午前零時 鈴木 光司 (単行本 - 2007/6)
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内容情報】(「BOOK」データベースより)

今夜、運命は変わる、変えられる。豪華執筆陣が、イタズラな世界の24時×13夜を描いた掌編小説集。


【抜粋メモ】

(インドでの願い、ねえ…)

静かな思索の時と心地よい孤独を求めてインドに来たものの、どうもこの国は性に合わない。人が多過ぎる上に、見聞きすることが負担で仕方がない。和史はささやかな願を掛けてみることにした。
(ええとじゃあ、就職とかもう全部なかったことになりますように。そしてインドで一人静かな時間を持てますように。あと…みんなの願いもかないますように)
これくらいならこのご神体にも大して負担にならないだろう。そう考えつつ紐を結ぶ。もしかしたら将来の不安が減るかもしれないし、明日にでも心静かなお茶の時間を過ごせるかもしれない。それに何千本も巻き付けられたみんなの願いがかなうのが少しでも早くなればいい。良いことをした気分で祠から立ち去ろうとした時、
「いいのか?」
声がかかる。 [P.227]