写真は空中給油する  F-15イーグル戦闘機


ケイのブログ-DSC_0320.JPG


   


 ソビエト連邦パイロットの撃墜王 


   「リディア・リトヴァク」さんのお話し。





その前に

空の脅威から日本を守る航空自衛隊、その規模から見てみましょう。

人数 約4万7000人 。 戦闘機 約260機、 偵察機 約10機、 輸送機 約50機


空中給油・輸送機 約4機 、早期警戒管制機等 約20機 、地対空誘導弾 6群


(H23年度予算案完成見込・防衛白書より)


当然ながら、主要装備として航空機がメインとなるわけですが


その航空機を操るパイロットになるには?どうしたらいいか。


(1)「航空学生として入隊します」


(2)「防衛大学を卒業して入隊します」


(3)「一般大学を卒業して一般幹部候補生として入隊します」



昔から、戦闘機パイロットへの道は険しい。




さて、「リーリャ・リトバク」さん…という女性パイロットを御存知でしょうか。




彼女はモスクワ生まれのロシア人でした。

マルクス~レーニン主義のコムソモール団員(青年団員みたいなものです)。

20世紀の~1935年ソビエトの航空クラブに入会し、有名なヘルソン飛行教官航空学校を卒業しました。

それだけでもビックリですが。

カリーニン航空クラブに勤めながら経験を積んでいます。

それから~1942年の始め頃には、当時の女性が搭乗する戦闘機航空連隊が新たに編成されました。

なんと飛行時間100時間を記録していたリディアさんは、第586戦闘機航空連隊へと配属されたのです。

彼女が、初めて実戦に参加した飛行は194時2年6月、サラトフ地域の上空でした。

同年の8月には、最初の撃墜スコアを上げたてから。




9月の始めになると、第437戦闘機航空連隊に配属されて、「スターリングラード攻防戦」の防空任務にも参加しました。

愛機のコクピット両サイドには鮮やかに…愛称の「リーリャ」(白百合)に因んだ白百合を描き込んでいました。


まだ、有視界戦闘の時代、多くの敵からは、百合は「白薔薇」と誤認報告されておりました。

ドイツ軍のパイロットからは敬意を込めて「スターリングラードの白薔薇」と呼ばれ怖れられたと…伝わっています。



1942年9月13日のこと、ドイツ空軍が誇るメッサーシュミットBF-109戦闘機、ユンカースJU-88爆撃機の2機を撃墜してみせる活躍!。


単独飛行では初の戦果となり、そうして撃墜スコアを重ねていったのです。



リーリャさんの才能は高く評価され、ソビエト連邦の英雄シェスタコフさんが指揮している第9親衛戦闘機連隊に異動させられました!!。


1943年2月には、中尉に昇進した上に、名誉ある赤旗勲章が授与されました。

彼女は名実共に、撃墜王の片鱗を発揮していったのです。


1943年5月21日…


同じ連隊に配属されていた、彼女の夫でもありパイロットのアレクセイ・ソロマチン親衛隊大尉(ソビエト連邦の英雄)の戦死報告が…。

若いリディアさんは…戦争未亡人となってしまいました…。




悲しい事件の最中、戦争は激化していきます。



彼女が死地へと赴いた…運命的な出撃である1943年8月1日。

この長く壮絶な空中戦では、8機もの敵BF109戦闘機に包囲されながら


苛烈な集中攻撃をかわし続けました。


リーリャさんは、2機の敵機を撃墜しながらも、自らも被弾して墜落…。


以後~行方不明となりました…。



これまでに記録されている、総出撃は168 ソーティーとなり。

(ソーティーとは出撃回数?)


空中戦89回、撃墜11機、協同撃墜3機を記録しています。




戦後…1979年に、ドミトリェフカ村の付近で、彼女の乗機とみられる航空機の残骸が発見されました。

そして傍に埋葬されていた彼女の遺体が発見されました。


長く孤独な時を越えて、戦死が確認されました。



1990年5月5日

旧ソビエト連邦のゴルバチョフ大統領により、彼女の功績を讃えて国葬が行われました。

ソビエト連邦の英雄として表彰され、長く語り継がれていきます。


そのソビエト連邦も1991年12月25日に崩壊してしまいました。




彼女の搭乗機は…

ソビエト製の「ヤコブレフ」

YaK-1(黄色の44号機)

YaK-1B(白色の23号機)




ソ連邦の航空機設計者アレクサンドル・セルゲーエヴィチ・ヤコブレフさんの


秀作だったようですが。


ドイツ空軍機に対しては性能差で劣勢に立たされ、ソビエトのパイロットは


圧倒的に不利な状況で、操縦技術を駆使しながら~数々の戦果をあげて


いったそうです(私も性能差で不満は言うまい)。





「リーリャ・リトバク」さん…安らかに眠ってください。