先月16日に大阪市でヘイトスピーチを規制する条例が制定されたが、これは表現の自由をさだめる憲法21条に反し、違憲無効だと思う。

 表現の自由は全ての民主主義国家で、特に手厚く保護されるべき権利であり、民主主義の前提となっている数ある権利のなかでも特に重要な権利である。

 夜中に拡声器で主張することを禁止するなど、表現の時や場所を制限する法律や条例ならば、まだ、合憲とする余地がある。しかし、この条例は、表現の内容に注目してする規制である。特定の内容を禁止する規制であるということは、その特定の内容と反する内容を国家権力が強制するということであり、まさに表現の自由の保障を侵害する条例であって、許されるものではない。

 『条例では、ヘイトスピーチを「特定の人種や民族の個人・団体を社会から排除し、憎悪などをあおる目的で誹謗中傷すること」と定義しているようである。特定の人種や民族を批判する言論を禁止しているとしか思えない。では、日本人を批判する言論は含まれないのだろうか。もちろんそんなことはないだろう。

 批判にたいしては、対抗言論をもって反論すべきであって、批判自体を禁止するのは全くの圧政というべきである。民主主義国家であってはならないことだ。

ところで、こんな「ヘイトスピーチ」を見つけたが、もちろん、大阪の人ならとりしまるのでは?

以下引用

日本人は日本から出て行きなさい 地球市民 50歳代 女性

私はいわゆる在日朝鮮人ですが、最近の日本の右傾化には恐怖さえ感じます。
そんなに外国人が嫌いなら日王(日本人は天皇と呼んでいるみたいですが)と日の丸と君が代をもって日本から出て行き、遠くの無人島で日本人同士で戦争し、殺しあうべきなのです。

ここは私たちの住む国です、私たちが嫌いならあなたが出て行くのが道理なのです。

私たちの住む国のことを私たちが決定できるようにしてくれる民主党が政権をとり、日本がよりいっそう過去の反省を強め北東アジアに貢献するためにも、あなたは民主党に投票しなくてはいけないのです。

 引用おわり
http://www.election.co.jp/news/2004/news0714.html より

日本人という特定の民族をもって、日本から排除し、誹謗中傷していますがねw

 
 さて、ちょっと話はそれたが、この条例は、文字通り解釈すると、「特定の人種や民族などを嫌ってはいけない、排除してはいけない」つまり、博愛主義を強制しているように見える。

 憲法上「法の下の平等」(14条)が定められており、差別は原則として禁止すべきであるのは、その通りである。

 ただし、これは「法の下の」と書いてあるように、国家権力に対して、差別を禁止する趣旨であって、国民に対するものではない。国民同志の言論に国家が介入するのは、独裁国家のすることであって、日本で許されるものではない。

 また、「差別」というのは、「合理的でない区別」をいう。例えば、在日朝鮮・韓国人という社会集団が、「在日朝鮮・韓国人」であり、そのために朝鮮総連や民団に所属しているという事実によって、利益を得ているという社会的事実があるとすれば、その事実について批判することは、合理的言論といえる。性別や国籍といった「生まれた」という事実だけでいかんともしがたいことを批判しても、それは合理的ではない。なぜなら、生まれた事実はいまさらどうしようもないからである。しかし、朝鮮総連や民団といった、排他的集団を形成し、利益を誘導するという行動は、生まれと関係なく批判によって変えられる行為だからだ。また、これらの集団が、北朝鮮など問題の多い独裁国に献金しているとすれば、その献金行為を批判することは、なんら問題ではない。献金行為は、後天的な行為であり、変えることは可能だからだ。

 さて、表現の自由の規制について、アメリカのオリバー・ウェンデル・ホームズ・ジュニア判事は、判決文において、「明白かつ現在の危険」という審査基準を提唱し、この基準は日本においても妥当するとされている。

 それはこういう基準である。

大勢の人が来て込み合っている映画館で、誰かが、大きい声で、実際には火事ではないのに、「火事だーー!」と叫んだとする。
そんな状況でそんなことを叫べば、たちまち、みんなパニックになり、みんな押し合って、誰か運の悪い人が、転んで踏みつぶされ、ケガをするか、悪くすれば死んでしまうかもしれない危険があることは、明らかである。

だから、そういった状況で「火事だー!」と叫ぶ表現は禁止される。

現在では、「爆弾だー!」と叫ぶ表現も同様だろう。

逆にいえば、そういう明白かつ現在する危険がなければ、その表現行為は許される。

さて、この条例で禁止しているのは、こういう行為だろう。

これも他のブログからの引用であるが、例示なのでご容赦ねがいたい。

「韓国系の商店が並ぶ東京・新大久保で「韓国人をたたき出せ」「殺せ」などと連呼するデモをする行為」

 大阪だと鶴見かな?

ま、とにかく、このデモにより、みんながパニックになり、死者やケガ人がでるような危険が発生するとは全く思えない。そんな危険は明白でもなければ、さしせまったもの(現在の)でもない。

「なぜ、韓国人を追い出し、殺したがっているの?」と問いかければ済むことだろう。

そうやって、「思想の自由市場」を形成し、その意見が価値がないとわかれば、早晩すたれていく・・・というのが日本国憲法が予定している表現の自由のありかたである。

それゆえ、この表現行為を禁止すべきではなく、条例は違憲無効である。

                                       以上