　日高山脈襟裳国定公園の国立公園化に伴う新しい名称に「十勝」を入れるという方針が決まった件について、北海道新聞が中央環境審議会（中環審）自然環境部会の様子を続報していた。

　記事を見て思ったのは、名称に「十勝」を入れることについては環境省の意向がかなり強いな、ということ。部会の進行では、環境省側は「事務方の思い」と断りながら、委員でもないのに「十勝」を加える意見を述べたり、部会長が、事務局案で取りまとめようとした。

　自然環境部会長が理事長を務める公益財団法人「地球環境戦略研究機関」の2022年度財務諸表をみると、環境省からは当該年度２千万円の拠出金を受け入れており、期末残高でも28,682,932円が計上されている。これでは、部会長の立場は利益相反では？義務を公正に果たすのは難しくなるのではないか？“傀儡”ともみられてしまう。

　したがって、委員の一人が反発し、名称に「十勝」を入れるよう希望する側をオブザーバーとして出席させながら、「十勝」を入れないよう求める自然保護団体が同部会の場にいないことに「フェアではない」などと指摘したのは、至極真っ当だろう。

　さらに言えば、パブコメを募集して結果を公表し、「十勝」を入れるよう希望する意見がなかったことが明らかになってから出された、いわば後出しジャンケンのような日高・十勝両管内13市町村の首長からの要望書を、環境省が「重く受け止めざるを得ない」と推すのでは、パブコメの手続きをも形骸化させてしまっている。

　そう考えると、両管内13市町村の首長からの“後出し”要望書自体が、地元の協力を得て今後の実務を進めたい環境省側から働きかけられたものではなかったか？ならば、日高側の議会が「首長から説明不足」というのも合点がいく‥そんな邪推すらしてしまう。マスコミの常套句では、「疑惑が深まった」だろかw

　結局部会では、出席した委員全員の意見を聞くことになり、新名称は了承されたものの、複数の委員から「十勝」を入れることへの意義や説明が不足していると指摘され、次回までに説明を行うということで決着したようだ。

　次回もう一度、多数決してみないかのう？自然環境部会委員名簿には部会長ほか26名の委員、臨時委員がいる。記事をみると今回は合計18人だから、８or９名の委員が欠席していたことになる。前回、前々回の部会は24名の委員が出席しているから、次回出席状況によっては多数決の結果が変わる可能性だってある。

　部会の検討状況は、道新もかなり関心を持ってみている。詳報を期待するとともに、フェアというか、公正を期した部会運営により決着してほしいもんじゃのう。

ありゃ、まあ！「日高山脈襟裳十勝国立公園」‥シナリオで省かれていた“十勝入れないで”要望 | 玄冬シニアの心象日記 (ameblo.jp)

国立公園名称を巡る議論 フェアにやってね

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