三連休の最終日に長男と「英国王のスピーチ」という映画を見に行った。
今年のアカデミー賞で4冠を獲得した映画である。
ストーリーについてはネットでいろいろ書かれているので、ここでは書かないが、映画のなかでジョージ6世とライオネル・ローグのやりとりが絶妙だった。特撮や3D映画が多いなかで、ある意味正統派の映画で、心に残る映画だった。

ライオネル・ローグを演じたジェフェリー・ラッシュは「シャイン」(1996年)でアカデミー賞の主演男優賞を獲得。

ジョージ6世を演じたコリン・ファースのつながりでいくと「イングリッシュペイシェント」(こちらも1996年)はアカデミー賞の作品賞/監督賞/助演女優賞/編集賞/撮影賞/音楽賞/衣装デザイン賞/音響賞の8冠を獲得している。こちらもすばらしい映画だった。

ついでに、「英国王のスピーチ」でエドワード8世を演じたガイ・ピアースは、「プリシラ」(1994年)でドラァグクイーンを見事に演じた。これも楽しい映画だった。

どの映画も、また見たい映画である。

まだまだ有るんだけど、書き始めたら止まらないから、今日は、ここまで。


ありがとう、クレモンティーヌ

<日本語訳>
上を向いて歩こう
長くて 寂しい夜の後に
朝が来て 希望が
あなたを照らすはずよ

上を向いて歩こう
愛しい あなたとの思い出
忘れない 
もう一度
一緒に 歩きましょう

夜空には 星がきらきら
人生が 微笑みかける

上を向いて歩こう
希望の星(生命)が生れるでしょう
信じよう 信じてる
私 そう思うから

新しく 始まるわ
信じて 頑張りましょう

夜空には 星がきらきら
一緒に生きようね 明日を

上を向いて歩こう
命が 人生を照らして
信じてる 力を
明日は やってくるわ

信じれば 明日は来る
だいじょうぶ 信じましょう

横浜に住む親友から届いたメッセージ。

「作家の村上龍が今回の地震についてニューヨークタイムスに寄稿した。
村上龍が今回の地震をどう捉えているのかが気になっていたので読んでみた。
それは今、私の小さな芯になっている。機会があれば読んでみてください。」


以下は、転載。

『危機的状況の中の希望』 村上龍

先週の金曜、港町・横浜にある我が家を出て、午後3時前、いつも行く新宿のホテルにチェックインした。普段から私はここに週3~4日滞在し執筆活動やその他の仕事をしている。
部屋に入ってすぐに地震が起きた。瓦礫の下敷きになると判断し、とっさに水とクッキー、ブランデーのボトルをつかんで頑丈な机の下にもぐりこんだ。今にして思えば、高層30階建てのビルの下敷きになったらブランデーを楽しむどころではないのだが。だが、この行動によってパニックに陥らずにすんだ。
すぐに館内放送で地震警報が流れた。「このホテルは最強度の耐震構造で建設されており、建物が損傷することはありません。ホテルを出ないでください」という放送が、何度かにわたって流された。最初は私も多少懐疑的だった。ホテル側がゲストを安心させようとしているだけではないのかと。
だが、このとき私は直感的に、この地震に対する根本的なスタンスを決めた。少なくとも今この時点では、私よりも状況に通じている人々や機関からの情報を信頼すべきだ。だからこの建物も崩壊しないと信じる、と。そして、建物は崩壊しなかった。
日本人は元来“集団”のルールを信頼し、逆境においては、速やかに協力体制を組織することに優れているといわれてきた。それがいま証明されている。勇猛果敢な復興および救助活動は休みなく続けられ、略奪も起きていない。
しかし集団の目の届かないところでは、我々は自己中心になる。まるで体制に反逆するかのように。そしてそれは実際に起こっている。米やパン、水といった必需品がスーパーの棚から消えた。ガソリンスタンドは枯渇状態だ。品薄状態へのパニックが一時的な買いだめを引き起こしている。集団への忠誠心は試練のときを迎えている。
現時点での最大の不安は福島の原発だ。情報は混乱し、相違している。スリーマイル島の事故より悪い状態だがチェルノブイリよりはましだという説もあれば、放射線ヨードを含んだ風が東京に飛んできているので屋内退避してヨウ素を含む海藻を食べれば放射能の吸収度が抑えられるという説もある。そして、アメリカの友人は西へ逃げろと忠告してきた。
東京を離れる人も多いが、残る人も多い。彼らは「仕事があるから」という。「友達もいるし、ペットもいる」、他にも「チェルノブイリのような壊滅的な状態になっても、福島は東京から170マイルも離れているから大丈夫だ」という人もいる。
私の両親は東京より西にある九州にいるが、私はそこに避難するつもりはない。家族や友人、被災した人々とここに残りたい。残って、彼らを勇気づけたい。彼らが私に勇気をくれているように。
今この時点で、私は新宿のホテルの一室で決心したスタンスを守るつもりでいる。私よりも専門知識の高いソースからの発表、特にインターネットで読んだ科学者や医者、技術者の情報を信じる。彼らの意見や分析はニュースではあまり取り上げられないが、情報は冷静かつ客観的で、正確であり、なによりも信じるに値する。
私が10年前に書いた小説には、中学生が国会でスピーチする場面がある。「この国には何でもある。本当にいろいろなものがあります。だが、希望だけがない」と。
今は逆のことが起きている。避難所では食料、水、薬品不足が深刻化している。東京も物や電力が不足している。生活そのものが脅かされており、政府や電力会社は対応が遅れている。
だが、全てを失った日本が得たものは、希望だ。大地震と津波は、私たちの仲間と資源を根こそぎ奪っていった。だが、富に心を奪われていた我々のなかに希望の種を植え付けた。だから私は信じていく。
原文www.nytimes.com/2011/03/17/opinion/17Murakami.html