映画「ニッポン国VS泉南石綿村」


この作品、休憩を挟んで前後半に分かれている。

前半は主に訴訟の原告側へカメラを向け、在りし日のアスベスト曝露の実態を時代背景と共に炙り出そうと試みる。

後半は訴訟活動の経緯を、大臣との面会を求める原告団に相対する役所側の応対と原告団を支援する市民の会代表柚岡さんの動きを中心に描く。


開演10分前位に会場到着したら、既に満席とのこと。

最前列に準備して貰った座椅子での鑑賞となった。

3時間を越える大作に、お尻はヒリヒリ。

見応え充分だった。


しかし勝訴判決とは言っても、一部の原告が補償対象から外れることになって、後味の悪さを感じずにはいられない。

原告が複数になると、そのどこかで線引きをしてくるものなのか?

だいたい、昭和33年から昭和46年までという限定に妥当性が見当たらない。

また環境被曝のことは一切考慮されていない。


補償対象から外れても、仲間の勝訴を気遣って気丈に振る舞う原告。

また勝訴判決とは別に大臣の謝罪を求める原告。

そして最後には、最高裁の結果を待たずに儚くなった数多くの原告達の肖像が並ぶ。


これから挑む省庁交渉の場面を想像するには充分な内容で、有意義だった。






上映後のトークショーでは、原監督や出演者の柚岡さんや原告佐藤さんを間近に見ることができた。

補償の金額などオフレコ的な話題も興味深かったが、スクリーンで見るより随分小ぢんまりとした印象を持った。


当たり前か。

スクリーンサイズで登場しようとしたら、

入口壊れるっつーの!てへぺろ