ロンドン五輪では連日、世界各国のアスリートたちが熱い戦いを繰り広げている。私も、柔道や競泳、体操など、日本選手らの活躍に興奮しながら、声援を送っている。中でも、アーチェリー女子団体戦で、日本チーム(早川漣、蟹江美貴、川中香緒里の3選手)が銅メダルを獲得したことは、同競技の団体では男女を通じ初、女子アーチェリーでも初のメダルであり、歴史的快挙といえる。心から祝福したい。
実は、私は大学時代の4年間、アーチェリー部に所属して汗を流した。7年前からは、全日本アーチェリー連盟の会長を務めさせていただいている。こうした経験から言うと、3選手の技術はまさに神業に近かった。
大学の団体戦では、30メートルと50メートルの合計で競われる。個人戦でも、全国レベルの大会で予選を通過した選手のみが30メートルと50メートルに加えて、70メートルと90メートルで競技を行う。五輪で競われた70メートルで、彼女らが射抜いた10点の的は、私からすると小さな点にしか見えない。
先月20日の五輪壮行会で、私は「日の丸を背負い、日本を代表することを誇りに練習の成果を発揮してもらいたい」とあいさつした。彼女たちは「調子はいいです。頑張ります」と自然な笑顔で答えてくれた。プレッシャーのかかる3位決定戦でも、彼女たちは笑顔で競技をしていた。あの自然体が、素晴らしい成果を出せた理由なのかもしれない。
さて、先月29日投開票の山口県知事選は、自民、公明両党が推薦した山本繁太郎氏が、「脱原発」を掲げる相手候補を破って、初当選を果たした。投票日直前に、米軍岩国基地(山口県岩国市)に、米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが搬入された。山本氏も「安全が確認されるまで搬入反対」という立場だったが、反対派の多くが相手候補を支持しており危惧していた。しかし、岩国市内で山本氏の得票が抜き出ていた。
相手候補には、ミュージシャンの坂本龍一氏ら「反原発」「脱原発」の有名人らが、推薦人としてズラリと並んでいた。これも心配されたが、わが山口県民は「県知事をシングルイシュー(単独の課題)で判断すべきではない」「惑わされず、冷静に投票しよう」と、良識・常識を示してくれた。心から感謝したいと思う。
(自民党衆院議員)