<WOWOWサッカーゼロ通信09/09/25>
アルゼンチンが苦しんでいる。今月のW杯予選でブラジル、パラグアイに連敗し、ついにプレーオフ圏内の5位に転落した。残すは来月、ペルー、ウルグアイとの2連戦に勝利する他、道はない。
全ての元凶は、マラドーナの監督就任から始まった。元々代表監督に対して異常なほどの厳しさを持つアルゼンチン国民は、ビエルサ、ペケルマン、バシーレといった名将たちですら、強烈なバッシングと共に辞任へと誘った。全国民が〝納得する方法〟、この最後の砦がマラドーナだった。
試合を観る限り、マラドーナに「戦術」はない。彼は自らのカリスマ性と、国民からの絶対的な支持だけを背景に、代表チームを率いた。そして国民もまた、弱小ボリビアに1-6で敗れてもなおマラドーナを支持し続けた。だが、迎えたホームでのブラジル戦、天地は引っ繰り返った。
アルゼンチン国民による史上初のマラドーナ・バッシング。〝マラドーナ教〟という宗教すら存在する所謂〝神の領域〟マラドーナに対する初めての軋轢。この余波は、『メッシ不要論』や『欧州組のレベル低下論』など、在りもしない論説を生み出し、世界中のメディアを混乱させた。
まさにカオスだ。W杯優勝2回、時代と共に世界最強とも謳われたその国は、自分たちの置かれた状況を直視できず、一瞬にして地の果てに堕ちて行った。そもそもこの時点で、監督を首にしない国は他にない。そこにはまだ〝神〟への信仰心があるのだろう。言葉では責めても、心では祈請する。矛盾の心理は国中を飲み込み、モラルの低下を引き起こしている。
アルゼンチンのいないW杯なんて見たくない。メッシのいないW杯なんて考えられない。頑張れ、アルゼンチン。そしてこのカオスを乗り越えろ!
★Star File 355 マレク・ハムシク スロバキア/ナポリ/MF パワ:4 スピ:3 テク:4 パス:3 芸術:4 男前:4 一言:スロバキアの革命児、そしてバラックの後継者
