芦野小の校心は勝海舟「志在千里」 | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 










【都道府県 伝統の教え】栃木県





栃木県那須町の町立芦野小学校の校心(校訓)は幕末に活躍した勝海舟の書「志在千里(しざいせんり)」(志千里に在り)である。「大きな夢、大きな希望、大きな理想をもって生き抜く」とする校心はさまざまな教育場面で使われ、同校の教育方針となっている。

 尋常小学校時代、明治21年12月の校舎新築の際、勝海舟揮毫(きごう)の門柱が建てられた。校舎は西洋風2階建ての当時としてモダンな建物だったという。

 那須歴史探訪館によると、「老境にさしかかっていた勝海舟と芦野小学校との関わりは定かではなく、だれかの仲介で揮毫してもらったのではないか」としている。門柱は現在も小学校の玄関内に保存され、校長室には直筆の扁額(へんがく)も飾られている。

 年に1度の創立記念日に歴史探訪館の館長が同校を訪れ、全校児童を前に「志在千里」の意味や芦野の歴史について伝え、また勝海舟の顔写真を紙に貼ったお面や模造紙で作った刀を用意して、楽しく地域の歴史を教えているという。

 地域との連携、郷土の歴史・文化の学習など、教育活動の中心には常に124年前の校心「志在千里」がある。