実は事務の女子に誘われ、バレエ体験に行ってから約1年になる。
初めてのバレエはとても難しかった。
が、それ以上に面白そうだったので、そのままレッスンを受けることにした。
実は昔、バレエを習いたいと思っていた時期がある。
というのも高校のとき、極真という流派の空手を習っていて、総帥の大山倍達氏が「バレエダンサーは格段に蹴りが上手い」と言っていたからだ。
バレエダンサーのような蹴り!
…というイメージは、ヌンチャクを振り回していた高校生のオレ君には魅力的に映った。
そう、バレエを空手と平行して学べば、ブルースリーになれるのだ!
あちょー!
…のような過去もあったためか、バレエのレッスンを受けてみることに。
しかし、幾つか懸念もあった。
そう、あれだ…
「あのー、バレエといえば、もっこりタイツのイメージがあるんですけど…やっぱり、タイツでするんですか?」
勇気を出して、バレエの先生に聞いてみた。
「あー、普段は、運動しやすい服装で大丈夫ですよ」
と、笑われた。
「なるほど。それから、男性は何人いますか?」
「高校2年のうちの息子が一人です」
つまりクラスは、女子の中で男は私を入れて2人。1人は講師の息子17歳。子供の頃から習っている。既に周囲の女子とはコミュニケーションが取れている。
なので、オレ的には、ほぼ男アウェー;^_^A
この環境で、負けずに生き抜くことは、普段エラそうにコミュニケーションを教えている私の腕の見せどころでもあるし、また新たなコミュニケーション技法の実験と確認ができる場でもあるわけ。
この女性軍団の中で確認したコミュニケーションの視点は今後書くとして。
じ、実は…次の22日にタイツを履くことになってしまったのです。
つまり、バレエの発表会。
今日、数人と自主練習をしたのだが、仲間からのダメ出しはソコソコあった。
さあ、本番まで後少し。
しかし性格上、本番でもあまりあがらないので、大丈夫とは思うが、たまに間違える。
私より、皆がヒヤヒヤしているようだ。
「ま、なんとかなるやろ♪」
と私がいうと、
「それでは困るんですよ~」
と、笑顔でやんわり言われる。
間違えても、後の打ち上げでネタになる。
アマチュアだから、楽しいのが一番!という発想で、イイと思っている。
ただし、皆が一所懸命に教えてくれるから、それには答えようと思う。
しかし昔と違い、出来なくても自分を責めなくなったし、そんな自分を恥ずかしいと思わなくなった。
かと言って、ふてくされてサボるわけでなく、真面目に取り組んでいる。
先輩たちが、私の下手さを見兼ねて教えてくれるのだが、教えることで、教える側が上手くもなるメリットもある。
また、指導にこちらが真剣に応えようと努力し、さらに感謝をすると、教え手の尊厳欲求も満たされる。
これこそ、初心者がいることで、周囲に良い影響を与えるモデルなのだ。
…と都合良く解釈できるようになった。
案外、幸せとはそう言う発想ができる心理を指すのかもしれない。