北海道陸上競技協会(道陸協)が2022年度末までの決算で預貯金1,500万円を水増し記載していたのは、結局は会計担当職員による横領だったらしい。問題が発覚してからこれまでずいぶんと時間がかかったわりには、そんな単純なハナシだったの⁉というカンジがする。

      

   

 

 複数ある口座のうち、道内の地方陸協などから振り込まれる口座が監査対象から外れていて、専務理事が「監査対象外の口座ができた経緯は分からない。監査が甘かったというしかない」と話したとあるが、正直すぎて笑ってしまった。ちゃんと仕事していないことを白状してしまっている。

 

 日を追ってみていくと、しっくりこないことがある。

 

 道陸協は5/18理事会で、横領があったと明らかにし、会計を担当していた職員職員は1月末に解雇、元職員と返済計画について示談が済んでおり、刑事告訴はしない方針との記事だ。すでに1月時点で、大問題の全体像が分かっていたのに、理事会報告がずいぶんと遅い。

 

 その間、道陸協の前会長が2/27付で引責辞任していたことは、4/3になって道新が伝えた。しかし、法人運営に責任がある理事職としては留まっている。そして道陸協は3/11と5/9に「令和 6 年度登録料(道陸協分)値上げのお願い」をHPに掲載しているが、横領の事実には触れていない(触れられるはずもないが)。

info240311.pdf (hokkaido-rikkyo.jp)  info240509.pdf (hokkaido-rikkyo.jp)

 

 横領が明らかになる前の報道では、理事会は運営資金を確保するための財政再建策を協議し、大会参加料の値上げなど増収と経費削減に取り組むと報じられていた。だが、横領が発覚したなら、解雇した元職員に弁済させるわけだし、そうなれば参加料の値上げは理不尽で無責任な気がする。「返済計画について示談」とは、未返済ということだろうか?いつ完済するんだろうか?その意味で「返済計画について示談」の中身が気になる。

 

 そもそも、これだけの不祥事を起こしたのに、道陸協はマトモな運営に改めていくつもりがあるのだろうか?引責辞任とはいえ前会長は理事に留まっているし、他の理事の責任が問われたのかどうかは分からない。HPの「報告と謝罪について」は12月のままだ。

 

 役員一覧(3/2現在)には監事2名がいるが、監査できるのかね?いずれも道内地方陸協の会長と同名だから、失礼ながら、法人会計監査の識見があるのかえらく疑わしい。“幹事”と混同してたりはしないだろうか?

 

 法人法には確か、任務を怠った理事、監事らは、それによって生じた損害を賠償する責任を負うという「役員等の損害賠償責任」が規定されているはずだ。問題が表面化した当初、地方陸協の役員が「道陸協の全役員で精算し、辞めるべきだ」と突き放したのは真っ当な意見で、法の規定にもかなっている。

 

 こうなったら、道陸協がほとんど運営責任を適切に果たしていないことについて、登録料値上げの被害を被る審判・競技者、競技者の保護者は、みんなで大きく声を上げたらいいのではないか?そんなふうにならないと、報道もあっさりしていて、どうにも事態の展開がしっくりこないのである。

 

どの程度関心を持つべきだろか? 道陸協のずさんな会計管理 | 玄冬シニアの心象日記 (ameblo.jp)