かつてWRCが…まだWCRと呼称されていた頃。
クルマに詳しくない私に「ランチア」の名を印象づけたのは…このクルマ。
総FRP製の軽量ボディ。これはイタリアの匠カロッツェリア「ベルトーネ」のデザインによるものです。
異様だと称する人もいますが、オーバーハングもトレッドも極端なまでに切り詰めたスタイルは正にマシン。
その名前どおり…「ストラトスフィア」成層圏から舞い降りた宇宙船!。
21世紀となった現在も、どの方向から眺めても革新的なスタイリング。
1971年、ベルトーネがトリノ・ショーで発表したコンセプトカーのストラトス・ゼロ?にルーツを見る。
当時、新たなラリーマシン開発を模索していたランチア社との邂逅となった。
コンパクトなボディに搭載されたエンジンは、フェラーリディノのV6。
いまでこそ最高出力190psにトルクは23㎏mのスペックは凡庸どころか小型で軽量な機体を縦横無尽に走らせる。
ラリーで勝つために誕生したストラトス。
これ以後のランチアのスタイリングは、まるで普通の大衆車?でしかない。
まさにオーパーツ?。
時代を超えたデザインに古典的な魂(エンジン)を積む生粋の競技者が華麗だ!。
凄まじいエキゾーストを残して走り去るアリタリアカラーの姿は未来の乗り物?、映画バックトゥーザフューチャーのワンシーンのようだ。
ドライバーの背後で轟音を響かせるユニットは全身の細胞に破壊的な緊張を与える。
どんなに先鋭的なデザインであっても内側に施されたギミックは周囲と変わらない。
それ故のクイックさを飼い慣らすには高度に扱いこなせる腕前がなければ話にならない…。
ホモロゲを獲得するための市販された400台に接した幸運な?オーナーは何処に。
押さえ込みで時間切れを狙う選手ではない
常に”技あり”路線のストラトス。
リトラクタブル・ヘッドランプを上げれば乱流を起こし…最高速もドロップするだろうが、ラリーフィールドが檜舞台のストラトスにはチャームポイント。
先進!まさに未来型。鋼管モノコックの武骨なフレームに被さるボディパーツは美しくもあり…違和感こそが魅力かも。
なにより戦績が物語る…サファリ…モンテカルロで2連覇…ル・マンまでも制している。
プリティ・ビーストなのだ?。
いまなお根強いファンの手でレプリカ制作から~最新デザインテイストと装備を誇る新ストラトスが出現しています。
数億円のワンオフモデル!
一目惚れをした人間も含め…ストラトス人口は増加中かもしれない。
このスタイリングでEVなんて製作したら素敵だろう。
どうして?これが70年代物なのか説明に困るではないですか~。
高級ワインのエチケット(ラベル)の様に世界のドライバーが銘柄を答えてくれる。
見事なスワーリング?で自在に疾走させてほしいものだ!。
それとも現代のチューナーの手腕でリビルドする…デキャンタージュと参りますか。
イタリア・ワインも手強いですぞ。
ラ・パッショーラ・ストラトス
(なんか…軽薄な文章だなぁ…)
偏見たっぷり言わせてもらうと~
ガルウィングのカウンタックよりも存在感は強い。
それは実質的なラリーでの栄光による。
”勝てる”現役のランナーだけが醸し出す雰囲気は、シンプルで古典的なコックピットと…ワンアームワイパー越しに広がる低い視界から彼方を臨む「君」だけのためにある。
ミッドシップ…のクルマは多い。
日本ではAW11~トヨタMR2の初代モデル。
積載性も犠牲にしていないトランクスペースにはゴルフバッグが二つも積めた。
比較してもトヨタのほうが旧く見える真面目なデザインだ?(好きですよ~)。
…FF車を逆さにしただけかも。
エンジンはテンロクの4気筒を搭載。
AE86譲りの4A-GELU型ツインカムは130ps。
のちには空冷インタークーラーのスーパーチャージャーで武装?して145psに。
この馬力は、ターボ化されたばかりのスカイライン2000GTに匹敵する。
話題の86も~MR2にも乗った経験はないのだが、昔なじみのお兄さんにTE71レビンに乗せてもらうことがあった。
…涼しくて香水の漂う助手席に座り…オーディオから流れる音響を聴きながら…ローでスタートし引っ張ると驚くほどスムーズに速く走る!、セカンドにシフトした途端の数秒でキンコン…と警告オルゴールが?
いまでは…そのスピードは決して速くないのだが、思春期の頃に鮮烈なクルマの思い出になっています。
(かけていた~松田聖子の歌のせいかも~♪)
そして現代…某漫画で、そのエンジン達は主役になっていた。なんだか?あの夏のスムーズさが甦る気分だから。
ストラトス復刻版もよいが、誰にも知られずに大好きなオーナーと終わっていくのも悪くない。
新鮮なデジャビュ?忘れられない名車ストラトス。