【都道府県 伝統の教え】広島県
広島・江田島にある海上自衛隊幹部候補生学校と海上自衛隊第1術科学校は旧海軍兵学校の流れをくみ、現在も伝統の「五省」を実施している。
五省は「至誠(しせい)に悖(もと)るなかりしか」(真心に反することはなかったか)▽「言行に恥づるなかりしか」(言葉と行いに恥ずかしいところはなかったか)▽「気力に欠くるなかりしか(気力が欠けてはいなかったか)▽「努力に憾(うら)みなかりしか」(努力不足ではなかったか)▽「不精(ぶしょう)に亘(わた)るなかりしか」(不精になってはいなかったか)の5項目からなり、昭和7年、当時の海軍兵学校校長の松下元・少将が考案した。
兵学校では毎晩、ラッパの合図で自習をやめ、当番の生徒が五省を問いかけ、各自が一日の行動を自省自戒した。
現在でも、江田島で学んでいる2校の生徒は兵学校時代と同様に、毎晩自習終了時刻の5分前になると、五省を唱和し、よき伝統として受け継いでいる。
ほかにも、兵学校伝統の機敏(スマート)、着実(ステディ)、機敏着実に行動するための命令者以外は静粛(サイレント)の「3S精神」も実践教育を通じて、体得させている。