安政二年(1855)10月の夜発生した江戸湾直下を震源としたマグニチュード7級(震度6)の安政江戸地震は甚大な被害をもたらしたと記録されています。
震度6くらいなら~と思うかもしれませんが、現代の日本とは違って脆い紙と木の家屋が立ち並ぶ江戸の町。
発展途上国の地震被害が大きいように、簡単に倒壊して負傷者や死者も出たでしょう。
当時、江戸界隈では震災図やナマズを図柄にして絵師がユーモアたっぷりに画いた印刷物などが大量に出回っており世評には、地震とくれば鯰”の図式も定着したようです。
ナマズ?の鈍調な身体つき、楕円形の物体が示すものは何だと思いますか。
不気味なうねりは見えない…地殻の最深部から遥か地下に広がるマントル層に存在している「プルーム」なのです。
近年プルームテクトニクスとしても注目されている構造です。
(プレートテクトニクスとも微妙に違いますが)
プルームとはフランス語の(羽毛のように舞う意味)「煙」を意味しています?。
そのニュアンス…実際は軽やかな物質どころか、高い比重と滾る高温でマントル層の中に存在しています。
半径約6,500kmの地球では、深さ数10km~約2,900kmまでの範囲を占めているマントル対流なんですが、その中にプルームが存在しています。
大別すると、深層へと下降していくコールドプルームと、上昇していくホットプルームが存在しています。プルームの上昇と下降の運動?は、通常時は深さ670km付近で停滞するそうですが、最深部の
位置は外部マントルと内部マントルの境界面を~静かにゆっくりと泳ぐナマズの様です。
マントル層を構成している鉱物がこの位置の温度と圧力を境に相対的な変化をしているため、この上層と下層ではマントル対流の密度や固さも変動が大きいと想定されます。
周辺マントルより低温でマントルの中心部へ向かって下降していくプルームは地底に棲む気まぐれな大ナマズ?。
ウェーゲナーの大陸移動説で重要なプレートテクトニクスをさらに推し進めた、地震に大きく影響するプルームに関する研究は盛んです。
日本が誇る掘削船ちきゅう~は船の全長は210㍍、中央に立つ櫓は130㍍を越えます。
海面下4000㍍の岩盤に安定させる機器を敷設して、さらに7000㍍以上の深度まで掘削し~マントル層近くにまで肉迫します。
地球サイズから比較したら薄皮のように広がる地殻も…人間には硬くて厚い大地ですから。
ついに人類はまだ見ぬマントル層
に近づいています!。
いつかはマントルを直接に観測する可能性も出てきました。
自然が抱く悠久の時間の流れを遡れば、もしかすると既に古代の巫女や術者の中には鋭敏な感性により~遥かな地殻の深層で熱く滾るマントルやプルームの形状を察知していたのかもしれません。
人間の脳が持つ可能性も不思議なチカラを持ってます。
感覚的な領域では既に捉えていたかもしれません。
アフリカのドゴン族が、文明に頼らず~遠い銀河宇宙の天体に関する知識を備えていたとかいうのと同様に。
諸説は様々ですが、まさに地底の闇に蠢く大ナマズと表現してしまう豊かなセンス?に感心させられます。
世紀を越えてきた日本国に『神無月』?時代の到来でしょうか。
人類の傲慢さが自然を破壊、世相は退廃し人心は乱れ続ける。頻発する地震災害に対して畏怖する古代人の心理なら、鳴動する現象を間違いなく~気まぐれナマズの怪異と嘆きかねません。
巷の世人は「要石」である鹿島大明神のお留守と結び付け~明快な江戸のバーレスクを演じます。
いまや最新の科学理論から地球物理学に始まり、宇宙から高精度な衛星GPSにより地殻のズレまで観測できる環境があります。
大陸棚や地層の追跡から掘削船による地球深部へのボーリングにま
で、巨費を投じた地震予知ではありますが、実は将来の経済損失を回避するための切り札でもあります。
数式で演算し理論値で手探りをする人類は、科学さえも凌駕する得体の知れぬ”大ナマズ”に翻弄されています。
いまだ手の届かぬ世界に潜んでいる数々の謎も、人体そして脳に影響してくる地中からの電磁波による生体の変調を伝えているかもしれません。
地震にともなう断層の岩盤…亀裂などを発生源とする自然界の有害電磁波の異常が、しばしば人体や脳を侵害して意識に与えて~魅せる?幻視や不安心理などの変調。
それは千年も昔の平安京で、百鬼夜行と呼ばれたり~不可視の未知現象を体験させていた原因だと考えています。
時には脳内物質の異状な分泌から人の魂(精神)も病ませる難敵の正体…電磁波。
現代も文明の発生させた増大して乱れた電磁波の奔流は社会に蔓延しながら?新種の怪異を体験させています。
電磁波は乳癌の原因から、携帯電話で強迫神経症に追い込まれる生活者まで出すくらいの病的な多様ぶりにも注意が必要です。
高架線の下にある住宅に住まれる女性は乳癌リスクが高い傾向があります(乳癌の抗がん剤はハーセプチンなど?)。
誰かは僅かな心の揺れ?も見逃さない、かつての先駆者達も洗練されたナチュラルな感覚で”機械なしで気付いたのでしょうから。
地球の深層で発生する様々な事象は地表から空にまで微細な影響を常に与えています。
地震雲は、大気中に浮遊する水分のクラスターに岩盤の動きや亀裂で生じて放射された電磁波が上空の雲に浴びせられて特有の奇怪な雲の形を生み出す。
マントルの海に、プルームという巨大なナマズ?が棲んでいる?というイメージの基本形なら、日本という狭い領域に限らず、月引力の潮汐力まで受けている軟らかな毬ボールのような地球。
地上で日々暮らしてい?と、高速で自転する地球のことも忘れ、マントルに浮かぶ~小っぽけな笹舟みたいに儚い薄皮の世界を探り捉えられる闊達な地殻変動モデル?
私みたいな~科学オンチの朴念仁
ではなく、本質を見抜く神秘のセンスに恵まれた人間には地球物理学なんていらないのでしょうね。
ラボラトリーは心の中。
豊かなインナースペースには歴史上の賢者を招き、とても愉快なアカデミーを開講できます。
1923年の南関東エリアを襲った大震災の惨状。
もうすぐ一世紀が経過します。
文明で弛緩してしまった感覚を研ぎ澄まして…周囲の異変に気づいてください。
地球の生きるバイタル…伝わる鼓動を察知しましょう。