郷土学習の先進地 「ふるさと」多面的に。 | 皇国ノ興廃此一戦二在リ各員一層奮励努力セヨ 








【都道府県 伝統の教え】山梨県




山梨県では県内の小学校3年生以上を対象に副読本「ふるさと山梨」が配布され、郷土の偉人を含めた郷土学習が多面的に繰り広げられる。

 豊かな自然を題材に県内百名山の高さを全て調べたり、県を代表する伝統工芸品「水晶貴石細工」の魅力を探る授業のほか伝統産業から方言、甲州の味に至るまでさまざまな角度で「ふるさと」が掘り下げられる。

 歴史上の偉人で取り上げられるのは武田信玄のほか、江戸時代に河口湖から新倉村(現富士吉田市)への灌漑(かんがい)用水「新倉掘抜」を引くために貢献した永島安竜・元長の親子の苦労や徳川家康から富士川の開削を命じられた角倉了以の功績などだが、社会科だけでなく道徳の時間用に「道徳教育用郷土史料」が教師用に配られ、小学校で15人、中学でも13人の郷土の偉人が取り上げられる。

 このなかには戦後、戦禍で疲弊した日本社会の再建のために高冷地野菜の生産に尽力したポール・ラッシュ博士の偉業や高貴な精神なども子供たちに語りつがれている。

 県内のふるさと学習や郷土学習の授業などのなかですぐれた取り組みを記録し、顕彰する山梨郷土学習コンクールなども行われており、同県は郷土学習の先進地となっている。