウケませんでしたね!)
聖なる音による浄めで倒す?、音響の特殊な周波数で対象物の構成要素を震動させながら分子レベルで崩壊させてる兵器?とでも言えばよいでしょうか。
魔法や呪術とも違う性質の描きかた。
そういえば「仮面ライダーウィザード」という最新作が始まりましたが、魔法で戦うストレートなキャラクター。
イケメン路線も続投し、バイクスタントも華麗にキメてくれてます。
今回は指輪を変身アイテムにしたライダーで、ハリーポッターばりに活躍する主人公の姿にヒットの予感。
イメージされた金環日食…に指輪、ひと目で分かりそうなGAROの冴島鋼牙のコート姿に?憧れてるようなスーツデザイン。
魔法?ということで、かなり論理を無視した荒唐無稽な設定も可能でしょうから子供にもアピールしやすいはず。
(今回の顔は響鬼の流れを汲むデザイン)
それに比較すれば、「響鬼」は正統派の特撮ではあります。
さらに、この仮面ライダーは前半オートバイに乗れません。
運転自体が苦手で、他人とは~誰でもすぐ打ち解けるという~気さくな?お兄さんみたいに愛すべきキャラなのです。
作品中には、鬼として戦う「響鬼」達をボランティア的に昔から支援する共闘してくれる人々「猛士」という組織がでてくるのですが、この辺も珍しい設定。
とかく社会での人の触れあいや人情が薄れた子供と大人のギャップが問題になる世間で、そうした何気ない絆を描いた方針は理解できますね。
つくづく親父向けの仮面ライダー。
しかし…このディテールは綺麗で、自然の中を跳躍し疾駆するとこが格好いいんですけどね…。
さて、最大の謎?敵キャラクター。
「魔化魍」 … (まかもう)。
いわゆる民間伝承で妖怪変化と呼称されてきた各地の「まもの」「ようかい」が実在する人類の敵として描かれます。
いつの間にか、「龍騎」あたりから定着した…怪獣並に巨大な生物と仮面ライダーのバトルという図式。
土蜘蛛?~などという古典的な妖怪。
正体不明の二人組「童子」と「姫」が育て操りながら人間社会に仇なすのです。
(餌は人間の肉など)
この「童子」と「姫」は、毎回~同じ俳優と女優が演じて…様々なバリエーションをこなします。
特徴は、男性と女性の声が逆に入れ替わっているということ。
三輪明宏さん~風の喋り方をしています。
とにかく、不思議?なお二人。
童子は俳優の「村田充さん」、姫は女優の「芦名星さん」が怪演しています。
元ファッションモデルの芦名星さんは、最近もCFやテレビドラマなどで活躍めざましいようですが。
どうですか?昔の妖怪絵図みたいな怪物として、森のなかや沼…海や闇から誕生したのち成長しながら特殊な能力をふるう「魔化魍」は、妖怪イメージに対して自然への畏怖の念を再現できたでしょうか?。
スタッフにも、現代の子供達が善き少年として、自然離れを改めてほしいという願いがあったかもしれません。
野山で遊ぶ~元気な子供の復活!。
元気な中年は?(オジサン)バイク復活。
後半で「響鬼」さんは、ようやくオートバイに復帰?することになるのですが。
仮面ライダー?イコール?オフロードバイクという期待を抱いた人々は見事に裏切られます。
なんとアメリカ・ホンダでゴールドウイングと姉妹車の近未来アメリカン。
「ワルキューレ・ルーン」に搭乗して都内を疾走!。
圧巻です。1800ccの6気筒OHC。
(120PS、燃料系PGM-FI採用)
価格365万4000円(豪華)。
大迫力のカスタム・クルーザー(廃版)
大柄なアメリカンだから、スーツアクターが乗ると意外に?しっくりくる。
ノーマルのままで既に「凱火」デザイン!
そのまま…等身大で只者ではない!。
石ノ森章太郎先生の遺産…仮面ライダー。
実は硬派?のファンのように昔からの詳しく知りません。
気に入った作品を楽しむだけの私。
時代の中で、変容を繰り返しながら模索する特撮制作サイドの苦労も垣間見えて…。
「ぼくたちには、ヒーローがいる」
世界の情勢は乱れ、政治から人道に混迷の
渦中で喘ぐ人々。
何を信じ、心強く生きれるか?…
シンプルな問いかけは普遍のテーマ。
子供のマンガ?どころか、新聞の4コマ漫画を見たって~何も感じられない人が増えてます。
なにより新聞を広げて読めない漢字がある人も?悲しい(笑)じゃないですか。
パパ~しっかりしてください。
私達は子供や弱者に見栄をはるために大人になる訳じゃない。
現代人は、情報を自ら咀嚼せず~点滴しているような人ばかり。
生物として弱体化しています。
ヒーロー物というカタチでもなんでもいい
感性を磨き、あらゆることをより善く吸収できる頭脳が大切。
日曜日に…美術館に出かけるのも楽しい。
足腰より~感性(脳)が鈍れば終わり。
消化器管も食べたものから適正な栄養を摂取できなくなれば終わり。
老化…しているということです。
諦め…嘆き…思考を停止させないで。
自分の目で見つめて、考える…想うことの大切さ。
代謝から反射神経の衰えまで~まるで違うものなんですよ、
貴女がシナリオを書き、貴方がデザインしたヒーロー。
それが貴女という唯ひとつの人生。
日常に流されるどころか~溺れてませんか
「鍛えてます!」彼の台詞は前向き姿勢。
そのエッセンスから何か得ている日々の暮らし…
ビジネスから~恋まで、あらゆる成功者の一致した見解。
あらゆるものから楽しく学べるってことかな。
シュッ!!(ではまた~)