子どもの頃は、「菜の花」といえば唱歌に登場するのみで身近にはなかった気がする。それがいつからか北海道は一大産地で、23年度の全国市町村の菜の花(ナタネ)の作付面積は全国上位を独占という、ちょっと誇らしげな見出しがあった。

 

 

 今時分から6月にかけては、滝川市の江部乙(えべおつ)付近で黄色一色の菜の花畑がたくさん見られる。帰省のため旭川ー札幌をクルマで往復していた際は、その菜の花畑を横目に、国道12号線から江部乙で西に折れて国道275号線へ向かうルートを利用していた。市の「菜の花まつり」会場とは反対側になるが、結構な広さで作付けされているから、晴れの日の空の青とのコントラストは十分にキレイだった。

 

 

 このシニア、料理ができないせいか、菜の花(ナタネ)と聞いても食用油という連想にならない。30年前の「ロレンツォのオイル」という米国映画を思い出してしまう。不治の病に冒された息子を救うため、医学的な知識が全くない両親が自分たちで治療法を見つけようと図書館に通いつめ、奮闘するという実話をもとにした物語だ。

 

 オリーブ油から検出される成分に症状を改善する可能性を見出すが、一時的な効果でしかなく、それでも両親はあきらめず作用の解明に取り組んだ結果、ナタネ油の一成分にたどり着き、息子ロレンツォの症状はやや回復して医学の進歩、新たな知見を待ち続けるというふうに映画は終わる。

 

 自分の子が不治の病と診断されたら、それも自分の遺伝子が原因だと言われたら、自分はどうできるだろうか?そんなことを思わされるなかなか重たい内容だ。

 

 一面黄色の畑といえば、滝川市に近い北竜町では7月から8月にかけての約1か月間「ひまわりまつり」が行われて、約23haの畑が黄色いひまわり一色になるが、こちらも「ひまわり」という戦争と悲しみの映画、そして今のウクライナを連想してしまう。

 

 どうもこのシニア、一面黄色の畑には、明るく元気なイメージを持てないタチらしい‥歳のせいなのか。せっかくの明るい景色なんかは、シンプルに楽しまんといかんのう‥とたまに反省してみたりする。