島根・出雲大社で旧正月祝う福神祭。
旧暦に合わせて新年を祝う「福神祭」が旧正月の23日、島根県出雲市の出雲大社で営まれた。午前1時からの神楽殿での神事には、真夜中にもかかわらず、県外からも含めた約600人が詰めかけ、今年1年間の無病息災や家内安全などを祈った。
午前1時の「子(ね)の刻」に始まることから「子の刻神事」と呼ばれる。神職たちが大太鼓を合図に入場し、千家●(=隆の生の上に一)比古総監が祝詞(のりと)を読み上げ、大御幣でおはらい。巫女(みこ)が鈴を鳴らしながら優雅に舞った。
千家総監は参拝者らに、「東日本大震災で多くの人が亡くなり、苦難を強いられている人たちも多い。被災地の復旧復興を祈ろう」と呼びかけた。また、国宝の本殿の修造が2月には終わることを説明した。
神楽殿に張られたしめ縄から下がる「神垂(しで)」は、持ち帰ると御利益があるとされ、神事の後は参拝者らが争奪戦を展開。福引などもあり、明け方までにぎわった。
出雲大社の福神祭でご利益を願って神垂を奪い合う参拝者ら=島根県出雲市