(^^)某日~AEONの映画館にて

「グスコーブドリの伝記」を観てきました。


(※写真はイメージということでお願いします)


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こうしたアニメ作品、描きこまれた背景が美しいですね。
宮沢賢治の生きていた時代も、三陸沖地震の被害や過酷な冷害で農業がダメージをうけたり…辛いことばかり。
それでも彼が故郷の大自然を愛していたことが伝わってきます。

本作の主人公のグスコー・ブドリ少年は、キコリの父や家族と平和な日々を暮らしています。
そんな…なんでもない罪なき日常が…ゆっくりと侵襲する気象異変により徐々に国は崩壊していきます…。
現在の我が国が置かれている状態も、先人達が幾度も勇気を奮いおこし知恵を重ねて立ち向かってきた歴史の1ページだと受けとめて諦めないで前進しなければいけないというメッセージが…森の湧き水みたいに流れています。

この作品の原作や内容へ…先入観などもたずに観るほうが…よいかもしれません。

妹のグスコー・ネリ。
猫キャラで~小屋で暮らす兄妹が可愛く描かれています(北の国からの~純と蛍みたい懐かし)ところが謎の怪人(怪猫?)コトリに拐われてしまいます。

コトリはダースベイダー並みに思いきりっのダークサイドな猫ちゃん。

異世界の…お伽噺話しにアレンジされているどころかリアルな世界の環境危機を描いている作品。

少し前にジブリの「ゲド戦記」では家庭崩壊による親殺しや社会の病巣と闇を描こうとしながら~狙いが不明瞭だからと不評になりましたが…。
(あのル・グゥィンの原作も、かなり難解で長いですから?)


賢治の体験した…暗い時代。東北の飢饉や栄養失調からくる病気を隠喩する表現なのでしょう。
作物は不作。貧しさで困窮し、人拐いが横行したり…口減らしに身売りまでしないと餓死者が出るような生き地獄を招いていたでしょう。
決して珍しくない、繁栄の陰にある日本の実情。

異質な都市や世界観も…かつては選択されたかもしれない道。大戦前の誤った国家政策で…旧満州国では沢山の移民や才能ある若者が大陸へ夢を抱いて渡り、満州の駅舎や建物デザインには国内では見たこともないような斬新で独特の意匠が見られたといいます(影像資料もありますね)。

いっぱいあるんですよね、埋もれて…失われた…見知らぬ人々の呼吸…。

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ひとり…旅をしながら苦難に負けず成長するブドリ。それは今の子供達にと…伝えたいメッセージなのかな。

彼は様々な出会いから大切な何かを学んでいきます。
ブドリは…いつしか火山局の有能な研究員に…



間違いと気づかず歪んだ近道ばかり走らせてきたオトナ世界のエゴイズムに曝されて無軌道で浪費するだけ…信じるものも目指すものもなくなった若者に…本来の素朴な人の道らしきことを描きたいのかも。

経済発展のためには、盲目に消費型で思慮の浅いイエスマン?だらけにしたら権力者には便利。

でも永久に栄華は続かない?、またしても国難に際し…無気力か逃避しかしない理念なき者達の堕落と…衰退ではないか。

クーボー博士の飛行船。
作品中にはレトロ感覚で夢のある夢幻テクノロジー?がいっぱいです。
もしかしたら異次元には、猫の星があって高度文明を築いていても不思議ではないな…と思ってしまう(ちびネコ…)。

暮らしの小道具は古き欧風、エコロジーを絵にかいたようなイーハトーブの都市文明は、風を上手く使ってますね。
研究施設の雰囲気は大正時代テイストかな

サンムトリ火山の観測所は、街中を走っていた市電の車輌を利用したものと…設定されています。渋谷駅のハチ公前に飾られた電車っぽい?。

ジブリアニメも風の描きかたが素敵だ!。
宮崎駿のメカ趣味も絶品だし。
ナウシカのメーヴェやラピュタなどにも温かみのあるジブ・メカの活躍シーンが最高です!。
あの白いメーヴェを実現化すべく頑張ってる御仁?がいましたがどうなされたやら。


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グスコー・ブドリの伝記…お話しでは再び来襲する凍える時代からイーハトーブ世界の人々を救済すべく…火山を大噴火させて炭酸ガスで温室効果を招こうと思索していく彼(ブドリ)なんですが。

実際は火山噴火による炭酸ガスよりも~亜硫酸ガスなどが大気の水分と結びついてケミストリー?硫酸になり~そうした水滴は長く漂いながらサングラスのように太陽光線を遮るそうです。
つまり…温度低下しちゃうらしいんです。
(て…ことは、地球に火山噴火が頻発すると気候の温暖化は防げるカッコウ~になります。そう簡単にはいかない)

だけど宮沢賢治の知識は素晴らしい。
発想が柔軟ですから、当時の日本人離れしてますよね。 

それに他の作品でもナショナルトラスト運動の先駆けみたいなことなども書いてます(虔十と杉の木)。


作品では家族や妹との悲しい離別、故郷を失った人の痛み…宮沢賢治の孤独感を主人公にトレースしたくなります。

それでも誰かを守るために…自分は犠牲になってもいいからと願うグスコー・ブドリ少年。

決して投げやりではない。
「ひたむき」…そんな言葉を私が死語にさせやしない!。

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物語で、この奇蹟のような火山現象を引き起こしたのは~、かつて妹を拐い~連れ去り、超常のチカラを発揮するコトリがブドリの願いを叶えたから。

コトリは結局~何者なんでしょうね、まさにトリックスターの猫神様かい?。
(佐々木蔵之助が声優してます)

なんだか神々しいネコ、原作には…いないタイプだゾ?。

弱い人間が、何かを成し遂げるとき…命を懸けなければならないこともある。



こうして…ブドリの想いは昇華しました。



私欲に踊らされない…ブドリの純粋な「無私の心」は立派です。
人を敬い愛する心、誰にも真似できない美しい人間の心。

世界は…子供達は救われ、いつかのブドリ兄妹のように幸せな日常が戻りました。



エンディング曲~小田和正  「生まれくる子供達のために」



完(劇終)



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人力飛行機の時代が到来かも…

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これが自然だ・・・

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この作品のために構築?されたブドリ語がありました。
アニメなどでは~しばしば魔法や科学の境界を越えた奇妙な表現がありますが…これはなんだか楔文字みたいですよ。


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ちなみに映画館は~ほぼ貸し切り状態 (ToT)
…なんだか贅沢した気分。


映画から何かを学ぶものであるなら。
この作品も…ジブリの一連の作品も共通して少年少女が…いかなる人間としての精神が大切かを~ほんとに素朴さや別世界の苦難の中で描いている。

価値観が氾濫し錯綜した人間達が省みる心の補完。
「いま何を尊し、何を愛してきたか」…そんなメッセージを強烈に感じます。

ただし…作品としては、核心に触れずじまいに見えて。子供向けにもう少し煮詰めかたが不足かもしれません。
(賢治ワールド?詰め込みすぎかな)

見終わると…手が肉球になってました?
( ̄ー ̄)チャ


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おや~帰りの~お食事は?

涼やか…冷やかけ天おろしうどん(ソイソヨ~韓)。

さぁ~いい映画だったぁ~明日もカンバロー。

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※ちなみに~ブドリだとかジブリとか文字がややこしく化けりましたが~。
この作品とスタジオ・ジブリ様には~なんの因果関係もありません( ̄∇ ̄*)



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今度は一緒に食べようね!